【東芝】自然由来ガスを適用した300kV GISおよびGCBの基本性能を確認
株式会社 東芝
自然由来ガスを適用した300kV GISおよびGCBの基本性能を確認
~2028年度中の製品化を目指し、開発を加速~
GISは、送電線に異常が発生した際に電流を遮断して他の電力機器への影響を防ぐGCBや、送電系統を切り替えるための断路器注1、接地開閉器注2などから構成される、電気の流れを安全に制御する変電設備です(図1)。送変電網の中心的な役割を担う高電圧変電所では、取り扱う電力が大きいため設備も大規模になります。そのため、優れた電気的性能と高い安定性を備えたSF6ガスを使用して、機器の小形化を実現してきました。しかし、SF6ガスは地球温暖化係数(GWP)が二酸化炭素の約25,000倍と非常に高く、大気中に漏えいした場合の環境影響が大きいことから、世界的にその削減が重要課題となっています。
当社は、SF6ガスを窒素、酸素、二酸化炭素などの自然由来ガスに代替することで、電力インフラの環境適合性と持続可能性の向上を目指しています。また、自然由来ガスは、環境規制リスクや供給リスクが極めて低く、安全・安心な特長を備えています。このため、国内外の電力会社や再生可能エネルギー事業者からも高い期待が寄せられています。
今回、SF6ガスの代替として二酸化炭素と酸素の混合ガスを用いた実規模の試験用モデル器(図2)を製作し、当社の総合研究所 エネルギーシステムR&Dセンター(神奈川県川崎市)において検証試験を実施しました。GISの中核機器であるGCBの遮断部には、当社独自の設計技術を用いたガス吹付け消弧室注3構造を採用しました。自然由来ガスの物理特性に基づき消弧室の内部構造を最適化することにより、遮断性能や絶縁性能の向上を図っています。
検証試験の結果、GCBの遮断性能および絶縁性能のいずれにおいても、標準規格に則した設計目標を満たすことを確認しました。また、GIS全体においてもモデル器を製作し、同混合ガスを適用した上で断路器や接地開閉器を含む主要機器の性能検証を実施し、基本性能を確認しました。これにより、自然由来ガスを用いた機器の合理的なサイズでの実用化が可能であることが示されました。
今回の試験用モデル器での実規模検証結果を踏まえ、当社は今後、商用器の市場投入に向けてプロトタイプの設計を開始し、各種形式試験を経て2028年度中の製品化を目指します。また、当社はGWPが二酸化炭素よりも小さい自然由来ガスを適用した送変電機器のブランド「AEROXIA™」注4を立ち上げており、製品ラインアップのさらなる拡充を図っていきます。
注2 接地開閉器:高圧回路の点検・整備時に、回路を確実に接地(アース)することで、設備および人体の安全を確保する機器
注3 消弧室:電流遮断時に電気接点間で発生する高温のアーク放電を急速に冷却・消滅させ、電路を迅速に切断する遮断器内部の中核部位
注4「AEROXIA™」(エアロクシア)の詳細は以下を参照ください。
https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/jp/products-solutions/transmission/products-technical-services/substation-equipment/pdf/TOSHIBA_AEROXIA_Brandbook_20220316.pdf
以上
