マンゴーの葉に皮膚の老化防止作用を発見 廃棄されているマンゴーの葉の有効活用に期待 -- 近畿大学

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近畿大学附属農場(和歌山県有田郡湯浅町)の講師 伊藤仁久は、平成30年(2018年)6月27日(水)、東京ビックサイトで開催される「BIO tech 2018 第17回 バイオ・ライフサイエンス研究展」のなかで、「マンゴー葉エキスの終末糖化産物(AGEs)産生抑制作用」という演題で研究成果を発表します。 【本件のポイント】 ●マンゴーの葉に皮膚の老化予防につながるAGEs産生抑制作用を発見 ●多量に廃棄される未利用農産資源であるマンゴーの葉の有効活用に期待 ●今後は、機能性食品や化粧品の素材として、企業との連携を通じて応用研究を進める 【本件の概要】  近年高齢化が進み、アンチエイジングに対する意識が高まっています。皮膚の老化はAGEs(Advanced Glycation End Products)という物質の蓄積によって起こることが報告されており、AGEsの蓄積は糖尿病や動脈硬化の原因となりうることも指摘されています。そのため、AGEsは外見のみならず体内の老化を抑制するうえで重要な標的と考えられています。これまで、合成化合物や植物エキスを含む天然素材で安全性の高い新規のAGEs産生抑制剤の研究が行われていますが、我が国ではAGEs産生を抑制する医薬品は現時点で市販されていません。  伊藤は、附属農場が昭和62年(1987年)から栽培研究を行っている「マンゴー」に着目し、平成26年(2014年)から薬学部、生物理工学部と学部横断で研究を行ってきました。その結果、マンゴーの葉から抽出したエキスにAGEs産生抑制作用を発見するとともに、その有効成分を同定しました。  マンゴーの葉は、栽培過程において剪定され多量に廃棄される未利用農産資源ですが、本研究によって糖尿病の随伴症状改善に役立つ機能性食品分野や、皮膚老化予防に用いる化粧品分野での活用が期待されます。今後は、機能性食品や化粧品の素材として研究成果を社会に還元すべく、企業との連携を通じて応用研究を進める予定です。 【研究発表】 ■日  時:平成30年(2018年)6月27日(水)12:00~12:30 ■場  所:東京ビックサイト 特設会場ACA-3(東京都江東区有明3-11-1) ■演  題:マンゴー葉エキスの終末糖化産物(AGEs)産生抑制作用 ■筆頭演者:近畿大学附属農場 講師 伊藤仁久 【研究詳細】  皮膚の老化は、体内のタンパク質と糖が非酵素的糖化反応により産生されるAGEs(Advanced Glycation End Products)の蓄積により引き起こされることが報告されており、AGEsは皮膚老化だけでなく糖尿病や動脈硬化の原因となりうることも指摘されています。そのため、AGEsは外見のみならず体内の老化を抑制するうえで重要な標的と考えられています。  本研究では、剪定時期に採取したマンゴーの葉からエキスを作製し、AGEs産生を抑制するか評価しました。その結果、葉エキスにAGEs産生抑制作用が認められ、葉エキスの有効成分として3-C-β-D-glucosyl-2,4,4',6-tetrahydroxybenzophenone、mangiferinおよびchlorophyllを同定しました。  このことから、これまで廃棄されていたマンゴーの葉が、糖尿病の随伴症状改善に役立つ機能性食品分野や皮膚老化予防に用いる化粧品分野の天然資源として利用できる可能性が示唆されました。  なお、本研究成果は特許出願中です。出願番号:特願2017-115595、発明人:伊藤仁久(近畿大学附属農場湯浅農場)および松川哲也(近畿大学生物理工学部)、出願人:学校法人近畿大学。 【近畿大学附属農場について】  近畿大学附属農場湯浅農場は、昭和27年(1952年)に開設されました。比較的温暖な気候を利用し、昭和62年(1987年)からマンゴーの栽培と栽培技術の向上に取り組んでおり、今では湯浅農場で栽培されたマンゴーは「近大マンゴー」として百貨店等で販売されています。マンゴーの他にも「近大みかん」などを栽培し、約200種類の柑橘類を保存する「柑橘遺伝資源保存園」を平成27年(2015年)1月に開園しています。また、栽培作物に食以外の利用価値を求める研究にも取り組んでいます。 ▼本件に関する問い合わせ先 総務部広報室 住所:〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1 TEL:06‐4307‐3007 FAX:06‐6727‐5288 メール:koho@kindai.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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