日本製鉄 ブリキ製品における「エコリーフ」環境ラベルの取得について ~容器用素材として、国内で初取得~
2018年の国際規格化(ISO規格化)により、スチール素材(鉄鋼製品)のライフサイクルのうち、「作る」段階、およびスチール缶等、スチール製品ではほぼ全量で行われている「使い終わった後のリサイクル」段階のCO2排出削減量等の環境負荷低減の値を定量的に示せるようになりました。
素材として、使い終わった後のリサイクル効果を含めて環境への貢献度を算出できる規格は他素材には有りません。また、スチール缶に用いられているスチール素材は、素材を「作る」段階の環境負荷が小さい上、リサイクル性が極めて高く何度でも何にでもリサイクル可能で、そのリサイクル効果も高いことから、素材の一連のライフサイクルでのCO2排出量は、他素材に比べてもスチール容器は低いといえます。
日本製鉄は、このLCA算出手法の国際規格化(ISO規格化)の動きを捉え、スチール容器用素材であるブリキ品種において、CO2等の排出削減量を「エコリーフ」環境ラベルで積極的に公表し、最終商品の消費者に対して示していきます。
従前より世界的に注目されている気候変動問題に加え、近年は、マイクロプラスチックによる海洋汚染やプラゴミ処理能力不足・不法輸出・投棄といった廃プラスチック問題が深刻化し、世界的な地球環境問題への関心は更に高まってきています。スチール素材は、何度でも何にでもリサイクル可能で、そのリサイクル効果も高いことに加えて、万が一放置されても、最終的には錆びて土に戻る、環境に対して極めて優しい素材です。
日本製鉄は、環境性能に優れた「スチール缶」に包装された食品や飲み物などを選択(消費)することが、こういった環境問題に対する私たち消費者が取るべきエコアクションとなりうることを、一人でも多くの消費者の方々に改めて認識いただくための一つの手段として、ブリキ製品の「エコリーフ」環境ラベルを活用し、持続可能な社会の構築に貢献すべく尽力してまいります。
日本製鉄が取得した「エコリーフ」には以下の特徴があります。
1.「JIS Q 20915鉄鋼製品のライフサイクルインベントリ計算方法」等に準拠
2018年に発行された「国際規格ISO 20915:2018」、および2019年6月に制定された「JIS Q 20915:2019鉄鋼製品のライフサイクルインベントリ計算方法」に準拠しています。同JISでは、鉄鋼製品の環境負荷の計算にあたり、スクラップリサイクルの効果を含めることが義務付けられています。本エコリーフでは何度でも何にでも生まれ変わることのできる鉄鋼製品の高いリサイクル効果を反映したライフサイクル全体での環境負荷値を開示しており、本ブリキ3製品の環境負荷値は製造時のみの環境負荷の値に対して大きく低下した値になっています。
2.日本鉄鋼連盟が策定した鉄鋼製品のPCR(*2)に基づく認証
2019年8月に日本鉄鋼連盟が主体となり、エコリーフにおける環境負荷値の算定等のルールとなるPCRが鉄鋼製品全般について策定されました。本エコリーフはこのPCRに基づいたものです。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した、リサイクル性に極めて優れ、環境に優しいサステナブルな素材である鉄鋼製品の環境性能開示に今後も積極的に取り組んでまいります。
(用語解説)
(*1) エコリーフ環境ラベル、EPD(Environmental Product Declaration)
エコリーフ環境ラベルは資源採取から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルまでの製品のLCA(ライフサイクルアセスメント)に資する定量的な環境情報を開示する認証制度。ISO14025規格で規定されているタイプIIIの環境ラベルはEPDと言われ、定量的環境データを第三者機関が認証して開示するものであり、エコリーフはこのタイプの環境ラベル。日本では一般社団法人サステナブル経営推進機構が「エコリーフ環境ラベルプログラム」(https://ecoleaf-label.jp/)として運営。
(*2) PCR(Product Category Rule)
EPD/エコリーフにおける製品種別毎の環境負荷の値の算定・開示方法に関する基本ルール。 鉄鋼製品については、2018年にねじ節鉄筋のPCRが策定され、2019年8月にはこれを鉄鋼製品全体に拡大して、JIS Q 20915に準拠したPCRが策定された。
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以 上