FITELnet(R) シリーズのエントリーモデル F70/F71を発売

古河電気工業株式会社

~専用ルータの高性能とWhite Box製品の柔軟性を両立、従来エントリーモデルの5倍のIPsec性能を実現するアクセスVPNルータ~

● 従来エントリーモデルから約5倍のIPsec中継性能、最大1.5Gbps(平文性能は1.9Gbps)
● アプリケーションアドオン機能で、高性能な専用ルータでWhite Box製品のような柔軟性を実現
● OSアップデートなどクラウド向け特定トラフィックの帯域占有を回避するブレークアウト機能搭載

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区丸の内2丁目2番3号、代表取締役社長:小林敬一)は、2020年11月よりルータブランドFITELnet(R)シリーズの新製品「FITELnet(R)  F70」と「FITELnet(R) F71」の一般発売を開始しました。「F70」と「F71」は、昨年リリースしたアクセスVPNルータの最新モデル「FITELnet(R) F220」と「FITELnet(R) F221」の機能をベースに、低価格から利用を開始できるエントリーモデルです。可用性やセキュリティを担保した専用ルータ製品の高品質な機能・性能を持ちながら、ルータの装置内に自由にアプリケーションをアドオンできるWhite Box製品(注1)のような柔軟性を兼ね備えました。また、IPsec(注2)は最大1.5Gbps(平文性能は1.9Gbps)と、従来のエントリーモデル「FITELnet(R) F60」の約5倍の中継性能を実現し、通信速度不足の解消にこれまで以上に貢献できるようになります。

 
■背景
 近年の働き方改革の推進や新型コロナウィルスの感染拡大防止措置として、企業ネットワークにおけるクラウドサービス利用が加速しています。また、テレワークやサテライトオフィスの導入に伴い、ユーザ/デバイス/データがあらゆる場所に存在する状況下でのセキュリティ確保が課題となっています。企業ネットワークの多様なニーズの変化に柔軟に対応できるよう、当社が長年培ってきた専用ルータとしての機能・性能を強化しながら、White Box製品のように自由に機能をアドオンでき、様々なSaaSと簡単・安全に連携可能な製品として『FITELnet(R) F70』と『FITELnet(R) F71』を開発しました。

 

(左)FITELnet(R) F70 /(右)FITELnet(R) F71

 
■内容
● 従来機種の5倍のIPsec性能で通信速度を向上させながら、省電力性を実現
IPsec において、最大64 拠点収容、スループット最大1.5Gbps(平文性能は1.9Gbps)を実現し、従来のエントリーモデル「FITELnet(R) F60」と比較して中継性能が約5倍に向上しました。また、平文中継における1Gbpsあたりの消費電力について、従来のエントリーモデル「FITELnet(R) F60」と比較して大幅な削減(約70%減)を実現しています。

White Box製品のような柔軟性のアプリケーションアドオン機能で、多様なニーズに対応
企業ネットワークで培った高い可用性とセキュリティ性をもつ専用ルータの機能・性能に、White Box製品の柔軟性を加えた非常に汎用性の高い製品です。ルータ装置内に自由にアプリケーションをアドオンできるアーキテクチャを持ち、OSSや自作のアプリケーションを利用することが可能になりました。

 
<アプリケーションアドオン機能の利用例>

● C/D分離の新アーキテクチャで負荷を分散し高可用性を実現
FITELnet(R)シリーズのエントリーモデルとして初めて、ARM(R)マルチコアにコントロールプレーン(C Plane)とデータプレーン(D Plane)を独立させて配置するC/D分離のアーキテクチャを採用しました。コントロールプレーンとデータプレーンをそれぞれ別のCPUコアに割り当てることで、処理の干渉を防ぎ、処理速度の遅延などを解消します。また、別のコアにコンテナ型仮想化技術「LXC(Linux Containers)」を搭載し、その上に任意のネットワークアプリをアドオンすることが可能です。利用目的に応じてコア配分を変更する機能もサポートします。

 

 
● LBO(ローカルブレイクアウト)機能でクラウド利用時のセンター回線の輻輳を解消
OSアップデートなどSaaSへのアクセスによる特定のトラフィックの帯域占有を、企業内のネットワークとデータセンタを介さず、直接インターネットに流すローカルブレイクアウト機能を備えています。これにより、近年問題となっている、SaaSをはじめとするクラウドサービスへのアクセス増大による企業ネットワークのセンター回線の輻輳を解決できます。ネットワークアプリを活用して、クラウドセキュリティサービスと簡単・安全に連携する機能も提供します。

 
(左)LBOしていない図             (右)LBOしている図


● マルチキャリア対応 LTE通信モジュールを内蔵(F71のみ)
「F71」はマルチキャリアLTE通信モジュールを搭載しており、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのモバイル回線を自由に選択することができます(各社MVNO回線含む)。SIMをご用意いただくことで固定回線のバックアップとしてモバイル回線を利用したり、固定回線がなくても即時にモバイル回線で利用を開始することが可能です。ご利用中のISDN回線からのマイグレーションにも適しています。また、SIMスロットを2つ搭載しているため、異なるキャリア回線を利用した冗長構成をとることが可能です。

● 最新の回線サービスに柔軟に対応
NTT東日本およびNTT西日本の帯域確保型データ通信サービス「データコネクト(R)」をサポートしており、ISDNからのマイグレーションに適用可能です。また、NTTコミュニケーションズが提供する「OCNバーチャルコネクトサービス(IPoE)」(注3)、日本ネットワークイネイブラー(JPNE)が提供する「v6プラス」、Biglobeが提供する「IPv6オプション」やインターネットマルチフィードが提供する「transix IPv4接続(DS-Lite)」、「transix IPv4接続(固定IP)」を利用することでIPv6網を介してIPv4インターネット網へ接続することも可能です。その他VNE(注4)事業者が提供する各種IPoE(注5)サービスにも順次対応を予定しており、ご希望に応じた接続環境を選択することができます。

● テレワークに必要な機能にも対応し、働き方改革の推進をサポート
近年の働き方改革の推進や新型コロナウィルスの感染拡大防止措置として、普及が活発となっている在宅勤務やモバイルワークといった働き方を支える、L2TPv2/IPsec(注6)などのセキュアなVPN機能もサポートしています。

● レイアウトフリーな筐体
従来の横置きに加えて、縦置きや壁掛けにも対応しており、シーンに合わせた設置方法の選択が可能です。

■本体仕様
詳細は以下URLよりご確認いただけます。
URL:https://www.furukawa.co.jp/fitelnet/product/f70/index.html

 
■用語解説
(注1)White Box製品:ソフトウェアを含まないネットワーク製品。専用ネットワーク製品は、ソフトウェアとハードウェアが統合された形で販売されており、ユーザが機能を新たに追加することは困難ですが、White Box製品はユーザ自身で必要に応じてソフトウェアを選択・開発して機能を追加することができます。
(注2)IPsec:VPNを実現する方式。転送データ(パケット)を暗号化、トンネリング、復号化することにより、途中経路でのデータ改竄・盗聴を防ぎ、セキュリティが確保されたバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を構築することができます。
(注3)「OCNバーチャルコネクト(IPoE)」は、NTTコミュニケーションズがIPoE接続事業者(VNE)としてインターネット接続サービスプロバイダ等へ提供するサービス等の名称であり、同社の商標です。
(注4)VNE(Virtual Network Enabler):NTT東西が提供する「フレッツ光ネクスト」加入者が利用できるIPoE接続サービスをローミング提供する事業者。
(注5)IPoE(IP over Ethernet):NTT東西など事業者側のネットワークと直接接続してIP通信を行う通信方式。
(注6)L2TPv2/IPsec(Layer Two Tunnelling Protocol Version 2 over IPsec):リモートアクセスを可能にするためにデータリンク層(L2)でのトンネリングを実現するプロトコルであるL2TPv2 と、インターネットでセキュアに通信するためのプロトコルであるIPsecを併用することで、モバイル端末からインターネット経由で企業のプライベートネットワークなどへセキュアにリモートアクセスする方式。

 
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。」を基本理念に掲げて、4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を軸に、事業活動をしています。さらに、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、当社グループの事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定し、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。

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