地域医療における連携病理診断を提供する「病理診断センター」を設立
病理診断センターは、現在の医療提供体制の課題である、病理医不在または一人病理医の医療機関を対象に、精度の高い病理診断あるいは支援を行い、診断の質向上とともに、患者さんの術後QOL(Quality of Life:クオリティ・オブ・ライフ)の向上やがんの再発の防止および低減につなげたい、その思いを実現するための役割を担います。また、すでに協定を締結している地域医療連携推進法人「尾三会」とも連携し、地域医療の連携強化を目的とした、地域に根差した活動を進め、地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。
将来構想としては、病理診断に係る豊富な知見や人員等のリソースを有するアカデミア(藤田医科大学)発という特徴や、デジタル画像を用いた安全性の高いデータプラットフォーム等を活かした診断支援を通じて、他の医療機関への診断、検査技術に関する教育支援や、AIを用いた画像診断の研究・開発にも取り組んでまいります。
設立の背景
今後、各個人の遺伝的な特徴をもとにした診断、効果的な疾病リスク判断や遺伝学的研究成果を根拠とした治療薬選択など、質の高い病理診断と遺伝子検査の需要が高まることが予想されています。一方で、病理医は慢性的に不足しており、日本病理学会が提唱する「国民のためのよりよい病理診断に向けた行動指針2021」に基づく安心・安全な「病理診断」を責任もって国民に提供するためには、医療機関に病理医および「病理診断」を集約化することが求められています。