大阪工業大学(学長:井上 晋)工学部応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授のグループが、液滴(リキッドマーブル)を利用し光を照射することで反応を開始させることのできるマイクロ反応容器を開発しました。
【本件のポイント】
●反応容器の小型化は、試薬量や反応時間の大幅な短縮を可能にする注目の技術
●液滴を利用し光を当てることで化学反応を開始できるマイクロ反応容器を開発
●望みのタイミングで遠隔的に反応を開始させることが可能
反応容器の小型化は試薬量や反応時間の大幅な短縮を可能にするため、グリーンケミストリーやサステイナブルケミストリーの発展に大きく貢献することが期待されています。これまでに、微細な流路内で化学反応を行うマイクロチャネル型反応装置、基板に電場を印加することで液滴を運動・混合させ化学反応を行うエレクトロウェッティング装置を用いた微小反応系が開発されていますが、装置の設計・作製が煩雑で装置自体の価格が高価、装置操作技術の習得に時間がかかる等の問題がありました。
本研究では、光(近赤外線、太陽光)を当てることで固体から液体に変化する粒子の粉で覆った液滴が、マイクロ反応容器として有効に利用できることを明らかにしました。2つの液滴を接触させた後、接触部に光を照射することで、2つの液体が混合し、化学反応を起こさせることに成功しました。本手法により、望みのタイミングで遠隔的に、微量の反応試薬を用いた化学反応の開始が簡便に実現。高価な試薬が必要となる、製薬分野、バイオマテリアル分野での応用が期待されます。
この成果は、日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(B)の支援を受けて得られたもので、このほど米国化学会の学術雑誌ACS Applied Materials & Interfacesに論文が掲載(2022年8月31日付)され注目を集めています。
URL:
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acsami.2c12681
大阪工業大学ホームページ
https://www.oit.ac.jp/
▼本件に関する問い合わせ先
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田中、上田
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【リリース発信元】 大学プレスセンター
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