大阪工業大学(学長:井上 晋)応用化学科高分子材料化学研究領域の藤井秀司教授と三菱ケミカルグループがこのほど、ハチミツを取り扱いやすく保存性の高い粉体にする技術を共同開発しました。
【本件のポイント】
●自然界のアブラムシが、自身のお尻から排出する甘露(粘度の高い甘い蜜)の表面をワックス粒子で覆うことで、べたつかずにころころと転がる液滴(リキッドマーブル)にしていることが知られている
●リキッドマーブルの大きさを更に小さくすることで、液体を、さらさらと流れる粉体(ドライリキッド)にすることが可能
●粘度の高い液体であるハチミツの液滴を固体粒子で覆うことで、べたつかずにさらさらと流れる粉体(ドライリキッド)にする技術を開発
●開発した粉体状ハチミツは、保存安定性が高く、冷蔵庫から取り出した後すぐに料理に均等に振りかけることができる
藤井教授は、アブラムシがお尻から分泌する粘着性のある甘露(甘い蜜)をワックス粒子でコーティングする生態(リキッドマーブル技術)に着目し、粘着剤をリキッドマーブルというころころと転がる粒にする技術を開発し、世界のメディアで取り上げられています。更に最近、リキッドマーブルの大きさ(数百マイクロメートル~ミリメートル)をより小さく(数十マイクロメートル)することで、液体材料を、さらさらと流れる粉体(ドライリキッド)にすることが可能であることを見出し、その応用研究を推進しています。
今回の研究では、食品であるハチミツの表面を固体粒子で覆うことで、さらさらと流れてべたつかず取り扱い易い粉体(ドライリキッド)にする技術を開発しました。ハチミツの粉体(ドライリキッド)は、ハチミツと固体粒子をフードブレンダーで混ぜるだけで作製でき、3年以上も粉体のままで保存可能であることが明らかになりました。健康に良い自然食材として人気のハチミツですが、その粘度の高さ、べたつきのため取り扱いにくいという難点があります。今回開発された技術は、これらの難点を克服し、ハチミツを冷蔵庫から取り出した後すぐに粉体として料理にまんべんなく振りかけることができるようになりました。
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田中、上田
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