デロイト トーマツ、「苫東GX HUB構想」を策定

デロイト トーマツ グループ

北海道・苫小牧東部地域を、再エネ・水素・CCUSの3つのインフラを包括的に提供できる先進的な産業地域として、日本のカーボンニュートラル実現に向けたモデルケースとなることを提言

デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長 佐瀬真人、以下「デロイト トーマツ」)は、国土交通省から受託した「苫小牧東部地域におけるカーボンニュートラルの推進等に関する調査業務」(以下、「本業務」)の一環として、「苫東GX HUB構想」を策定しましたのでお知らせします。苫東GX HUB構想は地産地消の再生可能エネルギーネットワークの整備に加え、水素サプライチェーンの構築、周辺地域におけるCCUS事業との連携強化により、苫小牧東部地域(以下、「苫東地域」)を日本のカーボンニュートラル実現に向けた地域産業のモデルケースとしていくことを提言したものです。

苫東地域は、約1万ヘクタールの広大な空間を有し、新千歳空港、苫小牧港、高規格幹線道路、鉄道などの優れた交通条件および、自然環境に恵まれていることに加え、高度な都市機能や産業機能等が集積する道央地域に位置するなど、極めて開発可能性が高い地域です。苫東GX HUB構想では、苫東地域のポテンシャルを活かし、企業活動に必要なエネルギーを、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)・水素・CCUSといった脱炭素に関わる3つのインフラによって供給することを目指します。

構想策定に当たっては、苫東地域における将来にわたる再エネ需要・導入量の推計ならびに需給バランスの検討のほか、地域マイクログリッドの検討などを行いました。結果、2050年ベースで212GWh以上の需要に対して、太陽光、風力、バイオマス、ゼロエミッション火力など含め、設備容量で約1300MW、電力量で2400GWh以上の供給が見込まれることが分かりました。また、マイクログリッドに関しては段階的な対応が必要な点も明らかになりました。

調査結果を踏まえ策定した苫東GX HUB構想は次のとおりです。
  • まず、苫東地域内に新設した再エネ電源と需要家を自営線で接続することによる「コーポレートPPA*1」の導入により、太陽光の地産地消を進める。その上で将来的に、それらを連結して地域全体に供給網を広げることで、事業性のある大規模マイクログリッドを整備していく(図1、2)
  • 本事業で進めている再エネの供給に加え、別途進められている水素サプライチェーンやCCUS事業との連携により、再エネ・水素・CCUSの3つのインフラで立地企業の脱炭素化を図る
  • これにより苫東地域は、企業が立地するだけでゼロエミッション化が実現できる工業地帯となる上、安価な再エネへのアクセスも可能になるため、データセンターを始めとする新規産業の誘致が期待される
デロイト トーマツは、苫東GX HUB構想に含めた、苫小牧における産業間連携を活用したカーボンリサイクル事業においてCCUSや水素利用の調査も実施しており、本業務で提案した地産地消の再エネネットワークの整備に加え、水素サプライチェーン構築、CCUS事業との連携を具体的に進めることで、苫東地域をカーボンニュートラル産業地域のモデルケースとする苫東GX HUB構想の実現、ひいては我が国の脱炭素社会実現に貢献していきます。
 
「苫東GX HUB構想」の具体的な内容は、国土交通省のウェブサイトをご覧ください。

【国土交通省URL】
北海道開発計画調査 |北海道開発局 (mlit.go.jp)
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousa/u23dsn0000001rud.html#s0

*1:発電事業者が、需要家の土地や建物に、発電事業者が所有する再エネ電源を設置する。その再エネ電源で発電された電力を、発電事業者が当該需要家へ供給する仕組み。
 
 

 

その他のリリース

話題のリリース

機能と特徴

お知らせ