日本製鉄 チタン合金の洋釘が浄福寺の庫裏離れ新築工事に初採用
浄福寺は東広島市高屋町の古くからの町並みに佇む約430 年の歴史のあるお寺です。今回の新築工事で使用されたチタン合金製洋釘は、康和建工株式会社(広島県安芸郡熊野町)代表取締役であり、宮大工棟梁の三村康久氏より「杉の耐朽性の良い赤身を使った外壁を永く持たせる上で、鉄釘の錆汁や、鉄・ステンレス釘による結露を避けるため、チタン洋釘が欲しい」とのリクエストをきっかけに、各種ステンレス洋釘等で技術力に定評がある河南製鋲株式会社(大阪府東大阪市高井田西)が、日本製鉄協力の下で開発したものです。
さらに、浄福寺住職 金谷桂三氏に、日本製鉄の意匠性チタンTranTixxii の持つ耐食性、意匠性を評価頂き、屋根材としてTranTixxii が採用されています。
これまでチタン製の洋釘は、加工性の制約から、純チタン製しか製造、販売されていませんでした。純チタン洋釘は、耐食性は極めて高いものの、鉄釘やステンレス釘に比べ、強度・硬度が低く、硬い木材や、厚手の合板等には打ち込みが極めて困難、また空気圧の釘打ち機では使用出来ない、といった課題がありました。今回、初めて高強度のチタン合金から製釘することに成功し、製品としてはチタンの耐食性そのままに、ステンレス釘とほぼ同等の強度・硬度を持つチタン合金製洋釘(スムース釘、スクリュー釘)が販売される運びとなりました。
全国に社寺は約16 万社あり、建物のメンテナンス費用や職人の人手不足など維持管理に関する課題が多く聞かれます。日本製鉄は、耐食性・耐久性に優れたチタンによる長期的なメンテナンス負荷低減と、加工性にも優れた意匠性チタンTranTixxii による容易な施工などのソリューション提供を通じ、素材の面から伝統建築の継承に貢献します。
意匠性チタンTranTixxii は、独自の技術によって様々な色彩・色調を表現する、時を超えて “伝統” と “美しさ” を次世代に伝える世界初のチタンブランドです。日本の伝統的な神社仏閣をはじめとして、日本国内及び海外の著名な劇場やホテル、美術館、教会等、約700 件以上の建造物に採用されてきた実績があります。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を結集し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「11.住み続けられるまちづくりを」のターゲットである「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。
*本堂や境内を整備・維持する者の住まい
【物件概要】
① 物件名 :浄土真宗本願寺派 金谷山 浄福寺 庫裏離れ新築工事
② 所在地 :広島県東広島市高屋町高屋堀2366
③ 設計施工:康和建工株式会社
④ 素材 :(チタン製スムース釘)ASTM B348 Gr.9(3Al-2.5V)
(屋根横段葺き)意匠チタンTranTixxii
⑤ 板金施工:株式会社サイテック(山口県宇部市明神町)
⑥ 洋釘製作:河南製鋲株式会社
⑦ 使用量 :約0.3トン(スムース釘1000 本、屋根材285 kg)
⑧ 竣工 :2023 年2 月
https://www.nipponsteel.com/product/trantixxii/
(お問い合わせ先)
日本製鉄株式会社 総務部広報センター TEL:03-6867-3419
チタン営業部自動車・建材室 TEL:03-6867-3948