HPVワクチンの接種率は先進7か国で最下位。無料オンライン相談で不安や疑問を解消し、 納得のいく判断をサポートする埼玉県産婦人科医会の取り組みにメドレーが協力
HPVワクチンとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で発症するがんを予防するためのワクチンで、主に子宮頸がんを予防するワクチンとして知られています。諸外国と比較しても極端に低いHPVワクチンの接種状況が一因となり、日本の子宮頸がん罹患率は増加傾向にあり、とくに30-40代前半の比較的若い患者数が増えています。背景には、HPVワクチン接種後の副反応と疑われる症状が問題視され、約9年間定期接種推奨の休止期間が設けられたことが挙げられます。その後の調査で副反応ではないという疫学的判断がされ、2022年4月から定期接種が再開され1年を迎えたものの、接種率は伸び悩んでいます。
2023年4月から、より予防効果の高い9価ワクチンの公費接種も開始され、検診と同様にワクチンによる子宮頸がん罹患率の低下に期待が寄せられている中、当事者の不安や疑問を払拭しHPVワクチンについての理解を深め、打つ・打たない、の正しい判断を一人ひとりができる環境の整備が急務となっています。
■世界的には減少している子宮頸がん、日本では増加傾向。諸外国と比較して極端に低い日本のHPVワクチン接種率
世界全体では検診及びワクチンの普及により、子宮頸がんの罹患数は減る予測が立てられている一方で、厚生労働省のデータによると日本においては、年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、約2,900人が亡くなっており、罹患数・死亡数ともに増加傾向にあります。
また、近年では30歳代の罹患者が増え、患者数のピークが若年化しており、働き盛りや子育て世帯の女性が子宮頸がんにより妊娠できなくなったり命を失っている現状は、社会課題の一つととらえられています。
一方で、子宮頸がんはワクチンによって発症を予防できるがんです。子宮頸がんにつながるHPVの感染はワクチン接種で防ぐことができ、最も新しい9価ワクチンでは子宮頸がんの90%以上を予防できると言われています。世界保健機関(WHO)も接種を推奨しており、2020年11月時点で110か国で公的な接種が行われ、カナダやイギリス、オーストラリアなどの接種率は約8割となっています。しかしながら日本の接種率は2019年時点で1.9%(3回まで接種済み)と圧倒的に低い水準にとどまっており、先進7か国で最下位となっています。このことが日本の患者数の増加傾向、患者の若年化の要因の一つと考えられます。
出典: 厚生労働省ホームページ「HPVワクチンについて知ってください 子宮頸がん予防の最前線」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202205_00001.html
■2022年4月より定期接種再開も伸びない接種率。ワクチン接種に際し「わからないことが多い」対象者が多い
HPVワクチンは接種後に全身の痛みや知覚障害といった副反応とみられる症状が報告されたため、日本では2022年まで定期接種の推奨が休止されていた期間がありました。
その後、国内外における多数の疫学調査などにより接種歴のない人にも同様の症状が起こることがわかり「HPVワクチン接種後の副反応は、HPVワクチンに特異的なものではない」という判断がなされたため、2022年4月から定期接種の推奨が再開されることになりましたが、10政令市に行ったサンプリング調査によると2022年4〜7月の接種実施率は約16%程度(第1回目の接種を対象)※にとどまっています。
接種が進まない理由の一つとして、これまでさまざまなメディアでワクチンの副反応として取り上げられていた経緯もあり、接種対象の女性や家族が、定期接種再開以前からあった「わからないことが多いため、決めかねている」といった接種に対する不安や疑問を解消できていないことが考えられます。
また、副反応とされていた接種前後に起きる反応(直後だけでなくしばらく経過した後に起きるものも含む)は、「予防接種ストレス関連反応」で、丁寧な説明やフォローアップ、信頼関係の構築が発生予防につながると言われています。
このような観点から、接種希望者や家族が事前に説明を聞いて不安を解消し、納得して接種にのぞむための相談体制を構築することは、接種率を高め、かつ安全性を確保するためにも重要です。
※出典:厚生労働省ホームページ 「HPV ワクチンの実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000997979.pdf 「HPVワクチンの情報提供に関する評価について」https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000541822.pdf
■接種前後の不安や疑問をオンラインで無料相談
定期接種の再開により、接種対象の小学6年生から高校1年生の女性とその家族は、HPVワクチンを「接種する・しない」の判断が求められることが想定されます。しかし自身や家族だけで漠然とした不安を解消したり、正しい知識を得ることは簡単ではありません。
このような、接種前の疑問や不安の解消をサポートすべく、埼玉県産婦人科医会が解説したオンライン無料相談窓口にメドレーが「CLINICSオンライン」を無償で提供し、ご活用いただくことになりました。さらに接種前だけでなく、接種後の相談もサポートしています。
相談をしたい場合、まずは埼玉県産婦人科医会の特設ページでそれぞれの医療機関の開始時期や対応日時をチェックしてみてください。(2023年3月現在は、埼玉県在住者のみが対象です)
専門のプログラムを受講し、認定を受けた医師が対応の所属する12医療機関(埼玉県内)が対応しています。
■2023年4月より子宮頸がんの90%以上を予防する、より効果の高い「9価ワクチン」も公費接種開始。定期接種停止期間に接種を逃してしまったキャッチアップ世代も対象
日本では、これまで2価と4価のワクチンのみが定期接種の対象でしたが、2023年4月以降は9価ワクチンも定期接種の対象になり、自己負担なく接種を受けることが可能になります。9価ワクチン2020年7月に厚生労働省に承認され、子宮頸がんの90%以上を予防できると言われているものです。
定期接種停止期間により対象期間が過ぎてしまった1997年~2007年度生まれの女性も対象となり、2025年3月末まで無料でキャッチアップ接種が可能となっています。さらにキャッチアップ世代の方もオンライン無料相談が受けられるので、特に情報が少なく疑問も多いと想定されるキャッチアップ接種について気軽に相談ができます。
※出典:厚生労働省ホームページ「HPVワクチンキャッチアップ接種について」https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000871712.pdf
メドレーではこのオンライン相談を通じて、一人でも多くの方がHPVワクチンについて理解し、接種に対する納得した判断ができる環境づくりに貢献したいと考えています。
■メドレーについて
メドレーは「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションをもとに、テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて「納得のできる医療」の実現を目指しています。
https://www.medley.jp
■「CLINICS(クリニクス)」について
CLINICSは、通院をサポートするオンライン診療・服薬指導アプリで、自宅などから医師との診察・薬剤師との服薬指導が受けられ、クレジットカード決済の後、ご自宅等でお薬を受け取ることができる、シームレスな医療体験を提供するサービスです。
オンライン診療・服薬指導以外にも対面診療の予約や、薬局へ処方箋を事前に送信して待ち時間なくお薬を受け取れたり、お薬手帳でお薬情報を記録して薬局へ開示することができたりと、日常の通院シーンを幅広くサポートするアプリです。
「CLINICS」はNTTドコモと共同運営を行っており、アプリランキングでも常に上位を獲得するなどオンライン診療アプリとしては日本最大規模となっています。
https://clinics-app.com
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https://www.medley.jp/release/20230324.html