株式会社セブン銀行(本社:東京都千代田区、代表取締役:松橋 正明)と東洋大学(本部:東京都文京区、学長:矢口 悦子)は、バイオミメティクス※1を活用した次世代ATMの技術開発に向けて、産学連携の共同研究を開始いたします。
■共同研究の背景と目的
近年、生物の持つ優れた構造や機能などを解明し、新たな技術を生み出す「バイオミメティクス」が世界的に注目されています。日本では2018年に環境省から「持続可能性を支える技術の開発・普及」としてバイオミメティクスを活用していく方針が出されましたが、参入事例はまだ多くありません。
東洋大学では、「東洋大学重点研究推進プログラム※2」の一環としてバイオミメティクスを活用した高機能かつ持続可能なものづくりをテーマに掲げ、さまざまな専門領域を生かした研究に取り組んでいます。これを受け、セブン銀行では中核事業であるATMの筐体(きょうたい)に本研究を応用し、ATMの技術開発に持続可能なものづくりの要素を取り入れることを目的としています。
本研究によって得られた成果は、現行のATMや次世代ATMへの適用を想定し、お客さまが快適に安心して利用できる空間づくりとさらなるUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上につながると考えています。
東洋大学とセブン銀行は、今後も持続可能な社会、環境とともに、誰もが活躍できる共生社会の実現に向けた取組みを進めてまいります。
■研究内容
本研究では、バイオミメティクスの最先端研究によって生物の持つ優れた構造や機能などを解明し、新たな技術を生み出すことで、ATMの素材に応用するなどの改善につなげる狙いがあります。例えば、キズの目立たない素材や清掃性が向上する素材により、お客さまがより快適に安心して利用できる空間にブラッシュアップします。また、ATMに付属しているスピーカーを、より指向性の高い構造へ進化させ、様々な設置環境においてもプライバシー性高く安心してご利用いただける空間の実現を目指します。
※1・・・バイオミメティクスとは、生物が進化の過程で獲得してきた、構造・機能・生産・情報処理から着想を得て、それらを科学、医学、産業などさまざまな分野に生かそうとする概念。東洋大学の重点研究推進プログラムおける当該テーマのリーダーは合田達郎教授。くわしくは(
https://www.toyo.ac.jp/contents/research/tprp/project-06.html)
※2・・・東洋大学の重点研究推進プログラムについては(
https://www.toyo.ac.jp/research/gaku/jyuten/)
【株式会社セブン銀行 代表取締役社長 松橋正明コメント】
セブン銀行ではこれまで「お客さまの立場で考える」、「新たな挑戦を続ける」という組織文化のもと、業界を超えた技術交流や産学連携をおこなっています。これまでも積極的に最先端の技術や知見を取り入れ、応用することで、よりお客さまに喜んでいただけるATM体験およびサービスの開発に取り組んできました。今回の東洋大学との研究テーマである「バイオミメティクス」は、当社としても以前から関心のある分野であり、駅中や商業施設等、様々な場所に設置されるATMにおいて、お客さまがどこで利用されても快適に感じていただける空間づくりに寄与する研究であると確信しています。今回の連携が双方にとって有益であり、お客さまの「あったらいいな」を超えるような新たな価値を生み出せることを楽しみにしております。
【東洋大学学長 矢口悦子コメント】
東洋大学では、超スマート社会(Society5.0)の到来に向けて、地球レベルの課題解決に貢献し、本学のブランドとなり得る独創的かつ先端的な研究プロジェクトを支援することを目的に「東洋大学重点研究推進プログラム」を創設しました。本プログラムでは、「人間としての価値の創造や社会の幸福に貢献する先端的な研究」の推進を図り、本学が制定したSDGs行動憲章で掲げた「共存共栄の世界を創るための価値創造を果たすため、研究機関として多面的な知を結集し、広範かつ重層的な研究を展開し、多様で複雑な課題を解決する力となる」ことを目指しています。まさにこの方向性はセブン銀行の掲げる“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。”というパーパスと通底するものです。
今回の次世代ATM開発において、私達が日々取組む「人間としての価値の創造や社会の幸福に貢献する先端的な研究」の知見を生かすことができることを大変誇りに思います。
以上