2025年2月25日(水)、ルサイル(カタール):
英国のウルトラ・ラグジュアリーブランドであるアストンマーティンの最新型ハイパーカー、Valkyrieが今週末、ルサイル・インターナショナル・サーキットで開催される2025年FIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦、カタール1812kmレースでデビューを飾ります。アストンマーティンの歴史の心躍る新たな章が始まります。
アストンマーティン初の「ル・マン・ハイパーカー」(LMH)となるValkyrieは、WECの最高峰クラスで唯一、公道仕様のハイパーカーをベースにしています。ワークスチームThe Heart of Racing(THOR)がカタールで指揮するグローバルデビューによって、FIA WECと北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方に参戦するアストンマーティンの歴史的なシーズンが幕を開けます。
アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズとTHORの采配の下、Valkyrieの量産モデルから生み出された競技バージョンは、レース用に最適化したカーボンファイバー製のシャシーにコスワース開発の自然吸気6.5リッターV12エンジンの改良版を搭載しています。エンジンは標準仕様では最高回転数11,000rpm、最大出力は1,000bhpを超えますが、ハイパーカーのレギュレーションに従い、500kW(680bhp)という出力制限を厳密に遵守します。
アストンマーティンはFIA WECに2012年の初開催から毎年出場し、11の選手権タイトル獲得で最も成功を収めているマニュファクチャラーの一つに数えられますが、今回のValkyrieは1989年のグループCチャレンジャー、AMR1以来のトップクラス出場になります。これは、世界最高峰の耐久レースであるル・マン24時間レースにおいて、1959年にキャロル・シェルビー(米国)とロイ・サルヴァドーリ(英国)がDBR1で達成して以来の総合優勝を成し遂げる機会でもあります。
出場車2台のドライバー布陣は、アストンマーティンのワークスドライバーのベテランと若手を織り交ぜた、魅力的な組み合わせとなっています。007号車のValkyrieは英国勢で固められ、2016年ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)の総合チャンピオンであり2020年セブリング12時間の優勝も果たしているハリー・ティンクネルが、2020年ELMSでLMP3タイトルを獲得した新星トム・ギャンブルと組んで8レースのフルシーズンに臨み、さらに特に距離の長いカタール1812kmとル・マンでは、過去4シーズンすべてにIMSAのGTDおよびGTD Pro各カテゴリーで優勝実績のあるロス・ガンが加わります。
姉妹車の009号車では、FIA WECのGTクラスで3度タイトルを獲得しているマルコ・ソーレンセン(デンマーク)が長年THORのレーサーとして活躍するアレックス・リベラス(スペイン)と組みます。リベラスはIMSAの過去3シーズンそれぞれでGTD Pro優勝を果たしているほか、昨年のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)におけるFIA WEC LMGT3クラス優勝を決めたメンバーの一人でもあります。また、特に距離の長いカタール1812kmレースとル・マンでは、2022年IMSA GTDチャンピオンのロマン・デ・アンジェリスが戦力に加わります。
ハリー・ティンクネル、アストンマーティンValkyrie 007号車ドライバー:「新型ハイパーカーValkyrieを初めてレースで走らせ、アストンマーティンへの復帰ともなるカタールを、ものすごく楽しみにしています。世界中が、実物のValkyrieを見たいと待ち望んでいます。これほど注目を集めるプログラムの一員となれるのは最高の気分です。ライバルたちには2、3年の遅れを取っていることは承知していますので、短期間でかなり多くのことを学ばなければならないでしょう。全員が本当に一生懸命がんばってきましたし、アストンマーティンにとっての大舞台に臨む用意はできています。」
トム・ギャンブル、アストンマーティンValkyrie 007号車ドライバー:「カタールのFIA世界耐久選手権開幕ラウンドに向けて、とてもワクワクしています。アストンマーティンValkyrieという素晴らしいプロジェクトに参加できると知ってから、毎日カウントダウンして楽しみにしています。学ばなければならないことはたくさんありますが、最高のチームが背後で支えてくれているので、レースを迎えるときには、デビュー戦で充実した結果が確実に目指せるような状態になれると期待しています。アストンマーティンTHORチームで自分がハイパーカーデビューできるのは夢のような話で、一瞬一瞬のすべてが楽しいものになると思います。」
ロス・ガン、アストンマーティンValkyrie 007号車ドライバー:「これは、アストンマーティンとTHORにとって、極めて重要な瞬間です。Valkyrieのデビューは大いに待ち望まれていたことであり、アストンマーティンで10年間ドライバーを努めてきた自分にとっても、キャリアにおける大きな一歩となります。FIA WECに戻り、第1ラウンドに出場できることをとてもうれしく思います。ここで可能な限り多くを学び、最高に強力なパッケージで10時間レースに向かいます。」
マルコ・ソーレンセン、アストンマーティンValkyrie 009号車ドライバー:「カタールに行き、ガレージのValkyrieとチームと合流し、このプログラムを前進させていくことを楽しみにしています。カタールは開幕ラウンドであり、短期間でかなり多くのことを学ばなければなりませんが、充実したチームに恵まれていますので、唯一進むべき道は、すべてを開始することです。今後の道のりに参加できることは誇りですし、素晴らしいものにしていきたいと思います。」
アレックス・リベラス、アストンマーティンValkyrie 009号車ドライバー: 「カタールでアストンマーティンTHORチームとハイパーカーデビューできることは、私にとっても、このプロジェクトに関係するすべての人にとっても、大きなマイルストーンとなります。このレーシングカーは、何カ月にも及ぶ日々と何日もの長い一日を要する驚異的な行程を経て開発されました。ようやく、世界舞台のレースで走行する姿を初めて見ることができます。参加していることを光栄に思いますし、カタールではこの先長く大切にする思い出ができるでしょう。」
ロマン・デ・アンジェリス、アストンマーティンValkyrie 009号車ドライバー:「アストンマーティンTHORチームのハイパーカープログラムの最初のレースを前にした今のさまざまな感情を言葉に表すのは難しいです。初期テストの一部に参加できたのは超幸運でしたし、現在のこのポジションを得たいと一年間、願い続けてきました。プログラムの関係者全員が、非常に多くの努力を払ってきていて、カタールで実績を残したいと皆で楽しみにしています。」
イアン・ジェームズ、アストンマーティンTHORチーム代表:「究極のハイパーカーとして認識され、 さらに唯一公道仕様をベースにした車両で、アストンマーティンのようなマニュファクチャラーと共に世界選手権レベルを競えるのは、思わず頬をつねりたくなる思いです。1年目ということで、達成できることについては現実的に考えなければならないため、最初のゴールとしてはまずは出場して毎回改良を重ねていくということになりますが、最終的に頂上に達することができないと思っているのであればそもそも挑戦はありません。関係者全員の能力には自信を持っていますし、私たちは極めて高い野望を抱いています。」
アダム・カーター、アストンマーティン耐久モータースポーツ責任者:「Valkyrieというハイパーカーは、自動車の歴史において時代を画す存在です。そのため、レースでは歴史上の地位と技術的な成果を固め、揺るぎないものにする走行を見せなければなりません。ハイパーカーの規則には従っていますが、ロードカーのValkyrieのDNAと極めて強いつながりを持ち、同じV12のパワーユニットとアストンマーティンのアイコニックなデザインを中心に組み立てられています。FIA WECのライバルたちは非常にレベルが高く、とても尊敬していますが、それこそがFIA WECで競いたいという理由でもあります。もちろんValkyrieには勝ってほしいですが、強力なライバルに勝たなければ、その勝利に意味はありません。THOR、アストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ(AMPT)、パートナーがそれぞれ開発で果たした役割を考えると、優れた要素がすべてそろっていると確信しています。」
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