【酪農学園大学】貯蔵性の異なるタマネギのフルクタン代謝酵素活性の違いが明らかに~高貯蔵性タマネギの育成や機能性維持に適した貯蔵技術開発への貢献に期待



酪農学園大学(北海道江別市)農食環境学群食と健康学類の上野敬司教授、北海道大学大学院(札幌市北区)農学研究院の志村華子教授、農研機構・東北農業研究センター(岩手県盛岡市)の奥聡史研究員らの研究グループは、タマネギ貯蔵中にフルクタンが減少する速度は品種により異なることを示し、この減少にはフルクタン合成および分解酵素が関与することを明らかにした。この研究により、高貯蔵性タマネギ系統の育成やフルクタンを維持する貯蔵技術の開発などに貢献することが期待される。研究成果は糖質科学に関する学術誌『Journal of Applied Glycoscience』に掲載された。




◆研究成果のポイント
・タマネギ貯蔵中のフルクタンの減少にはフルクタン合成および分解酵素が関与
・貯蔵中に萌芽が観察されたタマネギではフルクタン合成および分解酵素の変動が大きい
・高貯蔵性タマネギ系統の育成やフルクタンを維持する貯蔵技術の開発などに貢献することが期待される

◆研究成果の概要
 酪農学園大学農食環境学群食と健康学類の上野敬司教授、北海道大学大学院農学研究院の志村華子教授、農研機構・東北農業研究センターの奥聡史研究員らの研究グループは、タマネギ貯蔵中にフルクタンが減少する速度は品種により異なることを示し、この減少にはフルクタン合成および分解酵素が関与することを明らかにした。
 タマネギはフルクタンと呼ばれる炭水化物を食用部位である鱗茎に蓄積する。このフルクタンはヒトの健康維持に役立つ機能性成分でもある。タマネギの貯蔵中、鱗茎のフルクタンは徐々に減少するが、この減少程度が少ないほどタマネギの芽は出にくく、貯蔵性が高いことが知られている。これまで、貯蔵性の異なるタマネギのフルクタン含量の変動や萌芽性の違いにフルクタン代謝酵素活性がどのように影響するかはわかっていなかった。
 研究グループは貯蔵性の異なるタマネギ2品種を用いて、貯蔵中の鱗茎のフルクタン含量、フルクタン合成および分解酵素活性の変動を調べた。貯蔵中に萌芽が観察されなかったタマネギ品種のフルクタンは緩やかに減少し、フルクタン合成および分解酵素活性のいずれも低値を示した。一方、貯蔵中に萌芽が観察されたタマネギ品種では速やかにフルクタンが減少して低値を示し、フルクタン合成および分解酵素活性の変動も大きいことがわかった。このことから、フルクタン減少にはフルクタン合成と分解の両方の酵素活性が関わることが明らかになった。
 タマネギ貯蔵中のフルクタンおよびその代謝酵素の変動に関する学術的な知見は、貯蔵性の高いタマネギ系統の育成やフルクタンを維持する貯蔵技術の開発などに貢献することが期待される。本研究成果は『Journal of Applied Glycoscience』誌に掲載された。

◆論文発表の概要
【著者名】Ueno K*, Oku S, Shimura H, Yoshihira T, Onodera S.
【タイトル】Variation of Fructan and Its Metabolizing Enzymes in Onions with Different Storage Characteristics
【掲載】J. Appl. Glycosci., 72, 7202103 (2025)
【URL】 https://doi.org/10.5458/jag.7202103


▼本件に関する問い合わせ先
酪農学園大学 農食環境学群 食と健康学類
教授 上野敬司
住所:〒069-8501 江別市文京台緑町582番地
TEL:011-388-4715
メール:ueno-k@rakuno.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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組織名
酪農学園大学
ホームページ
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代表者
岩野 英知
上場
非上場
所在地
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連絡先
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