「新宿三井ビルディング」で長周期地震動の揺れを半減
- 三井不動産株式会社
- 2015年05月14日
- 14:19
日本初 屋上に超大型制震装置(約1,800t) 工事完了
三井不動産株式会社は、「新宿三井ビルディング」において、長周期地震動が発生した場合の揺れを大幅に低減させる、日本で初めての超大型制震装置TMD(約1,800t)の屋上設置工事を実施しておりましたが、本年4 月30 日に工事が完了いたしました。これにより、「新宿三井ビルディング」は、長周期地震動による揺れ幅と揺れ時間の大幅な低減を実現いたしました。
本工事は、東日本大震災時に特に長周期地震の揺れが大きかった新宿エリアに立つ「新宿三井ビルディング」において、今後の長周期地震動発生に対し、揺れ幅を最新鋭の超高層ビル並みに抑えオフィス就労者の安心感を高めることを目的に、2013 年8 月中旬頃より、鹿島建設株式会社の設計施工により着工いたしました。
超大型制震装置TMDは、従来超高層ビルの風揺れ対策に屋上に設置されてきた振子式の錘(おもり)の技術を発展応用させ、日本初の超高層ビルの地震の揺れ対策の制震装置として、三井不動産および鹿島建設により実用化したものです。
「新宿三井ビルディング」は構造評定を受け大臣認定を取得した高い安全性を有する建物で、本装置導入前でも耐震性能を十分満たしていますが、東日本大震災以降の安全・安心、BCP(事業継続計画)に対するテナント企業のニーズの高まりから、三井不動産株式会社では、当ビルを含め既存ビルの防災・BCPに関する機能を新築ビルと同水準に向上させる改修工事など、ハード・ソフト両面で取り組んでまいりました。本取り組みについては、新築ビルにおいて実施する長周期地震動対策を、既存ビルでも実施するものであり、前述の取り組みをさらに強化していくものです。
三井不動産は、本ビルに集うすべての人とそのご家族、企業、地域の皆様に高い持続性と大きな安心を提供する本取り組みをはじめ、「その先の、オフィスへ」をスローガンに、既成のオフィスビルの概念を超えて新たな付加価値を生み出す『三井のオフィス』を提供してまいります。
鹿島建設株式会社は、超高層ビル建設のパイオニアとして、特に制震構造においては1980 年代より技術開発を進め世界初の制震ビルを実現する等、業界をリードしてまいりました。昨今、多くの既存超高層ビルが抱える長周期地震動による大きく長い揺れの不安を解消する有効なソリューションの一つであるである本技術により、安全で快適な、そして安心な暮らしの実現に努めてまいります。
※TMD:建物に減衰器(Damper)を介して錘(Mass)を取り付け、固有振動数を最適に調整(Tuned)することにより振動を抑制する装置