サーブ・バイオファーマと日本臓器製薬、骨軟部腫瘍に対する腫瘍溶解性ウイルス「Surv.m-CRA-1」に関するライセンス契約を締結

~がん領域(予定適応症:希少がん「原発性悪性骨腫瘍」)の遺伝子治療において2027年に国内初の本承認取得を目指す~

サーブ・バイオファーマ株式会社(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役社長:山田昌樹、以下「サーブ・バイオファーマ」)と、日本臓器製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:小西崇⽂、以下「日本臓器製薬」)は、サーブ・バイオファーマ最高科学責任者の小戝健一郎(鹿児島大学・教授)が独自開発した腫瘍溶解性ウイルス「Surv.m-CRA-1」について、骨軟部腫瘍を対象とした日本国内における独占的なライセンス契約(以下「本契約」)を締結したことをお知らせします。

(左から、サーブ・バイオファーマ株式会社 取締役会長兼最高科学責任者 小戝 健一郎、サーブ・バイオファーマ株式会社 代表取締役社長 山田 昌樹、日本臓器製薬株式会社 代表取締役社長 小西 崇⽂、日本臓器製薬株式会社 R&D統括本部長 武岡 裕一)

本契約に基づき、日本臓器製薬はSurv.m-CRA-1の骨軟部腫瘍(原発性悪性骨腫瘍、悪性軟部腫瘍、転移性骨腫瘍)を対象とした、日本国内における独占的な開発、製造および販売権を有します。サーブ・バイオファーマは日本臓器製薬から、今後の開発進捗や上市後の売上達成に応じ、総額最大105億円(契約一時金を含む)を受領します。また、国内の年間売上高に応じてロイヤルティも受領します。

Surv.m-CRA-1は、がん細胞で特異的に活性化するサーブ・バイオファーマ独自の「サバイビンプロモーター」を搭載した腫瘍溶解性ウイルスです。正常細胞は傷害せず、がん細胞だけで増殖し、がん細胞を選択的に殺傷するため、高い治療効果と安全性を有し、さらに既存治療法が無効のがん幹細胞も治療できる画期的ながん治療薬(再生医療等製品)として期待されております。
これまでサーブ・バイオファーマは、有効な治療薬が存在せずアンメット・メディカル・ニーズの高い骨軟部腫瘍をターゲットとし、第一弾として希少がんである原発性悪性骨腫瘍に対する臨床開発を進めてまいりました。国内で実施した第Ⅱ相臨床試験で極めて良好な結果が得られたことから、現在、本承認取得に向けた第Ⅲ相臨床試験を2025年10月に開始すべく準備を進めております。

本契約締結により、サーブ・バイオファーマと整形外科領域において長年にわたり実績を積み重ねてきた日本臓器製薬は、一日も早くSurv.m-CRA-1を原発性悪性骨腫瘍と闘う患者様と医療関係者の皆様へお届けするため、協働して臨床開発、製造、品質管理等の整備を進め、2027年の製造販売承認(本承認)の取得を目指してまいります。承認取得後は、日本臓器製薬の経験やノウハウ、整形外科領域におけるネットワークを活用して、Surv.m-CRA-1を広範な患者様へ迅速かつ確実にお届けする方針です。
また、両社は、国内における承認取得を皮切りに、原発性悪性骨腫瘍を適応症としたSurv.m-CRA-1のアジアや欧米等の海外への展開も視野に入れております。さらに、Surv.m-CRA-1の適応拡大として、希少がんである悪性軟部腫瘍、及び転移性骨腫瘍の国内臨床開発にも着手する方針です。
今後とも、本契約による強力なパートナーシップ関係に基づいて、Surv.m-CRA-1の早期の社会実装の実現とともに、骨軟部腫瘍におけるアンメット・メディカル・ニーズの解決に取り組んでまいります。

経営者コメント
サーブ・バイオファーマ株式会社 代表取締役社長 山田 昌樹
「当社は、創業者である鹿児島大学小戝教授の画期的なウイルス改変技術を社会実装するために設立された鹿児島大学発の認定ベンチャーです。この度、当社の最初の開発品であるSurv.m-CRA-1について、整形外科領域のリーディングカンパニーである日本臓器製薬様と提携できることを大変嬉しく思います。これは、私たちの技術と本剤のポテンシャルを高く評価いただいた証左であり、最善のパートナーと契約締結できたと確信しております。この提携を力に、新薬として一日も早く患者様にお届けできるよう、一層の努力を重ねてまいります。」

サーブ・バイオファーマ株式会社 取締役会長兼最高科学責任者(CSO) 小戝 健一郎
「私は、「多因子増殖制御型アデノウイルス(m-CRA)」作製技術を独自に開発し、同技術を用いて安全性と治療効果が極めて高くがん幹細胞も治療できる革新的性能の「サバイビン反応性・多因子増殖制御型アデノウイルス(Surv.m-CRA)」を開発しました。サバイビンは全てのがんで発現していることから、Surv.m-CRAはあらゆるがんへの治療効果が期待できます。これまで国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などから多くのご支援を得て研究を進めてまいりました。今回、研究成果の第一弾であるSurv.m-CRA-1のポテンシャルを日本臓器製薬様に評価いただき、ライセンス契約が締結されたことを嬉しく思います。」

日本臓器製薬株式会社 代表取締役社長 小西 崇⽂
「当社はこれまで整形外科領域と疼痛管理領域を中心に実績を積み上げ、医療現場と患者様に貢献してまいりました。この度、がん領域、しかもアンメット・メディカル・ニーズの極めて高い原発性悪性骨腫瘍という希少疾患に対して、Surv.m-CRA-1という革新的な治療選択肢をお届けする挑戦ができることを大変光栄に思います。本契約を通じ、整形外科領域での圧倒的貢献という使命を進化させ、新たな患者層に貢献できることに大きな意義と責任を感じております。今後、2027年の承認取得に向けて、サーブ・バイオファーマ様と緊密に連携し、承認取得後はこれまで研究や品質管理において培ってきたナレッジや、ネットワークなどを最大限に活かし、患者様と医療現場に一日も早く価値をお届けできるよう努めてまいります。」

【補足資料】
腫瘍溶解性ウイルスについて
がん細胞でのみ選択的に増殖して破壊するよう遺伝子改変されたウイルスです。ウイルスががん細胞を直接破壊する効果に加え、その過程で放出されるがん抗原が、患者様自身の免疫を活性化させ、がんを攻撃するよう促す効果も期待される新しいがん治療法です。腫瘍溶解性ウイルス「Surv.m-CRA-1」は、がん細胞で特異的に活性化する「サバイビンプロモーター」を搭載しており、極めて高いがん特異性を有しております。

骨軟部腫瘍について
骨や筋肉、脂肪、血管などに発生する悪性腫瘍(肉腫)の総称で、希少がんに分類されます。
骨そのものから発生する原発性悪性骨腫瘍は、骨肉腫など若年層に多く見られるものもあり、有効な治療薬が少なく新たな治療選択肢が求められています。また、筋肉や脂肪など全身の軟部組織から生じる悪性軟部腫瘍は、50種類以上の多様な組織型が存在し、進行・再発時の治療法が限られています。これらに加え、激しい疼痛や骨折の原因となる転移性骨腫瘍など、いずれもアンメット・メディカル・ニーズが高い疾患領域です。
中でも転移性骨腫瘍は国内に10万人以上の患者様がいると言われ、がんと闘いながら生活をする「がんサバイバー」が年々増加している中、骨転移による激しい疼痛や病的骨折のリスクを根本から解消し患者様のQOL(生活の質)を大きく改善する治療法が強く求められています。

サーブ・バイオファーマ株式会社について
鹿児島大学小戝教授の独自技術の社会実装化を目的に、2022年8月に設立された鹿児島大学発の認定バイオベンチャーです。小戝教授は、独自に開発した「多因子増殖制御型アデノウイルス(m-CRA)」作製技術プラットフォームを用いて、安全性と治療効果が極めて高く、がん幹細胞も治療できる革新的性能の「サバイビン反応性・多因子増殖制御型アデノウイルス(Surv.m-CRA)」を開発しました。今回のライセンス契約の対象であるリードパイプライン「Surv.m-CRA-1」に続き、3つの免疫遺伝子を搭載し、全身性抗腫瘍免疫誘導で他臓器転移を強力に治療できる「Surv.m-CRA-2-IC」も創出し、現在非臨床開発を進めており、早期のFirst-In-Human治験入りを目指しております。上記シーズに留まらず、今後も、画期的な腫瘍溶解性ウイルス・免疫治療のシーズを効果的かつ持続的に開発・実用化し、遺伝子治療のグローバルリーダーを目指してまいります。

日本臓器製薬株式会社について
1939年の創業以来、整形外科をはじめとする専門領域の医師の期待と信頼に応え、創薬研究から開発・製造・販売まで、製薬に関するすべての業務を一貫して手掛けてきました。これまでの知見や経験を基に、各分野の先駆者とともにイノベーショナルなソリューションを実現することで、「整形外科領域における圧倒的貢献」や、痛み分野を中心とする神経科学領域への貢献を目指してまいります。医療関係者の皆さまや患者さんのニーズを満たす製品を提供し続けるために、新薬とともに新医療デバイスも創出していく開発方針を掲げています。ライフサイエンスの理想を追い求め、サイエンスを軸により良い医療、社会の実現へ挑戦を続けてまいります。

この企業の情報

組織名
サーブ・バイオファーマ株式会社
ホームページ
 
代表者
山田 昌樹
資本金
125,000 万円
上場
非上場
所在地
〒890-8544 鹿児島県鹿児島市桜ケ丘8-35-1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科内
連絡先
099-296-8110

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