公益社団法人日本観光振興協会、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は、2025年9月25日(木)から9月28日(日)の4日間、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)にて開催する「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」の開催に先立ち、第9回「ジャパン・ツーリズム・アワード」(審査委員長:本保芳明 一般財団法人アジア太平洋観光交流センター理事長)の各賞を決定しました。大賞となる各大臣賞の受賞団体及び取組は下記の通りです。
【国土交通大臣賞】
団体名:株式会社KURABITO STAY
取組名:酒蔵から始まる、地方創生と日本酒ツーリズムの可能性を創る
酒蔵ホテル®「KURABITO STAY」
【経済産業大臣賞】
団体名:ひがし北海道観光DXプラットフォーム(阿寒バス・斜里バス・網走バス・根室交通・北海道拓殖バス・NECソリューションイノベータ・ひがし北海道自然美への道DMO・釧路観光コンベンション協会・北海道エアポート)
取組名:ひがし北海道・交通事業者がつなぐエリアまるごと観光DX
その他、観光庁長官賞は3団体、実行委員長賞は1団体、UN Tourism特別賞は2団体、審査委員特別賞は23団体、学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワードは2団体が受賞し、入賞取組として14団体が選ばれました。
今回の応募件数は213件(自薦198件、他薦15件)で、国内外から数多くの優れた取組の応募がありました。受賞した取組は、持続可能な観光への取組に加えて、「ツーリズム」のチカラにより地域産業の維持・発展に貢献し、かつ他の地域へのモデルとなり得る取組が多く見られました。
表彰式は2025年9月25日(木)Aichi Sky Expoにて開催する「ツーリズムEXPOジャパン2025 愛知・中部北陸」の開会式に続いて執り行います。
◆第9回「ジャパン・ツーリズム・アワード」審査結果
1. 応募取組数
213件(内訳: 自薦198件(40件) 他薦15件(5件) ※( )内は最終審査に進んだ取組件数)
2. 選考結果
最終選考会:2025年8月18日(月)14:30~17:00 ※審査委員は後掲の通りです。
【国土交通大臣賞】
団体名: 株式会社KURABITO STAY
取組名: 酒蔵から始まる、地方創生と日本酒ツーリズムの可能性を創る
酒蔵ホテルⓇ「KURABITO STAY」
<選考ポイント>
外国人旅行者にも人気の高い日本酒。酒蔵を切り口に地域全体で観光資源としての磨き上げを図る持続可能な地方創生モデルとして、文化継承への貢献も加え、高く評価した。本格的な蔵人体験に加え、蔵人宿舎をリノベーションした宿泊施設の提供などを通して、体験価値と付加価値の向上を実現し、実績につなげている点が素晴らしい。今後は全国の地方創生モデルとして波及効果を期待したい。
※「学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード」(後述)とのダブル受賞
<受賞者コメント>
このたび、酒蔵ホテル®KURABITO STAYの取組が最高賞を受賞できたことは、佐久の酒蔵や地域の皆さまと共に築いてきた歩みそのものの成果だと考えています。観光地ではない佐久地域での挑戦は無謀と思われてきましたが、この栄えある受賞が日本各地の地方の希望の光となり、地域活性化へツーリズムの力が貢献できるということを沢山の方に知っていただける機会となれば幸いです。私たちのミッションは「百年後も誇れる故郷を守り伝える」こと。そのために「蔵人体験」という新しい文化体験を通じて、日本の地域の可能性を可視化し、これからも地方の魅力を世界に届けてまいります。
【経済産業大臣賞】
団体名: ひがし北海道観光DXプラットフォーム
(阿寒バス・斜里バス・網走バス・根室交通・北海道拓殖バス・NECソリューションイノベータ・
ひがし北海道自然美への道DMO・釧路観光コンベンション協会・北海道エアポート)
取組名: ひがし北海道・交通事業者がつなぐエリアまるごと観光DX
<選考ポイント>
広域連携によるデジタル基盤の共通化と観光DXの取組として優れた事例。多くの交通事業者が連携・共創し、経営の効率化と利用者の利便性向上を図りつつ新たな観光需要を取り込んでおり、二次交通の課題を抱える他の地域にとっても再現性のあるモデルとして高く評価した。地域全体のコミュニティ形成にも繋げており、持続可能な観光及び地域活性化に貢献している点も素晴らしい。
<受賞者コメント>
この度は経済産業大臣賞という大変光栄な賞をいただきまして、ありがとうございます。
バス事業者連携により、路線バスや定期観光バスを使った広域な観光周遊ルートの提案、観光に携わる地域の事業者様との連携をWeb販売の推進によるDX化とバス情報だけではない観光情報を集約したWebサイトを構築し、Web展開の遅れていた商材も地域まるごと推進することによって、安心して観光していただける仕組みを構築することができました。今後も連携の輪を広げ、より広くバス利用と観光を促進する活動に努めてまいります。
【観光庁長官賞】(3団体)
団体名: 愛知県立足助高等学校 観光ビジネスコース
取組名: 「高校生トラベルⓇ」ブランドを核とした関係人口創出と観光産業人材育成、
持続可能な観光推進モデル
<選考ポイント>
高校生が観光交流や観光ビジネスを学ぶ機会を得ることは、地域の観光振興や将来の日本における観光人材育成の観点からも非常に意義がある。実践的で多様性のあるプログラム、地域内外との連携等、高校レベルの観光教育として正に模範となる取組であると評価した。他の自治体や教育機関へのモデルとして全国各地での展開を期待する。
団体名: 株式会社シークルーズ
取組名: 人口2.3万の街で地場企業投資60億円を生み出す!
「鉄路×航路が地域を変えたデザイン&ストーリー」
<選考ポイント>
鉄路と航路を担う事業者が協働し、二次交通など現状のアクセスの課題を改善し、より魅力的な美しい国立公園内のルート化を図って広域の観光振興を創出させようとの試みはかなり効果的であり高く評価した。単発、短期間の事業に終わらず、長期にわたり継続して多面的に観光開発に取り組み、実績を上げている点も素晴らしい。
団体名: 株式会社wondertrunk&co.
取組名: 富山を世界のデスティネーションへ:地域一体のモダンラグジュアリー戦略の推進
~富山県が4年でNY Timesの行くべき52の場所に選出されるまで~
<選考ポイント>
欧米の高付加価値旅行者層にターゲットを絞ったメディア戦略や地域のツアー造成支援を行っており、戦略性、行政・民間・DMO間の連携の良さ、個々の取組の質の高さ等は高く評価される。文化・経済・暮らしなど多面的に活性化にも貢献しており、今後も継続的な取組と地域関係者との共創による成功事例の積み重ねを期待する。
【実行委員長賞】
団体名: トルコ共和国大使館文化広報参事官室 / ターキッシュエアラインズ
取組名: 南東トルコの需要創造への取り組み
<選考ポイント>
特定のマーケットをターゲットにして、官と民が連携して、積極的にデスティネーション開発を行う方法や内容について日本も見習うべき点があり、観光振興の取組を継続的に行っている事を評価した。トルコ政府と航空会社、旅行会社の更なる連携及び双方向での国際交流の進展を期待し、「実行委員⾧賞」に選出した。
【UN Tourism特別賞】(2団体)
UN Tourism特別賞は、世界観光倫理憲章 における企業や地域の社会的責任として明記されている点に加え、将来のリスクや危機に適応し、回復力を高めるためのレジリエンス(危機管理、官民連携、災害対応、復旧・復興等)を審査のポイントとして、ユニークさ、斬新性、話題性のあるものが選定されました。
団体名: ウズベキスタン国家観光委員会
(TOURISM COMMITTEE OF THE REPUBLIC OF UZBEKISTAN)
取組名: 観光村プロジェクト ー貧困削減と持続可能な観光開発ー
<選考ポイント>
地域の自然・暮らし・文化・伝統を尊重し活かしつつ、官民で連携して観光地としての魅力を高め、雇用機会を創出し、持続可能な観光と地域の長期的な発展に取り組んでいる点が優れている。また、当該プロジェクトの村の1つがUN Tourismのベスト・ツーリズム・ビレッジにも選出され、他の観光村のロールモデルとなっている点も評価できる。
団体名: 認定NPO法人みちのくトレイルクラブ
取組名: みちのく潮風トレイル
~海を見ながら歩ける1,000キロ みんなで育てる長く歩く旅の道~
<選考ポイント>
東日本大震災からの復興に向けて、広域の様々な関係者が連携・参画して、長さ1,000kmにわたるロングトレイルに取り組んでいる点が評価できる。また、トレイルとそこから生まれる人々との交流を通じて、その土地の自然や歴史、文化の継承を図っている点においても優れている。
【学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード】(2団体)
団体名: 株式会社KURABITO STAY
取組名: 酒蔵から始まる、地方創生と日本酒ツーリズムの可能性を創る
酒蔵ホテル®「KURABITO STAY」
<選考ポイント>
酒蔵という日本文化の核心を体験の中心に据え、蔵人体験を通じた深い地域理解と国際的な交流を生み出している点に魅力を感じた。日帰りが主だった日本酒ツーリズムを、宿泊型蔵人体験という新しい形で深化させた点が革新的であり、本コンテンツを世界で初めて作った発想の柔軟さや新たな取組に挑戦する姿勢は高く評価できる。
※「国土交通大臣賞」(前述)とのダブル受賞
団体名: 株式会社JTB高松支店
取組名: 「クセモノは地域のタカラモノ」 SICSサステナブルラウンジ
<選考ポイント>
労働力不足や漁獲量減少など様々な問題が本取組の背景にあるが、地域で活用されていなかった食材を上手に取り入れ、フードロスの削減に貢献しているだけでなく、学校など教育現場も巻き込んで地域づくりを進めている点が印象的で評価できる。未来を担う世代が、社会問題や持続可能な社会への貢献を意識するきっかけにもなり、効果的である。
※「審査委員特別賞」(後述)とのダブル受賞
【審査委員特別賞】(23団体)
【入賞】(14団体)
【ジャパン・ツーリズム・アワード審査委員】(50音順・敬称略)
【学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード 学生審査員】
(学校名50音順・敬称略)