~水冷方式の量産を開始し、生成AIの普及を支えるデータセンタの進化に貢献~
● FTLの水冷モジュールの製造工場を拡張し、平塚工場で関連設備を増強
● FTLでの生産能力は昨年7月の計画時点と比べ2倍以上となり、受注増加と水冷モジュールの適用範囲の拡大に対応
● 拡張部分は2028年1月から量産を開始し、生成AIの普及を支えるデータセンタの進化に貢献
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、データセンタ向け放熱・冷却製品(以下「ヒートシンク」)の主力生産拠点であるFURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS & PRODUCTS LAGUNA, INC.(フィリピン、以下 FTL)の水冷モジュール工場の隣接地に工場を拡張し、開発拠点である平塚工場(神奈川県)で関連設備を増強します。
■背景
当社では、データセンタで用いられる演算装置(CPU・GPU等)の放熱・冷却を行うヒートシンクを開発・設計し、データセンタ向け製品として展開しています。2019年には、ヒートシンクに対する国際的な調達ニーズの多様化とBCPを踏まえ、安定した製造体制の構築を図るためFTLを開設しました。
近年は生成AI市場の著しい成長を背景に、データセンタの高発熱化に対応する高性能なヒートシンクへの要求が高まっています。従来は、ヒートシンクにファンで風を送って放熱する空冷方式が主流でしたが、今後は、流路を設けたコールドプレートを素子面に搭載して水などの液体を循環させて熱を回収する水冷方式が主力になると見られています。当社は従来の空冷方式に加えて、水冷方式によるソリューションについても研究開発を行い、平塚工場とFTLで2026年9月の量産開始に向けた準備を進めてきました。
■内容
FTL内のデータセンタ向け水冷モジュール工場の隣接地に工場を拡張し、2028年1月に量産開始を目指します。本増産対応により本工場の総面積は36,100 m2、生産能力は昨年7月の計画時点と比べ2倍以上となり、受注増加と水冷モジュールの適用範囲の拡大に対応します。平塚工場では新機種への対応や製造体制を強化するため、関連設備を増強します。またBCPを踏まえ、これら複数拠点による製造体制の整備をさらに強化します。なお、先行して稼働する製造ラインでの増産対応も含め、水冷モジュールの売上は、2027年度に500億円以上、2030年度に1,000億円を計画しています。
さらに、FTLで使用する全ての電力は再生可能エネルギー由来の電力で、新設する製造工場についてもスコープ1・2の温室効果ガス排出量はゼロとなります(注1、2)。平塚工場で使用する全ての電力についても再生可能エネルギー由来の電力を導入し、スコープ2の温室効果ガス排出量はゼロとなります。
当社は今後も高性能・差別化製品の提供により、生成AIの普及を支えるデータセンタの進化と成長著しい通信インフラ分野の発展に貢献してまいります。
FTLの水冷工場
所在地:Lot 9, Block 2, Phase 7C, Laguna Technopark, Brgy. Mamplasan, Biñan, Laguna, Philippines
2024年7月に発表したFTL新工場の外観と内観
(注1)スコープ1:自社工場・オフィスからの直接排出
(注2)スコープ2:自社が購入した電力熱などの使用による間接排出
関連ニュースリリース
米国データセンタ向け放熱・冷却製品の新たな主力工場として2021年度からフィリピンでの本格量産を開始
https://www.furukawa.co.jp/release/2021/fun_20210427.html
米国データセンタ向け放熱・冷却製品の主力フィリピン工場でカーボンニュートラルを達成
https://www.furukawa.co.jp/release/2022/fun_20220922.html
データセンタ向け水冷モジュールの製造工場を新設
https://www.furukawa.co.jp/release/2024/fun_20240724.html
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182