2024年のアロマ市場規模は約4,193億円 ~精油配合製品市場は製品ジャンルも含め拡大~

(公社)日本アロマ環境協会「2024年アロマ市場に関する調査レポート」

公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ、東京都渋谷区)は、2025年5月~10月に、2024年のアロマ市場の構造と市場規模に関する調査を実施しました。本調査は、2012年に開始して以降今回で第5回目となります。
その結果、2024年のアロマ市場規模は4,193億円(2021年の前回調査比106%)で、市場の増加率は緩やかになっているものの、引き続き市場が拡大していることが明らかになりました。
AEAJは、有意なデータの蓄積を目指して、今後も定期的にアロマ市場調査を実施していく予定です。


●調査結果(抜粋)

2024年のアロマ市場規模は約4,193億円に
2024年のアロマ市場規模は4,193億円で、そのうち、アロマテラピー製品・サービス等による市場規模は417億円、精油を配合した製品等による市場規模は3,777億円と推計され、前回比106%と引き続き伸長していることがわかりました。

引き続き「アロマ化粧品」が市場を牽引
「アロマ化粧品*市場」が、前回(2021年)比110%となる2,010億円に成長。自然派化粧品、オーガニック化粧品ともに市場は拡大しています。ナチュラルでありながら機能性を兼ね備えた商品開発の進展、ドラッグストア等のプライベートブランドでも天然精油を使用した商品を主力とする動きもあり、調査開始時(2011年)と比較して市場は2倍以上になっています。 *天然の精油を配合した自然派化粧品

20代から40代利用を中心に、「アロマフレグランス」市場が大きく伸長
コロナ禍以降の香りニーズの高まりやフレグランスブームを背景に、天然香料のフレグランスが主に国内ブランドから出され、20代から40代を中心に拡大。2024年はフレグランス市場全体の約3割を占めると推計されます(約162億円)。

添付資料:調査結果
<アロマ市場の定義と範囲>
本調査では、アロマ市場を、「アロマテラピー市場と精油配合製品等市場で構成される市場」と定義し、対象範囲を定めた。

1. 【アロマテラピー市場】
生活者が天然の精油を利用してアロマテラピーを楽しむ、
  あるいはアロマテラピーを学ぶことなどによって創造される市場

2. 【精油配合製品等市場】
 天然の天然の精油を配合した化粧品、入浴剤、衣類洗剤、芳香剤などの日用品、
  アロマも利用できる機能が付加された製品などによって創造される市場
 ※「アロマ市場」には、「アロマ」と謳っていても天然の精油が含まれていない製品やサービスは含まない。


1. アロマ市場規模の内訳 ~市場規模は4,193億円に~

2024年のアロマ市場全体の市場規模は、4,193億円(事業者小売売上高ベース)と推計され、2021年と比較し約106%伸長した。構成内訳は以下のとおり。



2.個別アロマ市場の動向 ~アロマ化粧品市場が市場を牽引~

1) アロマテラピー市場(417億円)


1.アロマテラピー製品市場(141億円)
 [対象] 精油、基材、芳香器具、アロマ活用グッズ・クラフト
 ■アロマテラピー製品市場は前回比106%と増加。コロナ禍からの回復もみられるものの、円安による
  価格上昇が市場規模を押し上げた側面があり、実質的な流通量は横ばいまたは減少傾向と推測。
  生活者のアロマへの興味関心は高まっているが、アロマテラピーというよりも
  「良い香り(好きな香り)」を手軽に求める傾向が続いている。ブレンド精油の定着は継続し、
  使いやすく、ギフトで贈りやすいものが広がっている。
 ■利用者は40代以上が中心。都市型生活者の利用が目立つ一方、医療従事者や未病視点での需要も。
 ■和精油の人気は継続。今後はさらに製品の「背景」や「ストーリー」が重要な要素に。

2.アロマテラピー教育・資格市場(73億円)
 [対象] 資格認定団体の事業、アロマスクール、通信教育、アロマ関連書籍
 ■コロナ禍明けレジャー需要復活の影響か、アロマスクールや各資格認定団体の事業の市場規模は
  前回調査より大きく縮小。生活スタイルに合わせて時間や場所が選べる録画配信が支持されている。
 ■一方、手軽にアロマを日常に取り入れられるような体験やワークショップは増加傾向

3.アロマ空間サービス市場(23億円)
 [対象] アロマ空間サービス
 ■前回比106%と市場は拡大傾向が継続。シェアオフィスなど活用の場が広がり、
  施設のエントランスや共用スペースだけでなくホテルの部屋などプライベート空間での利用も拡大

4.アロマテラピーサービス市場(179億円)

 [対象] アロマトリートメントサービス、その他サービス
 ■アロマトリートメントサービスの市場規模は、コロナ禍以降減少傾向。
  「癒し」よりも「効果」が求められ「アロマ」の訴求が弱まっていると考えられる。



2) 精油配合製品等市場(3,777億円)
 

1.アロマ化粧品市場(2,010億円)
 [対象] 天然の精油を配合し、化学合成成分はできるだけ使わない自然派化粧品
    (オーガニック化粧品を含む)のうち、スキンケア化粧品、ヘアケア化粧品、
    メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品
 ■アロマ化粧品市場は依然として拡大傾向にあり、前回比110%と伸長。ナチュラルでありながら
  高い機能を有する製品の開発が進展。洗練された容器デザインも需要を後押し。
 ■ドラッグストアのプライベートブランドでも天然の香りを使用した主力商品を販売する動きが
  広がっている。
 ■いずれの品目の市場も堅調に推移しているが特にスキンケア市場は肌への優しさや安全性を
  訴求することで安定した需要を維持。効果に加え香りを実感しやすい商品が人気に。

2.アロマフレグランス市場(162億円)
 [対象] 天然の香料を用いたフレグランス
 ■これまでアロマ化粧品市場に含んでいたが、アロマフレグランス市場の広がりを考慮し今回から
  独立。フレグランス市場全体の約3割にあたる162億と推計。
 ■ここ数年のフレグランスブームのなか、天然香料のフレグランスが国内ブランドから次々に
  上市されている。天然香料のフレグランスは香りの持続性は短いが、その特性を活かし
  1日のうちに複数付け替えたり、気分の切り替えにも利用できると人気に。
  持ち歩きのできるミニボトルが好まれている。
 ■中心利用者層は20~40代女性。原料を自社で栽培し国内で蒸留するといった
  環境配慮やストーリーのみえる製品が選ばれる傾向に。「調香師」への関心も高まっている。

3.アロマトイレタリー市場(1,554億円)
 [対象] アロマ入浴剤、アロマ衣類洗剤・柔軟剤、アロマ芳香剤・住居用洗剤、その他アロマ製品
 ■これまで成長を続けていたアロマ衣類洗剤、芳香剤の市場規模減少の影響で、
  アロマトイレタリー市場としては前回比96%となった。
  人工的な強い香りが敬遠される傾向もみられる一方、少々高くても天然のほのかな香りや
  自分の好きな香りを求める傾向もみられている。
 ■アロマ入浴剤市場は、リラックスやスキンケア効果のみならず自律神経を整えたり
  睡眠の質を高めるなどの機能性を訴求する商品も多く、健康への関心の高まりを背景に市場は伸長。
 ■衣類洗剤は洗浄効果を訴求する商品が主だが、天然アロマや自然成分を謳う洗剤の需要も堅調。
  柔軟剤は天然のほのかな香りや広がりすぎない香りが好まれ、市場としては前回比99%と微減。
 ■アロマ芳香剤市場はコロナ禍以降の家なか需要の縮小により前回比93%と減少傾向。
  その中でもリードディフューザーの需要は伸長している。
 ■マスク需要の縮小により、アロママスクやマスクスプレーなどマスク市場は半減した。

4.アロマ加湿器・空気清浄機等市場(51億円)
 [対象] アロマ専用ではないが、アロマも使用できる加湿器・空気清浄機等
 ■前回比76%と減少が続いている。加湿器は参入企業が多く、製品タイプが多様になり、
  生活者の購入機種が分散し市場も縮小したとみられる。空気清浄機はコロナ禍以降、
  市場自体が低減傾向にある。

5.その他市場
*今回は累計対象外
[対象] 食品フレーバー等
■食品や飲料のフレーバーとして精油を利用した商品が広がり始めている。
 ミントやユズなど元々利用されているものは存在したが新しい種類や利用法の提案を通じて、
 市場の確立・拡大が期待される。



アロマ市場の今後の展望 ~精油への価値の浸透と、和精油市場の拡大~

■前回に引き続き精油配合製品等市場は拡大していることから、香りへのニーズは広がっており、
 製品ジャンルも多様化していることが明らかになった。

■精油配合製品等市場の中でもアロマ化粧品市場やアロマフレグランス市場が成長。
 さらなる拡大のためには若い世代への精油への興味喚起が必要。製品やニーズの多様化とともに、
 安全な精油の選び方や正しい使い方を伝えていくことも求められる。

■アロマテラピー市場においては、円安の影響も見られた。地産地消への関心が高まるなか、
 精油においても国内で完結できる和精油市場の活性化が求められる。


<調査概要>
[調査期間]2025年5月~10月
[調査対象]AEAJの会員企業およびアロマ関連商材・サービスを取り扱っている事業者      
[調査方法]
インターネットアンケート調査(有効回答:49社)、訪問・電話ヒアリング調査(11社)
アロマ市場は多岐にわたるため、その規模を画一的な方法で推計することは困難であることから、本調査では、アロマ市場を9市場に分類。それぞれの特性をふまえて最適な方法を検討し、事業者への郵送アンケート調査と訪問・電話ヒアリング調査に加え、売上データなどの既存資料を補完的に活用するなど、より実態に即した調査方法で実施

公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)について
 AEAJは内閣府に公益認定された、アロマテラピー関連で唯一の公益法人。植物の香りを用いた「アロマテラピー」を通じて人々の心身の健康に寄与することを目的に、アロマテラピーの普及・調査・研究などの活動を行っています。また、自然の香りある豊かな環境(アロマ環境)を未来につなぐため、環境カオリスタ検定や香育など、自然環境の保全・創造にむけた取り組みも推進しています。
 2023年2月に、活動の拠点施設として、東京・原宿にアロマの魅力を五感で体験できる「AEAJグリーンテラス」をオープンしました。

【AEAJ会員数】個人正会員41,921名、法人正会員237社(2025年3月31日現在)
本件に関するお問合わせ先
アロマテラピーについての研究、アロマ関連情報をお探しの際はお気軽にAEAJにご連絡ください。
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)
広報担当 E-mail: aeaj-pr@aromakankyo.or.jp

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この企業の情報

組織名
公益社団法人 日本アロマ環境協会
ホームページ
https://www.aromakankyo.or.jp/
代表者
熊谷 千津
上場
非上場
所在地
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前六丁目34番24号 AEAJグリーンテラス
連絡先
03-6384-2861

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