1.ビジネスパーソンの4割超は仕事・職場の情報を投稿した経験あり
SNSに仕事・職場に関する情報を投稿したことがあるかを問う質問では、43.3%(130名)が仕事・職場に関する情報を投稿した経験があると回答しています。
「ある」と回答した人の内訳としては、「資料やPC画面が写り込んだ写真」が45.4%で最多となりました。
2.企業の研修実施率は2割程度
「所属する企業にて、SNS利用に関する研修を受けましたか?」という質問に対して「研修の時間が設けられていた」と回答した人は22.7%にとどまりました。ただし、「口頭でのみ注意があった」「資料の配布のみあった」の回答と合わせると合計は58.3%となりました。
3.企業の対策状況によってビジネスパーソンのリスク認識に顕著な差
SNSの炎上や情報漏洩に対する危機意識を測るため、6つの具体的なリスクシチュエーションを例示し、リスク認識を調査しました。その結果、すべてのシチュエーションで平均20%前後の人が「炎上や情報漏洩の可能性はない」と回答しています。
なお、各シチュエーションにおける具体的な炎上・情報漏洩リスクの詳細は、本資料下部の「【参考資料】SNS投稿に潜むリスク分析」に記載していますので、ご確認ください。
6つの例題に対し「炎上や情報漏洩の可能性はない」と回答した人の内訳を所属企業の対策状況別に見ると、明確な相関関係が確認されました。
各設問の不正解率は、所属企業で「研修があった」人が平均8.1%だったのに対し「何の対策もなかった」人は平均17.5%にのぼります。また、「口頭でのみ注意があった」人は平均24%、「資料の配布のみあった」人は平均25.8%と、何も対策をしていない企業より高い不正解率となっています。
■総括
今回のアンケートから、ビジネスパーソンの4割超が「資料やPC画面が写り込んだ写真」「職場の写真(社内風景、デスク周りなど)」「制服や名札、社員証などが写った写真」などの仕事・職場に関する情報を投稿した経験があるという結果が明らかになりました。その中には、「公開アカウント」や実名でSNSを利用している人も一定数含まれていました。公開アカウントや実名利用が直ちにリスクに直結するわけではありませんが、職場の特定につながる断片的な情報が蓄積されていると、万が一、業務とは無関係な私生活の投稿などで炎上した際、過去の投稿から即座に勤務先を特定される恐れがあります。ひとたび企業名が紐付けられれば、個人の問題が組織全体の炎上や情報漏洩へと発展する可能性があり、潜在的なレピュテーションリスクが極めて高い状況にあるといえます。
また、企業のSNS利用に関する研修の実施状況については、約6割の企業で何らかの対策が講じられている現状が明らかになりました。一方で、具体的なSNS利用シーンにおけるリスク認識の調査では、本来リスクがある場面でも一定数の人がその危険性を認識できていない結果となりました。特に、所属企業の対策状況別に「炎上や情報漏洩のリスクはない」と回答した人の内訳を分析すると、顕著な差が表れています。こうした結果から、従業員の危機意識を高めるためには、単なる「口頭での注意喚起」や「資料の配布」だけでは不十分であり、体系的な研修の実施が有効であることが示唆されました。
■調査概要
名称:SNSの利用状況や、炎上や情報漏洩リスクに対する危機意識の調査
対象期間:2026年3月19日
対象:20〜69歳の会社員(正社員・契約・派遣社員)、経営者・役員、公務員(教職員を除く)のうち、事前のスクリーニング調査にてSNS投稿頻度が「1日に複数回」「1日に1回程度」「週に数回程度」と回答した人
有効回答者数:300名
方法:インターネットリサーチ
※本調査を引用いただく場合は、「株式会社エルテス調べ(2026年3月)」とご記載ください。
※各グラフについては、収集データを元にエルテスが作成しています。
■【参考資料】SNS投稿に潜むリスク分析
Q1.懇親会の様子を撮影し、個人の顔が分かる状態の写真を投稿した。
→本人の許可なく投稿することで肖像権侵害・プライバシー侵害などのトラブルに発展する可能性があります。また、勤務時間外の飲酒の様子が企業の品位を問われ、炎上の火種になるケースもあります。
Q2.出張中の新幹線のチケットを撮影し、座席番号が分かる状態の写真を投稿した。
→リアルタイム投稿の場合、現在地や目的地が特定され、待ち伏せやストーキング被害に遭う危険性があります。また、出張による特定企業との商談等の類推で、機密情報の漏洩と指摘される可能性があります。
Q3.「今日は残業だ」という愚痴と共に、デスク周りの写真を投稿した。
→デスクに置かれた資料・PC画面・付箋などが映り込むことで顧客情報等の機密情報が流出する危険性があります。また過重な時間外労働を疑われ、企業のコンプライアンスを問われる炎上の火種になるケースも想定されます。
Q4.打ち合わせ中のホワイトボードを背景に、自身の顔が写った自撮り写真を投稿した。
→ホワイトボードに書かれたプロジェクト内容や図解から、機密情報が流出する可能性があります。
Q5.異業種交流会で交換した名刺を並べて、人脈の広がりをアピールする投稿をした。
→相手先企業との信頼関係を破壊し、個人情報保護法抵触の指摘を受ける恐れがあります。
Q6.移転したばかりの新オフィスのエントランスで、社員証を首にかけたまま撮影して投稿した。
→社員証の顔写真や社員番号、バーコードが鮮明に写ると、偽造の材料にされる危険性があります。
<参考情報>
※1:総務省「令和6年通信利用動向調査」はこちら
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdf