PwC Japan、シンギュラリティ時代のAIリスクガバナンスアーキテクチャの研究開発・検証を開始

2026年5月21日
PwC Japanグループ

PwC Japan、シンギュラリティ時代の
AIリスクガバナンスアーキテクチャの研究開発・検証を開始

PwCオフィスの無人小売り店舗で、AI自律運営を実証


PwC Japanグループ(グループ代表:久保田 正崇)はシンギュラリティ時代を見据え、完全自律型AIエージェントによる企業運営を前提としたリスクガバナンスアーキテクチャの研究開発・検証に取り組みます。その第1弾として、PwC Japanグループ東京オフィス内に設置した、無人小売り店舗におけるAI自律運営の実証実験を5月25日(月)より開始します。本取り組みは、AIによる自律運営の研究開発の一環として、AI Factory(※1)を中心とするPwC Japanグループの専門家が連携して推進します。
※1 2025年10月、AIを活用してクライアントが直面する産業変革への対応を支援することを目的にPwC Japanグループの開発組織として発足

近年、技術進歩の加速を背景に、AIエージェントの活用を本格化させる動きが広がっています。こうした流れを受け、PwC Japanグループでは、2035年以降、企業の在り方は、シンギュラリティ・エンタープライズ(※2)へと変化していくと考えています。AIの自律稼働を前提とする組織運営では、AIエージェントの判断や行動が人による確認・承認プロセスを上回る速度と量で発生します。そのため、AIを業務の担い手として活用するだけでなく、統制機能へ取り入れることが重要になります。この発想を具体化するためには、従来の画一的なルールベースの統制を見直し、状況や影響度に応じて判断するリスクベースの視点を取り入れた新たな統制モデルを構築していくことが不可欠です。具体的には、事後的・静的な管理からリアルタイム・動的な管理へ、また、定期的なゲート式の監視からAIエージェントの活動を継続的に制御・監督する伴走型監視へと、統制の仕組みを更新していくことが鍵となります。
※2 シンギュラリティ・エンタープライズ: AIエージェントが主体となり、多様な役割を自律的に担うことで、企業活動の効率化・高度化にとどまらず、組織構造や業務プロセスの抜本的な変革が起こる(PwC Japanグループ「生成AIの将来技術動向」より
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/generative-ai-survey2025-consideration.html


研究開発の流れおよび検証基盤について
AI自律運営に求められる統制モデルの転換を見据え、PwC Japanグループは、汎用的な倫理原則を前提に、産業固有のリスクやガバナンス課題まで考慮したリスクガバナンスアーキテクチャの研究開発に取り組みます。研究開発にあたり、自律型AIエージェントを前提として再編される次世代の産業活動を、実社会と接続しながら設計・検証するシミュレーション基盤「Autonomous Industrial Twin(オートノマス・インダストリアル・ツイン、以下、AIT)」を構築します。AITは、AIエージェントによるオペレーション、それを統制するAIエージェント、さらにリスクの検知・評価・制御・監督を支えるリスクガバナンスアーキテクチャで構成されます。リスクガバナンスアーキテクチャは、AIへの委任範囲や説明責任、監査可能性、法令遵守、不確実性への対応を、AI中心の産業運営に組み込むガバナンスとコントロールの管理手法です。AITでのシミュレーションを経て一定の有効性が確認されたAIエージェントおよびリスクガバナンスアーキテクチャを実環境に適用し、その運用可能性を検証します。実証で得られた運用知見や課題はAITに還流させ、設計・検証の精度を高めます。さらに、対象となる産業やユースケースを段階的に拡張しながら、開発、シミュレーション、実証、再設計を循環させることにより、リスクガバナンスアーキテクチャを継続的に更新していきます。最終的には、ビジネスリスクや事業変化の兆しを早期に捉え、リスクの抑制と事業機会創出の双方に生かす仕組みへと発展させていきます。

図表1: 研究開発の流れ:産業応用への段階的な発展のアプローチ

実証実験の概要
本取り組みの第1弾として、小規模な無人売店(※3)をユースケースとして実証実験を行います。PwC Japanグループのオフィス内に設置した無人売店で、AITでの検証を経たAIエージェントおよびリスクガバナンスアーキテクチャを運用し、その有効性と課題を明らかにします。また本実証では、AIが運営判断と統制を担う「Agent in the Loop」と、人が判断・統制に介在する「Human in the Loop」を比較し、AIにどこまで委任できるのか、どの領域で人の関与が必要となるのかを検証します。あわせて、AIによる判断根拠や取引記録の可視化、監査・内部統制への対応、会計・税務・法令遵守、リスク兆候の検知とエスカレーションといったガバナンスに関する論点を中心に検証観点を設定しています。これらの論点は、PwC Japanグループが擁する会計監査、税務、法務、リスク & ガバナンス、サイバーセキュリティ、サステナビリティ、AI、各種業界などの多様な専門家の知見を基に選定しています。本実験を通じて得られる知見を基に、現時点の技術水準を前提とした自律運営を統制する仕組みの構想につなげ、より複雑なユースケースや他の産業の研究へ展開していきます。
※3 オフィス内に設置された、飲料や軽食を取り扱うセルフ決済型の小規模店舗。AIが販売・在庫状況などをもとに発注や補充を判断し、作業用人員に指示(仕入れ発注や在庫補充などは人が対応)

実証実験名称:自律型AIによる店舗運営を通じたリスクガバナンスアーキテクチャ研究

実証実験の目的:
  • AIエージェントが、リスクガバナンス上の要請まで含めて自律的に店舗運営を担えるかを検証
  • ビジネスリスクを制御し、ガバナンスを機能させるリスクガバナンスアーキテクチャの有効性を確認
  • 人の判断を介した運営とAIによる自律運営を比較し、人が介入すべき領域を明らかにする
実証実験の流れ:
  1. AIエージェントによる店舗運営を仮想環境上でシミュレーションし、自律運営システムの実装可能性を検証
  2. 仮想環境で有効性が確認されたシステムを、社内に設置した小規模店舗で運用し、実環境におけるイレギュラー対応を含めて検証
  3. AIエージェントによる自律運営と人による運営を比較し、売上、在庫効率、運用品質に加え、会計・税務・法務を含むガバナンス要件への適合性を社内の専門家を交えて確認
  4. 実店舗で得られた結果を基に、AIエージェントとリスクガバナンスアーキテクチャを更新し、仮想環境で再検証
  5. 一連の実証結果を取りまとめ、AI自律運営の成立条件と統制上の論点を研究成果として発表予定
期間:
  • AITでの検証:2026年4月13日(月)~5月15日(金)
  • 店舗運営:2026年5月25日(月)~6月5日(金)
  • 店舗運営結果を基にした研究:2026年6月8日(月)~7月末頃
店舗設置場所:PwC Japanグループ東京オフィス 会議室
店舗実証実験参加者:PwC Japanグループ社員

図表2: 実証実験概要

PwC Japanグループは、本取り組みを通じて、AIエージェントによる自律運営を単なる業務効率化の手段としてではなく、企業統制、リスク対応、事業機会の探索を含む新たな産業運営のかたちとして捉え、研究・実装を進めていきます。将来的には、本取り組みの趣旨に賛同する企業や組織にも参加いただき、産業横断で議論と実装を深めていくことを想定しています。今後も多様な専門家の知見を結集し、企業や組織との連携を広げながら、シンギュラリティ時代に求められる信頼あるAI活用の実現を目指します。

以上

PwCについて:https://www.pwc.com
PwCは、クライアントが複雑性を競争優位性へと転換できるよう、信頼の構築と変革を支援します。私たちは、テクノロジーを駆使し、人材を重視したネットワークとして、世界137の国と地域に364,000人以上のスタッフを擁しています。監査・保証、税務・法務、アドバイザリーサービスなど、多岐にわたる分野で、クライアントが変革の推進力を生み出し、加速し、維持できるよう支援します。

PwC Japanグループについて:https://www.pwc.com/jp
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびブローダーアシュアランスサービス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約13,500人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。

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この企業の情報

組織名
PwC Japanグループ
ホームページ
https://www.pwc.com/jp/ja/
代表者
久保田 正崇
資本金
1,000 万円
上場
非上場
所在地
〒100-0004 東京都千代田区大手町1‐1‐1大手町パークビルディング
連絡先
03-6212-6810

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