新日鉄住金 インドネシアでの鋼構造普及に向けた「鋼矢板設計ガイドライン」と「鋼構造教科書」を発刊
- 新日鐵住金株式会社
- 2016年12月12日
- 14:01
新日鐵住金株式会社(以下、新日鉄住金)は、インドネシアでの鋼矢板の普及に向けて、バンドン工科大学(INSTITUT TEKNOLOGI BANDUNG、以下「ITB」)と、鋼矢板の設計・施工法に関するインドネシア語版のガイドラインを発刊いたしました。また、新日鉄住金が編集に参画した、建築分野での鋼構造の普及に向けた鋼構造の教科書「Struktur Baja」がペリタハラパン大学(Universitas Perita Harapan)より発刊されました。
港湾・鉄道等のインフラ整備が盛んに進められている同国では、経済発展に伴う賃金上昇等による建設コストの増大が課題となっており、従来のコンクリート構造に対し、工期短縮等によるコスト削減が可能な鋼構造へのニーズが高まっております。
そうした中、新日鉄住金は、急速施工と構造合理化によるコスト削減が可能な鋼矢板を同国へ普及させるべく、いち早くITBと設計・施工実務への導入に係る議論を行うとともに、土木建築学会「HAKI」や地盤工学会「HATTI」等の現地技術協会のセミナーに積極的に参画し、現地エンジニアへの認知度向上を図ってまいりました。今回、これらの活動成果を取り纏め、鋼矢板の設計・施工実務者が活用できるガイドラインを発刊いたしました。
本ガイドラインでは、ITBとの議論も踏まえ、港湾や河川の護岸構造等の設計・施工法に加えて、東南アジアで実績を積み重ねつつあるハット形鋼矢板や高剛性のハットH鋼矢板等を用いた設計事例等も詳述しております。インドネシアにおいてもハット形鋼矢板やハットH鋼矢板は、既に複数のプロジェクトで採用されており、顧客に広く認知されつつあります。
また、建築分野での鋼構造の普及に向けた鋼構造の教科書「Struktur Baja」がペリタハラパン大学より発刊されました。新日鉄住金は、ペリタハラパン大学からの要請を受け、この教科書の編集に参画し、日本における鋼構造の設計方法や適用事例、外法H形鋼や極厚H形鋼といった高機能部材に関する技術データや資料を提供しています。
インドネシアでは、高層ビルや展示場等の大スパン建築物の建設が増えつつありますが、鋼構造物を正しく経済的に設計する方法やツールが十分普及しておらず、エンジニアを中心にこれらの要望が高まっています。今回発刊した「Struktur Baja」はこのようなニーズに合致したものです。
新日鉄住金は、今後も現地大学等との連携を深め、現地エンジニア等へ鋼構造の設計・施工に関する認知度を拡大することにより、同国のインフラ整備に貢献して参ります。
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