フェリス女学院大学音楽学部(神奈川県横浜市/学長:秋岡 陽 音楽学部長:立神 粧子)と横浜ライオンズクラブは、東日本大震災による津波で校歌の音源を失った岩手県大船渡市立赤崎中学校(横田一平校長)の「校歌再生プロジェクト」を推進。教員や学生らの努力により、校歌の再生、音源CD贈呈後も同校生徒らとの交流を続けている。
2016年10月、岩手県大船渡市立赤崎中学校の仮設校舎で、フェリス女学院大学の学生による合唱指導とミニ・コンサートが行われた。津波で流失した同校校歌を復元・再生し、音源を作成したことが縁となり、今年度で5回目の開催となった。
東日本大震災で甚大な被害を受けた赤崎中学校。津波で校舎は全壊し、校歌の譜面も音源も流失してしまった。
被災地を支援する中でその事実を知った横浜ライオンズクラブは2012年6月、「校歌の再生をお願いできないか」とフェリス女学院大学音楽学部に依頼。そこから「校歌再生プロジェクト」が始まった。
フェリス女学院大学では、瓦礫の中から唯一見つかった手書きの譜面を元に楽譜を作成。その後、作曲家である同大教授による混成四部合唱への編曲作業を経て、完成した校歌を7月中旬に同大フェリスホールにて録音。編集作業の後、完成したCDを携えて7月末に赤崎中学校を訪問し、再生した校歌の贈呈式と、学生による合唱指導およびミニ・コンサートを行った。
翌2013年10月に開催された「大船渡市民芸術祭小・中学校音楽発表会」で、赤崎中学校は再生した校歌を披露。いわゆる合唱曲ではなく、校歌という異例の選曲だったにも関わらず、生徒たちの歌声は多くの方々に感動を与え、特別賞を受賞。生徒たちが校歌への愛着をより一層深める結果となった。
また、この受賞を契機に、赤崎中学校ではこれまで盛んだったスポーツ系の課外活動に加えて、合唱も盛んに行われるようになった。再生した校歌から生まれたハーモニーは、生徒同士、生徒と地域をつなぐハーモニーとなり、現在も生徒たちに脈々と受け継がれている。
その後も、要請を受けて毎年、フェリス女学院大学の学生は赤崎中学校を訪問。合唱指導、ミニ・コンサート、生徒との交流会等を開催し、交流を続けている。
2012年のプロジェクト開始から6年目を迎える今年も同様の活動を予定。今後も末永く交流を続けていく予定である。
<活動実績>
2012年6月中旬
横浜ライオンズクラブより大船渡市立赤崎中学校の校歌再生の依頼
横浜ライオンズクラブと音楽学部による「校歌再生プロジェクト」が開始
6月下旬~
津波で流出した校歌の楽譜作成・編曲
7月12日
校歌録音
7月27日
校歌贈呈式・仮設校舎でのミニ・コンサートを開催
10月15日
仮設校舎での合唱指導
2013年8月7日
学長・音楽学部長が赤崎中学校および大船渡市役所を訪問
10月8日
仮設校舎での合唱指導、ミニ・コンサート、生徒との交流会を開催
12月4日
赤崎中学校三浦昌弘校長がフェリス女学院大学に来訪
2014年10月7日
仮設校舎でのミニ・コンサート、生徒との交流会を開催
2015年10月9日
仮設校舎でのミニ・コンサート、生徒との交流会を開催
12月17日
赤崎中学校横田一平校長がフェリス女学院大学に来訪
2016年10月6日
仮設校舎での合唱指導、ミニ・コンサートを開催
<音楽学部 立神粧子学部長のコメント>
「校歌再生プロジェクト」は音楽学部を挙げての取り組みとなりました。校歌再生にあたっては、作曲の岡島名誉教授が、もともと単旋律だった校歌を混声四部合唱でも歌えるように編曲してくださいました。専門家の目で見ても非常に歌いやすく、響きが美しい四部合唱の校歌になっています。
校歌再生後も毎年学生が赤崎中学校を訪問し、合唱指導とミニ・コンサートそして交流会などを通じて、生徒との交流を続けています。音楽を通して人の心に沿うことのできる本学音楽学部生の特徴、そして「For Others」※というフェリス女学院のモットーが体現された活動だと感じています。
また、この活動は横浜ライオンズクラブが学生の派遣を支援してくださっているなど、日頃からの地域活動の賜物でもあります。
2017年度には、待望の赤崎中学校新校舎が完成します。私たちも若い生徒さんたちとのこの貴重な音楽交流を継続していきたいと考えています。
※「For Others」: フェリス女学院の教育理念。「他者のために」と訳すことができ、モットーとして同大で学ぶ学生一人ひとりに受け継がれている。この活動以外にも、環境問題への取り組み、ボランティア活動、バリアフリー活動などモットーに即した学生たちによる活動が活発に行われている。
▼本件に関する問い合わせ先
フェリス女学院大学
企画・広報課 植村、粟原、松本
TEL: 045-812-9624
FAX: 045-812-8395
Email: kikaku@ferris.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
http://www.u-presscenter.jp/