学生の半数が89カ国・地域からの留学生、教員の半数が外国籍という圧倒的な多文化・多国籍な環境を有する立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)では、開学以来この多文化環境を維持するための整備を進めてきました。学生や教職員がより快適に過ごすことが出来るように進めている取り組みを紹介します。
立命館アジア太平洋大学(APU)は、本格的な国際大学を目指し、2000年に大分県別府市に公私協力により開学。キャンパスでは日本語と英語の両方が公用語で、学部講義のおよそ90%を日英二言語で開講しています。基本理念として「自由・平和・ヒューマニティ」「国際相互理解」「アジア太平洋の未来創造」を掲げ、開学時に(1)全学生に占める国際学生*比率50%、(2)外国籍教員比率50%、(3)国際学生の出身50カ国・地域という「3つの50」を目標に設定し、その達成に向けて取り組んできました。2017年11月1日現在、89カ国・地域からの国際学生約3,000名が在籍しており、全体における国際学生の比率は50%を超えます。開学以来140を超える国・地域から国際学生を受け入れています。
APUでは、初年次教育や国際教育寮APハウスなど、圧倒的な多文化環境を生かした教育活動の追求に加え、多文化環境を維持するための整備も開学以来進めてきました。
APUには、世界の多くの国からさまざまな宗教や文化的価値観を持った学生が集まっています。宗教は、それを取り巻く文化や信仰する個人の生活習慣、考え方、生き方、また人生観そのものまで左右するものもあります。信仰の度合いも人によりさまざまです。そのためAPUでは、全学生に公平に対応するために、信教の自由の保障と、宗教活動に対しては原則援助を行わないこと、また構内の公共の場所においての布教活動および他宗教への圧迫などを禁止しています。
その一方、学生から静かに活動できる場所が欲しいという要望を受けて、2016年には 「心を落ち着かせる静かな空間」として、瞑想、礼拝、読書、また個人が静かに心の安定をはかることなどを想定した「The Quiet Space」を学内に設置しました。本施設は、「信教の自由」を保障し、学生の利便性 向上のためであり、特定の宗教活動への援助ではなく、どの個人にも公平に開放されています。学生の中には、本施設で個人的に礼拝を行うものもおります。
加えて、イスラム教の学生は食べられるものが制限されていることから、学内で食品の販売・食事の提供を行う生協では、開学当初からハラルチキンの確保など学生の食環境の整備に努力してきました。その一環として、生協カフェテリアでは、「ムスリムフレンドリー認証」を2015年に取得しました。また、生協ショップでもハラルフードを販売しています。これは、イスラム教の人だけへの特別な待遇ではなく、多様な文化・宗教的事情に対応した1つの事例です。イスラム教以外にもさまざまな宗教や習慣をもつ学生・教職員が在籍し、種々のリクエストが寄せられていますので、そのニーズを満たす試みを続けていきます。
*国際学生:在留資格が「留学」である学生。
▼本件に関する問い合わせ先
立命館アジア太平洋大学 学長室(広報)
加藤、宮腰
TEL:0977-78-1114
メール:r-apu@apu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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