北海道科学大学(札幌市手稲区)はこのたび事務局組織を再編し、新たに「入試・地域連携部」を設置。入試・学生募集・一般広報・地域貢献、さらには教員の研究活動支援までも一括して取り扱うことで、大学のブランディングや高大連携教育改革を推進するほか、教員による積雪寒冷地対応の特色ある研究活動を積極的に発信していく。
北海道科学大学は在学生約5,000人を擁する中規模の実学系総合大学であるが、学内では特色ある研究活動を推進するための競争的研究費の制度を充実させる(下記参照)など、先端研究や産学連携活動も盛んに行われている。
このたび、北海道薬科大学との統合に伴い4月に開設する薬学部をはじめ、4学部13学科の魅力と地域に根ざした活動を結びつけていくため、横串を刺した事務組織体制に再編成。「入試・地域連携部」を新たに設置した。
「入試・地域連携部」は、法人全体を含む一般広報を担当していた「広報課」、公開講座など地域貢献活動と研究推進を担当する「教育研究推進課」、入試全般を担当する「入試第一課」、学生募集を担当する「入試第二課」の4課を再編したもので、「入試課」「地域連携・広報課」「研究推進課」の3課体制となっている。
このほか、教員を含めた大学運営組織である、研究推進と地域貢献活動の役割を担う「研究推進・地域連携センター」、学生募集や入学試験を実施する「入試広報センター」も同部が担当。研究・教育・地域連携・入試の相互連携をさらに強化していく。
特に研究推進の分野では、北海道で唯一選定された「私立大学研究ブランディング事業」も担当しており、4つの研究所を中心とした研究支援と大学全体のブランディングを一体化させる。
また、この組織の中に教員の研究推進業務を加えたのは、大学の強みである教員の研究活動を発信する目的がある。若年層の減少で学生集めが厳しくなる中、苫米地司理事長は「大学の生き残りのために、北海道が直面する課題の解決に向けた研究に注力する」と語っており、大学自らが研究について発信することで、ペイドメディアに頼らない学生募集活動を行っていく。
◆北海道科学大学(HUS)の特色ある研究支援~地域に根差したグローカルな研究を展開
●競争的研究費(地域戦略創発型研究費)
各教員による活発な研究活動の推進を目的とした学内競争的資金制度。学科の垣根を越えた学科横断型研究グループ(異分野協働プロジェクトチーム)を後方支援し、大学の基本理念の具現化を目指す。平成30年度からは、総合大学の利点を活かした医工連携プロジェクト「人工知能(AI)を用いた診断支援システムの構築」および「熱画像見守りシステムの社会実装」が本格稼働する。
また、北海道薬科大学との統合によるシナジー効果がもたらしたプロジェクト「GISを用いた北海道過疎地における健康生活支援拠点としての薬局・薬店へのアクセシビティと潜在ニーズに関する研究」が始動する。
●共同実験棟(R2棟)
全学で共用できる産学連携拠点。吹雪時の雪の積もり具合をシミュレーションできる「自然雪風洞実験装置」、零下40度の環境を作れる「恒温恒湿室」や「高性能顕微鏡」など数億円規模の最先端設備を導入している。
◆産学官連携事業~社会経験を学生時代に培う
●HUS RT&AI×道内バスグループによる共同研究
バス車内の床面や座席、手すりを掃除する自動清掃ロボットの共同開発。早ければ3年後に実用化。清掃スタッフが身につける装着型の補助装具の開発も同時に進める。バスの清掃員の人材不足や高齢化に対応する。
●HUS×消防局×昇降機メーカーによる共同研究
平成22年3月に札幌市北区の認知症グループホームで発生した火災で、入居者7人が死亡し、うち2人は2階で発見。夜勤職員は1人だった。この火災をきっかけに、2階以上に入所する車いす利用者をいかに避難させるかという課題が浮き彫りとなり、消防庁の費用補助を受けて、高齢者などを車いすに乗せたまま、介助者1人で階段を下ろすことができる新しい避難器具を共同開発。平成29年10月に試作品が完成、来年度にかけての商品化を目指している。
●HUS×民間企業5社×公益法人(アドバイザー)
下水管内部の熱を道路の融雪に利用する取り組み。平成29年12月よりHUS構内で実証実験を開始した。下水は1年中15~25度に保たれ、生活圏の全域にあることから利用しやすい再生可能エネルギーとして注目を集めており、3年後をめどに道内初の実用化を目指す。
▼本件に関する問い合わせ先
北海道科学大学 入試・地域連携部
住所:〒006-8585 札幌市手稲区前田7条15丁目4番1号
TEL:011-676-8514
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/