昭和大学歯科病院(東京都大田区、病院長:槇宏太郎)はこのたび、う蝕(虫歯)の予防管理プログラム「CAMBRA(TM)」を導入する。これは、さまざまな要因からう蝕リスクをプロトコル化し、患者個々の口腔内状態と生活習慣、ライフスタイルに合わせ管理・指導していくもので、歯科大学病院としては日本で初めての採用となる。治療中のう蝕リスクが高まる歯列矯正において、口腔内環境のリスクバランスを継続的に管理し、真の患者利益に繋がる健康な口腔内環境の完成を目指す。
CAMBRA(Caries Management By Risk Assessment、以下CAMBRA(TM))は、カリフォルニア歯科医師会とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の共同により開発された、将来のう蝕発生リスクの分類とリスク別推奨処置をプロトコル化したう蝕管理法。歯科先進国アメリカにおいて歯科大学65校中40校が教育プログラムとして導入しており、う蝕管理のスタンダードとして既に確立されている。
日本では、株式会社ヨシダ(東京都台東区、代表取締役社長:山中一剛)と株式会社KIDS DENTAL PARK(東京都港区、代表取締役社長:神保剛康)の二社による独占契約の管理プログラムとなっている。
専用機器による唾液検査や細菌の測定、磨き残しチェック、生活習慣に関する問診など、さまざまな数値や視診から、口腔内のリスクを4段階評価。「現在の口腔内の健康状態」と「元々の口腔内の個人資質」、「生活習慣」から虫歯を起こす力と虫歯を防ぐ力のバランスがどちらに傾いているかを評価し、一人ひとりのライフスタイルに合ったプログラムで口腔内バランスを管理する。
CAMBRA(TM)を矯正歯科治療に導入する有益性は非常に高く、日本の矯正歯科治療に革新的な進歩をもたらすことが期待される。
現代社会における生活者視点では、歯列矯正は歯列の見た目だけに注目されがちだが、本来の患者利益は口腔内環境の健康維持にある。しかし、健康な口腔内環境を目指すための治療である一方、治療中にはう蝕リスクが非常に高まる。口腔内に器具を取り付けることにより、食べかすが残りやすくなったり、歯磨きが困難になったりするという物理的な問題が弊害として起こるためである。そのため、治療中のリスクコントロールは歯列矯正において不可欠なものとなる。
CAMBRA(TM)は患者個々の口腔内状況はもちろん、元々の個体差(虫歯のなりやすさや修復力)、生活習慣等をプロトコル化することで、より詳細で的確なリスク管理を可能にする。
昭和大学歯科病院では、歯列矯正を生涯における価値のあるものにすることを目指している。そのため、矯正歯科治療におけるリスク管理の側面で非常に有効と考えられるCAMBRA(TM)を導入することとした。なお、歯科大学病院としてCAMBRA(TM)を導入するのは同院が日本で初めてとなる。
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