アリババグループ、2019年10-12月期の決算を発表
- アリババグループ
- 2020年02月14日
- 12:46
アリババグループ・ホールディング・リミテッド(銘柄コード:NYSE:BABA、HKEX:9988)は2020年2月13日、2019年10-12月期(会計年度2020年第3四半期)の決算を発表しました。
※アリババグループの会計年度は、4月1日から翌年3月31日までの期間です。
※下記、1中国人民元=15.5円のレートで日本円に換算しています。(2月現在)
当期は、中国国内のリテール事業及びクラウドコンピューティング事業の売上が大幅に増加し、アリババグループ全体の売上高は前年比38%増の1,614.56億元(2兆5,025.7億円)に達しました。コアコマース事業の売上高は前年同期比38%増の1,414.75億元(2兆1,928.6億円)で、その内、中国国内のリテールビジネスの売上高は前年同期比36%増の1,104.58億元(1兆7,121.0億円)になりました。B2Cマーケットプレイス「天猫(Tmall)」のGMV(流通総額)は前年同期比24%増で、特に日用消費財(FMCG)及び電子製品の売上が大きく伸びました。
■アリババグループ 会長兼CEO ダニエル・チャン(張勇)のコメント
「当四半期を通して、アリババグループのビジネスは力強い成長を遂げました。アリババのデジタルエコシステムは新たな高みに達し、同時に天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル*ではマーチャント(出店企業)及びパートナーとともに新たな記録を更新しました。ユーザーエンゲージメント、特にソーシャルコマースコンテンツへの継続的な投資が、年間アクティブユーザー数の大幅な成長を促進しました。
クラウドコンピューティング事業も急速に成長しており、単一四半期の売上高が初めて100億元(1,550億円)を超えました。新型コロナウイルスに関連した肺炎(以下、新型肺炎)の発生後は、アリババグループのエコシステムにおけるビジネスやテクノロジーを最大限活用して、地域への生活必需品を供給しながら、中小企業やマーチャント支援策を展開し、新型肺炎との戦いを全力でサポートしています。これまで通り、アリババは常に理念を貫き通し、積極的にマーチャントを支援し、共にこの試練を乗り越えてまいります。 」
*天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル…アリババグループが毎年11月11日(俗称:独身の日)に開催する、GMV(流通総額)ベースで世界最大の24時間ショッピングイベント
■アリババグループ CFO マギー・ウー(武衛)のコメント
「私たちは2019年11月に香港証券取引所のメインボードに上場しました。当四半期の業績は好調で、売上高は前年同期比38%増、調整後EBITDAは前年同期比37%増となりました。今後、デジタルインフラストラクチャ及びデジタルサービスへの投資を継続し、特にこの困難な時期において、アリババのデジタルエコノミーにおける顧客とパートナーの成長を支援することを約束します。」
米国会計基準に基づく株主に帰属する当期純利益は523.09億元(8,107.9億円)、当期純利益は464.93億元(7,206.4億円)、調整後EBITDAは前年同期比37%増の558.80億元(8,661.4億円)となりました。
※EBITDA=税引前利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した値
中国小売市場における月間モバイルアクティブユーザー数は2019年12月末時点で8.24億人に達し、2019年9月末時点より3,900万人増加しました。中国小売市場における年間アクティブユーザー数は7.11億人となり、2019年9月末時点より1,800万人増加しました。その新たなユーザーの60%が新興地域のユーザーです。
■事業ごとのハイライト
●EC事業
タオバオ(淘宝)
コンテンツの刷新、及びパーソナライズされたレコメンデーションの最適化を継続的に実施したことで、特にタオバオ(淘宝)のライブコマースサービス「タオバオライブ(淘宝直播)」が、最も有効なマーケティングツールとなりました。タオバオライブ(淘宝直播)によるGMV(流通総額)及びライブを観る月間アクティブユーザー数は2019年12月時点で前年同期比100%以上増加しています。
天猫 (Tmall)
天猫(Tmall)は引き続き市場での優位性を維持しており、消費者セグメントに合わせた施策はユーザーからも評価されており、結果として天猫(Tmall)における注文数増加と高い注文頻度に貢献しています。
当期内に実施した天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル(以下、天猫ダブルイレブン)も過去最高記録を更新し、GMV(各ECサービス及びライフサービスプラットフォームにおけるアリペイを通じた決済による流通総額)は昨年同期比26%増の2,684億元(約4.2兆円)となりました。期間中に20万以上のブランドが天猫ダブルイレブンに参加し、GMV(流通総額)の成長及び新興地域へのブランドの浸透を実現しています。天猫ダブルイレブンのGMV(流通総額)のうち、54%が新興地域の消費者によるものです。
●ニューリテール事業
ニューリテールを代表する生鮮食品スーパー「フーマ(盒馬鮮生)」はリテールの多業態戦略によって、クリエイティブな施策を用いてユーザー体験及びカスタマーロイヤリティを向上させ、安定した売上を生み出しています。2019年12月末時点で197軒のフーマ(盒馬鮮生)直営店舗を主に1・2級都市で展開しています。また、2019年9月、アリババグループ傘下の天猫スーパー(天猫超市)及びサンアート・リテール(高鑫零售)が連携し、食品及び日用品を当日中に配達するサービス「半日達」を展開したことで、サンアート・リテールはオフライン店舗のサービス範囲を拡大しました。
●ローカルサービス事業
ローカルサービス*の売上高は主に食品デリバリーサービス「ウーラマ(餓了麼)」のプラットフォーム手数料、配達手数料とその他のサービス料から成り立っています。当期の売上高は前年同期比47%増の75.84億元(1,175.5億円)となりました。注文数及びローカルサービス事業のGMV(流通総額)の継続的な増加により、新興地域でのGMV(流通総額)は前年同期比40%増加しました。ローカルサービスもアリババエコシステムと連動しており、当期のウーラマ(餓了麼)の新規コンシューマー数のうち48%が、アリペイ(Alipay)のアプリから流入したものです。
*ローカルサービス…各地のマーチャント(出店企業)と連携して中国国内の日常生活を支えるライフサービス
●菜鳥網絡(ツァイニャオ・ネットワーク)事業
急速な成長を遂げているアリババグループの越境事業において、特にマーチャントの「菜鳥履約」の採用率が向上したことにより、菜鳥当期の売上高は前年同期比67%増の75.18億元(1,165.3億円)となりました。当期の天猫ダブルイレブン期間中は、菜鳥網絡とそのパートナー企業は12.9億個の荷物を配達し、過去最高記録を更新しました。天猫ダブルイレブンの期間中に「菜鳥ステーション(菜鳥驛站)」もより高い効率での物流を実現し、全国各地に設置された宅配荷物取扱拠点「菜鳥ステーション」から受け取られた荷物数は、前年同期比88%増加となる3.62億個に達しました。2019年11月、アリババグループは菜鳥網絡のサービスへの投資を拡大し、菜鳥網絡のテクノロジー開発及び物流インフラ施設設置を継続的に支援します。
●越境及びグローバル小売ビジネス事業
当期売上高は前年同期比27%増の73.96億元(1,146.4億円)となりました。これは、東南アジアの主要 EC プラットフォーム「ラザダ(Lazada)」の売上高の成長が主な要因です。ラザダ(Lazada)の当期内の注文数は前年同期比97%増、アクティブ店舗数は2倍に増加し、消費者のファッション、アクセサリー及びインテリア雑貨への強いニーズを反映しています。中国から海外へ輸出するためのグローバル越境ECマーケットプレイス「アリエクスプレス(AliExpress)」は価格優位性を持つ出店企業の誘致に引き続き専念し、海外消費者のニーズを持たすことで、ユーザー数及びGMV(流通総額)の継続的な成長を達成しています。
●クラウドコンピューティング事業
クラウドコンピューティング部門は当期内にファイナンス及びテクノロジーにおける2つの重要なマイルストーンに到達しました。ひとつは、パブリッククラウド及びハイブリッドクラウド事業の売上増加により、当期売上高は前年同期比62%増の107.21億元(1,661.8億円)となり、単一四半期の売上高が初めて100億元(1,550億円)を突破したことです。もうひとつは、当期の天猫ダブルイレブン前にアリババグループEC業務のコアシステムをパブリッククラウドへ移行させたことです。天猫ダブルイレブン期間中、アリババクラウドのパブリッククラウドインフラ施設が24時間のGMV(流通総額)2,684億元(約4.2兆円)、最大54.4万件/秒の注文数、及び970PB(ペタバイト)のデータをゼロダウンタイムで処理しました。EC業務のコアシステムをパブリッククラウドへ移行させたことにより、アリババグループにより高い運営効率をもたらしたと同時に、マーチャントへのアリババクラウドのパブリッククラウドサービスの導入促進にも貢献しています。
●デジタルメディア及びエンターテインメント事業
当期売上高は前年同期比14%増の73.96億元(1,146.4億円)となりました。当期は、課金ユーザーへのターゲットマーケティングの精度が更に高くなり、契約の自動継続を選ぶ会員が増加したことで、映像配信プラットフォーム「ヨウク(Youku)」の1日あたりの課金ユーザー数が前年同期比59%増となりました。
●イノベーション事業及びその他事業
当期売上高は前年同期比40%増の18.64億元(288.9億円)となりました。
# # #
■アリババグループについて
アリババグループのミッションは、『あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)』です。アリババグループは未来のビジネスインフラを構築し、102年(3世紀)以上続く企業を目指しています。