電動車いす製品のご購入者に届けられる折鶴
コロナ禍の制約の中で伝える「感謝」
「2020年は、当社が電動車いす事業を開始してから25周年の節目にあたります」――。こう話すのは、JW
※ビジネス部の荒田大輝さん。
「この四半世紀の歩みの中で、お客様や販売店様はもちろん、多くの方々がJWの事業や製品の発展を支えてくださいました。ですから、今年をそうした皆様に『感謝の気持ちをお伝えする年』と位置づけて各種準備を進めてきたのですが、コロナ禍の影響で、予定していたほぼすべての活動が実現困難になってしまいました」と続けます。
イベントの中止やテレワークへの移行で、活動自体に大きな制約がかかる中、「みんなで鶴を折って、お客様や販売店様にお届けするのはどうだろう。ささやかな取り組みだが、感謝の気持ちをお伝えできるのでは?」というアイデアが浮上したのは、緊急事態宣言発令中の4月下旬のこと。荒田さんが所属するグループから始まった折鶴活動は、やがて部門や事業部全体までひろがり、現在では電動車いすの製造現場も加わって、休憩時間や終業後に鶴を折る社員があちらこちらで見られるようになっています。
休憩時間や終業後に皆で集まって折ることも
150人超の賛同社員が、心を込めて
「みんなで折った鶴は、感謝のメッセージとともに7月工場出荷分から製品に同梱しています。少人数で始めた当初は数千もの折鶴を用意できるのかという不安もあったのですが、現在は賛同・協力してくださる社員が150人ほどにひろがって、翌月出荷の予定数まで確保できるようになりました。この活動は12月末まで続ける予定です」
完成した折鶴を見せてもらいました。折り慣れた手つきを想像させる端正な仕上がりのもの、また、多少武骨ながらも折った人の思いが伝わるものまで一つひとつに個性が見えます。「折紙とともに手順書はお渡ししていますが、特別なレクチャー等は行っていません。ただ、協力してくださる人たちには『お客様や販売店様を思い浮かべて、感謝の気持ち込めて折ってください』とだけ伝えている」そうです。
この活動は、社内コミュニケーションの向上にも良い影響を生み出しました。日常業務で接点のない社員同士が折鶴を通してつながり、机を並べて鶴を折る姿、その出来栄えについて談笑する姿も見られるようになりました。荒田さん自身、折鶴を通して初めて会話を持った人たちがたくさんいるそうです。
「伝えたいのは感謝。一方で、先の見えないこの不安な日々の中で、車いすユーザーの皆さんもたいへん不自由な生活を強いられていることと思います。この折鶴が、そうした皆さんへのささやかな応援になってくれたとしたら、これほど嬉しいことはありません」
出荷される製品に同梱される折鶴とメッセージ
※JW= ジョイ・ホイールを意味する当社車いす製品のブランド
■広報担当者より
7月に出荷した製品の一部はすでにお客様のもとに届けられ、同梱された折鶴についての記述がSNSで発信されるなど、JWビジネス部発の「感謝」の気持ちは少しずつひろがりを見せています。折鶴とともに届けられるメッセージには、「私たちはいつもお客様のそばにいたい」のひと言。JW事業、そしてその事業に関わってきた人々が積み上げた25年分の思いを、広報担当者として、あらためて強く受け止めました。