アリババ、BMWと戦略パートナーシップを締結
- アリババグループ
- 2020年10月28日
- 17:47
アリババグループ(以下、アリババ)とBMWは2020年10月26日に中国・北京にて、戦略パートナーシップを締結しました。両社の基本方針は「相互の競争優位性の補完とWin-Win(ウィンウィン)の協力関係」です。お互いのリソースを活用し、ブランディング、マーケティング、チャネル、エンドツーエンドのオペレーション、サービス、情報技術などについて包括的な協力を行い、BMWの中国におけるビジネスプロセス全体におけるデジタル化戦略の実行を目指します。また、ディーラー(販売店)が顧客に対し、オンライン(デジタル)とオフライン(実店舗)を跨ぐエンドツーエンドのデジタル体験を提供できるよう支援していきます。
BMWグループ中国 プレジデント兼最高経営責任者(CEO)
ヨッヘン・ゴーラー(Jochen Goller)氏のコメント
「現在、当社が進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するためには、業界の枠を越えた協力とオープンなイノベーション交流が不可欠です。中国の最先端のテクノロジー企業を代表するアリババは、デジタル技術や大規模な顧客プラットフォームとチャネルに加え、ターゲットとする消費者向けのエンゲージメントに関する独自の優れた能力を有しています。アリババと協力して中国の消費者にオンラインからオフラインまでの総合的なデジタル化されたブランド体験を創造していくと同時に、当社のデジタル化された製品やサービスのポートフォリオを拡大していけることを嬉しく思います。」
アリババグループ 副総裁 アリババ・デジタルエコノミー・サービス事業 事務局長
ジェット・ジン(靖捷)のコメント
「BMWは世界で最も革新的なプレミアム自動車メーカーの1つとして、卓越した製品とサービスで業界をけん引しています。BMWは現在、自動車メーカーとして初めてアリババ・ビジネス・オペレーティング・システム(以下、ABOS)を活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の分野においても再び業界の先頭に立とうとしています。BMWがあらゆる事業部門においてデジタル・オペレーションを加速し、製品ライフサイクル全体を通じてお客様を中心に据えたエンドツーエンドのサービスを提供するとともに、より効率的に顧客を拡大し、顧客と繋がりつつ、サービスを提供することで質の高い成長を目指せるよう、当社のABOSを通じて支援してまいります。」
デジタル技術によりディーラーを支援し、ビジネス成長を加速
アリババとBMWは今回の提携によって、高級自動車ブランド・ディーラーにおいて初めてのオンライン販売とサービスを共同で立ち上げます。オンラインとオフラインをつなぎ、エンドツーエンドのシームレスな体験を創造します。将来的には、オンラインでユーザー・トラフィックをBMWディーラーに送り、一層のビジネス機会を創出します。さらに、BMWグループの自動車ブランドであるBMWとMINIは、アリババのメンバーシップシステムの支援により、ブランドのメンバーシップサービスとマーケティングキャンペーンをアリババのオンラインプラットフォーム上に立ち上げ、顧客ロイヤリティの向上、ビジネス成長の推進を図ります。
ワンストップの便利なサービスで、事業を横断した多様な顧客体験を創り出す
ABOSのサポートにより、BMWとそのディーラーは中国国内のディーラー・ネットワークのデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、より高品質で便利な、パーソナライズ(個別最適化)されたサービスと体験を中国の消費者に提供します。将来的には、消費者はBMWとMINIの自動車をオンラインで購入し、ブランドのコミュニティメンバーとしてワンクリックでサインインして限定特典を受けられるようになります。さらに、試乗、修理、メンテナンスなどのサービスもオンラインで予約可能になります。自動車購入の意思決定の段階では、オンライン金融サービスが顧客の多様な金融ニーズに合わせて、最適な金融パッケージと便利な金融プランを顧客に案内します。
今後、アリババグループとBMWはディーラーと連携して、BMWのエンドツーエンド・オペレーティング・システムを構築し、アリババ・エコシステムの複数のプラットフォーム(タオバオ、天猫(Tモール)、アリペイ(Alipay)、高徳地図(Amap)など)で「自動車の内覧・購入・メンテナンス」を統合したワンストップなサービス体験を顧客に提供できるようにします。これは、顧客を中心とした多様なシーンにおけるサービス体験の再構築を目的としています。
業界内のデジタル化をリードするWin-Win(ウィンウィン)の協力関係
現在、デジタル経済とデジタル貿易が好調であり、顧客の期待と消費行動は変化しています。BMWは、革新的な自動車メーカーとしてデジタルトランスフォーメーションを加速させています。2019年BMWグループは、デジタル戦略を実行してBMWの中国国内でのオムニチャンネル・マーケティング、販売管理、顧客ライフサイクル管理を推進するために、Lingyue Digital Information Technology Co., Ltd(以下Lingyue)を設立しました。Lingyueは、BMWの顧客を中心とした、オペレーション・トランスフォーメーションをサポートすることでより高品質な顧客体験を創出し、ディーラーとBMWの継続的成長の価値を生み出します。
デジタル時代において、ビジネス・オペレーションは転換の段階を迎えています。有効ななデジタル化は、企業全体における体系的なアップグレード・プロセスです。アリババは、クラウドコンピューティング、データテクノロジーと、多角的なビジネスを統合し運営してきた経験と能力を活かし、独自の「アリババ・ビジネス・オペレーション・システム(ABOS)」を生み出しました。ABOSは、11の主要なビジネス要素(ブランディング、プロダクト、販売、マーケティング、チャネル、製造、サービス、金融、物流・サプライチェーン、組織、情報技術)に重点を置くことで企業のエンドツーエンドのデジタル・オペレーションを支援します。
BMW中国は、ABOSを活用する最初の自動車メーカーとなります。BMWとアリババは、自動車業界のデジタル化とアップグレードにおける新たなベンチマークを設定します。将来的には、両社は連携してビジネスの成長機会を追及するディーラーを支援し、自動車業界および自動車生活のデジタル化を推進し、顧客とディーラーにさらなるメリットを提供します。
■アリババグループについて
アリババグループのミッションは、『あらゆるビジネスの可能性を広げる力になる(To make it easy to do business anywhere)』です。アリババグループは未来のビジネスインフラを構築し、102年(3世紀)以上続く良い企業を目指しています。
■BMWグループについて
BMWグループは、BMW、MINI、Rolls-Royce、BMW Motorradという世界有数の4ブランドを擁し、プレミアム・カーおよび二輪車の開発・生産・販売を中心に、金融サービス、モビリティ・サービスの提供なども幅広く展開するグローバル企業です。BMWの生産ネットワークは15カ国31カ所の生産拠点と組立工場で構築されており、世界140カ国以上を網羅するグローバルな販売ネットワークを構築しています。
BMWグループの2019年の全世界の総販売台数は、乗用車250万台、二輪車17万5,000台で、グループの2019年度の総売上は1,042億1,000万ユーロ、税引前利益は71億1,800万ユーロでした。2019年12月31日時点でのグループの従業員総数は126,016人となっています。
BMWグループは常に長期的な視点と責任ある事業活動こそが成功のための必須条件であると考え、バリューチェーン全体にわたって環境的、社会的なサステナビリティを確立し、製品に対する包括的な責任と省資源への明確なコミットメントを戦略の中核に据えています。