三井不動産株式会社(代表取締役社長:菰田正信、以下「三井不動産」)は、街で暮らす人々に新たな体験価値を提供することを目的として、ヒト・モノ・サービスの「移動」に着目したモビリティ領域への取り組みを開始いたします。
当社はグループ長期経営方針「VISION 2025」を策定しており、その中の重要施策として「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」を目指しております。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を機に、働き方や暮らし方が多様化し、ライフスタイルの変化が加速しました。また、生活におけるデジタルサービス活用の重要性も増しています。こうした背景の中で、今回のモビリティ領域(MaaS、移動商業店舗)への取り組みにより、以下のような価値創出に取り組んでまいります。
(1)アセット:ボーダレス化への対応
「仕事」や「暮らし」「買い物」などの選択肢の多様化によって、従来のオフィスや住宅、商業施設が提供する機能では十分に捉えられない様々なニーズが生じています。例えば「仕事」「暮らし」の重なる領域においては、自然豊かな環境の中で働くワーケーションのニーズが新たに生まれています。モビリティを活用することによって、多様なアセットを効率的に組み合わせて使い分けるための効率的な移動サポートや、不動産の枠組みを超えた可動型の柔軟なサービスの提供が可能になります。(図1参照)
(2)街づくり:街の魅力コンテンツの発見・アクセスの向上
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、日常生活やその延長線上にある自分のお気に入りの場所やスペースの重要性が再認識されています。例えば、カフェ・飲食店や、公園等のアウトドアフィールドも、様々な形で利用されるようになりました。モビリティサービスにより、これらのコンテンツへのアクセスが容易になり、コンテンツ自体がモビリティに搭載されて移動することも可能になります。また、駐車場をこれらのモビリティサービスの拠点として活用することも考えられます。
(3)体験価値:不動産をサービスとして利用(Real Estate as a Service)
不動産とモビリティサービスが結びつくことによって、「自らが移動する」「コンテンツが移動する」という2つの選択肢が生まれ、目的に応じて多様な不動産コンテンツを選んで利用する生活が実現します。新しいコンテンツとの出会いやこれまでにない機会を創出することで、日常生活において新しい体験価値が生み出され、街に豊かさと賑わいをもたらします。(図2参照)
■モビリティ構想の具体的な取り組み
MaaS※・移動商業店舗の2つのプロジェクトを中心に「モビリティ構想」に取り組んでいきます。
※MaaS:Mobility as a Service の略称
<MaaS>
住宅、オフィス、商業施設、ホテル等のユーザー向けに、地域の交通機関と連携したMaaSアプリを提供し、移動の自由度・フレキシビリティを向上します。第一弾として、2020月9月より、柏の葉・日本橋・豊洲地区のマンションを対象に、月額定額制(サブスクリプション)サービスの実証実験を開始しています。
<移動商業店舗>
飲食・物販・サービスなどの様々な店舗を車両に乗せて、人々の身近な生活エリアに展開することで、新たなショッピング体験を提供します。第一弾として、2020年9月~12月に首都圏・近郊5カ所において10業種11店舗の事業者とともにトライアルイベントを実施いたしました。今後は出店場所や店舗を拡大する予定です。
なお、本プロジェクトは、三井不動産グループの事業提案制度「MAG!C」により生まれた新規事業となります。
<移動ホテルほか>
都市近郊でのグランピングや非日常体験を求める声に応える移動可能なホテルなど、更に多様で魅力的なコンテンツの提供を検討しています。
■今後の展開
当社は、オフィス・住宅・商業・ホテルなど多様な事業を展開し、人が集まる「場」をつくり、人と人をつないで「賑わい」や新しい「コト」を生み出す、未来を見据えた「経年優化」の街づくりに取り組んでいます。これまでに培ってきた街づくりのノウハウを基盤に、モビリティによる新たなサービスを提供することにより、Real Estate as a Serviceの取り組みを積極的に推進し、街の魅力向上に取り組んでまいります。
■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における2つの目標に貢献しています。
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標11 住み続けられるまちづくりを