堀 久男 教授(理学部)の研究グループが、有機フッ素化合物「フッ素テロマー界面活性剤」の高効率な分解・無機化に成功しました。
【本件のポイント】
フッ素テロマー界面活性剤とはペルフルオロアルキル基にエチレン基が結合し た構造に、さまざまな官能基が結合して界面活性剤としての機能を持つ有機フッ素化合物。
フッ素テロマー界面活性剤は炭素・フッ素結合よりも弱い炭素・水素結合を持つ。このため環境 残留性が問題となっているペルフルオロオクタンスルホン酸やペルフルオロオクタン酸のような、末端官能基以外が全てペルフルオロアルキル基で構成される化合物よりも容易に分解しそうであるが、フッ化物イオンまで分解させることは難しかった。
今回対象としたのはPFOS/PFOA代替物質で FSC と呼ばれる高機能なフッ素テロマー界面活 性剤。過マンガン酸カリウムと酸素ガスを共存させた亜臨界水反応でフッ化物イオン、二酸化炭 素および硫酸イオンまで効果的に分解できることを発見した。
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【プロフィール】
理学部 化学科 教授 堀 久男
【略歴】
2010 年 4 月~現在 神奈川大学理学部 教授
2004 年 5 月~2010 年 3 月 独立行政法人(現国立研究開発法人)産業技術総合研究所 環境管理技 術研究部門 研究グループ長
2001 年 4 月~2004 年 4 月 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 主任研究員
1997~1998 年 マックスプランク石炭科学研究所(ドイツ)客員研究員(科学技術庁長期在外研究 員併任)
1994 年 10 月~2001 年 3 月 通商産業省 工業技術院 資源環境技術総合研究所主任研究員
1993 年 4 月~1994 年 9 月 通商産業省 工業技術院 資源環境技術総合研究所研究員
1990 年 4 月~1993 年 3 月(株)東芝 研究開発センター 研究員
1990 年 3 月 慶應義塾大学大学院理工学研究科応用化学専攻後期博士課程修了(工学博士)
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/