日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、公益財団法人岩谷直治記念財団より、第47回(令和2年度)岩谷直治記念賞を受賞しました。
岩谷直治記念賞は、エネルギーおよび環境に関する技術開発で、かつ顕著な産業上の貢献が認められる業績を表彰する賞です。今回は、第45回(平成30年度)の岩谷直治記念賞「高圧水素用高強度ステンレス鋼HRX19Ⓡの開発」に続く受賞となります。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「海の豊かさを守ろう」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。
1.受賞テーマ
高延性厚鋼板の開発と実用化による原油タンカーの衝突安全性向上と海洋油濁の防止
2.受賞者(所属と役職は申請時点にて記載)
日本製鉄 技術開発本部鉄鋼研究所厚板・形鋼・鋼管研究部 主幹研究員 市川 和利
日本製鉄 技術開発本部鉄鋼研究所厚板・形鋼・鋼管研究部 主幹研究員 大川 鉄平
日本製鉄 厚板事業部厚板技術部 主幹 小田 直樹
日本製鉄 九州製鉄所厚板部 課長 柳田 和寿
日本製鉄 九州製鉄所品質管理部 主査 今城 大貴
今治造船株式会社 執行役員 紙田 健二
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海難事故解析センター センター長 山田 安平
一般財団法人日本海事協会 官公庁船事業室 グループリーダー 船津 裕二
3.開発技術の概要
原油タンカーの衝突事故により生じる油漏洩は重大な環境破壊をもたらします。本研究者らは、船体構造変更ではなく、衝突による船舶の損傷を軽減する従来規則の1.5倍以上の伸びを有する厚鋼板「NSafeⓇ-Hull」を開発し、それを被衝突船の必要な部材に適正に使用することで、耐衝突性能を高めることに成功し、予定も含め累計31隻の実船に適用されています。
また、厚鋼板の開発においては、第一に延性阻害要因である硫化物、介在物の生成を極限まで低減させ、脱硫を効率よく行う独自技術を適用しています。第二に延性に有効な金属組織を極限追求し、熱加工処理を用いた圧延・冷却時の熱履歴の精密制御により、金属組織の微細化を実機操業の大量生産で具現化し、安定的な高い生産性を実現しています。
(参考)高延性厚鋼板NSafeⓇ-Hullに関する補足情報
https://www.nipponsteel.com/product/plate/list/02.html
その他の受賞案件
市村産業賞
https://www.nipponsteel.com/common/secure/news/20190311_100.pdf
ものづくり日本大賞
https://www.nipponsteel.com/news/20191227_100.html
大河内記念生産賞
https://www.nipponsteel.com/news/20200213_100.html
地方発明表彰
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R2/jusho_kyushu/detail/jpo.html
日本オープンイノベーション大賞
https://www.nipponsteel.com/news/20210218_100.html
(お問い合わせ先)総務部広報センター TEL:03-6867-2146、3419
以 上