※アレルギー体質者の接種後待機時間30分と書いたタグ(大原綜合病院提供)
※受付から接種後の待機場所までを記した会場レイアウト(大原綜合病院提供)
■地方独立行政法人 埼玉県立病院機構 埼玉県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)
「円滑に接種するために、休棟している病棟を接種会場にし、動線を一方通行にした。接種した職員同士が接する機会を減らした。アナフィラキシーショック等副反応が出た場合に、速やかに空いているベッドで経過観察できるようにした」
■医療法人社団恵生会 上白根病院(横浜市)
「問診に時間がかからないよう、事前に感染担当者が予診票に目を通した。アレルギーや基礎疾患があり医師と相談したい職員は、事前に相談できるようにした。30分待機の人(基礎疾患や投薬、アレルギー歴のある該当者)が誰か分かるよう、座る椅子で区別した。翌日にできるだけ休みが取れるよう、接種希望日を申告制にしてスケジュールを作成した」
※いずれの病院も、病院職員への接種に関する取り組み
■取り組みの一例
○会場、動線
・午後休診の診療科や院外の関連施設を活用した。
・接種後の待機場所にはリラックスできるビデオや音楽を流した。
・予約時間まで車で待機してもらい、混雑を防いだ。
・待機場所は、必ず医療者が近くにいる場所にした。
・接種の流れや接種後の注意点などがわかるように映像を作成し、院内各所のモニターに映し出し、受付待ち、問診待ち、接種待ちしている間に見てもらえるようにした。
・受付後は接種会場の座席に着座のまま、医師・看護師が巡回し予診~接種~待機まで行っている。接種者が移動・待機を繰り返すことをなくし、会場をコンパクトにした。
○受付、問診
・予約制のため、事前に予診票を配り書いてもらった。
・当日受付票を発行し、接種時間・待機時間を記入できるようにした。
・役割ごとに、受付を3つに分けた。
①予約確認受付…指定された日時に来院しているかの確認、必要な持ち物の確認
②接種受付…本人確認、予診票の記載確認
③接種後受付…接種済証の記載、発行
○副反応への対応
・職員向けの接種で、副反応が出る可能性を考慮し、金曜日により多くの接種枠を設けた。
・(ワクチン接種で通常業務が滞らないよう、)同日に同部署から何人も接種しないようにした。
・外来看護師は極力、金・土曜日に接種するようにし、翌日が休日となるようにした。
・休みがとりやすいように副反応でつらい時は、特別休暇扱いとした。
■病院関係者の声
・接種をしていない職員(医師・看護師)が高齢者への接種を行うケースが発生している。こういったことに国・都道府県・市町村・医師会は目を向けるべきだと思う。
・職員向けの接種で、2回目の接種後はなるべく2日間休めるようにしたが、あまりに副反応が出たため、看護職員が手薄になった。
・キャンセル時の代替接種者は確保していたが、そもそもリソースを最小限にしているため、忘れているだけなのかキャンセルなのか、確認自体に労力を要した。
・予約管理については自院で受け付けず、接種者には自治体のシステムをご利用いただいているが、予約情報が断片的(カナ氏名なし、性別なし、住所なし)で困っている。またシステムが不安定で、電話問合せが多く現場が疲弊している。