日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、先進的な素材開発を進め、素材性能を最大限に引き出すための部品構造やその構造を具現化する加工技術の開発を進め、自動車車体の軽量化や安全性能向上を実現し、カーボンニュートラルの時代に対応した次世代鋼製自動車コンセプト “NSafe®-AutoConcept 以下、NSAC)” を進化させています。
日本製鉄が開発したNSAC の先進材料である1180MPa 級熱延ハイテンが、いすゞ自動車株式会社(以下、いすゞ自動車)の大型トラック「GIGA」、および中型トラック「FORWARD」の後部突入防止装置*1)(下図)に日本で初めて採用されました。
*1):国土交通省が定める、突入事故(もぐりこみ事故)の防止および被害軽減のための「突入防止装置に関する協定規則」の改正に伴い、後部突入防止装置の取付位置及び強度に関する基準が改正された。適用範囲は、車両総重量3.5t を超える貨物自動車およびポール・トレーラーに備える後部突入防止装置(RUP(Rear Under-run Protection))並びに突入を防止する構造(RUPD(Rear Under-run Protective Device))。
(
https://www.mlit.go.jp/common/001135204.pdf 2.Ⅰ.(2)突入防止装置に関する改正(細目告示第24 条,第102 条,第180 条関係)参照)
図1.後部突入防止装置 図2.1180 級熱延ハイテン製後部突入防止装置
(画像提供:いすゞ自動車株式会社) (画像提供:プレス工業株式会社)
中大型トラックの突入防止装置向けについては、衝突安全性能の観点から厚肉な熱延鋼板が適しており、日本製鉄の590,780,980MPa 級熱延ハイテンが幅広く採用されてきました。今回の法改正により、後部突入防止装置の更なる強化が必要となり、日本製鉄は、いすゞ自動車、プレス工業株式会社と共同で取り組み、1180MPa 級熱延ハイテンの中大型トラックへの適用を実現しました。
今回適用された1180MPa 級熱延ハイテンは、緻密な成分設計と製造条件の確立により、良好な成形性を有しており、軽量化と安全性能向上の両立、およびライフサイクルでの温室効果ガス排出量の削減を実現しました。
日本製鉄は、今後もハイテン材の更なる高強度化および適用範囲の拡大により、自動車のより一層の軽量化、衝突安全性能向上、および温室効果ガス排出量の削減を通じたカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「気候変動に具体的な対策を」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。
(参考)関連情報につきましては、以下のURL をご参照下さい。
日本製鉄 次世代鋼製自動車に対応するソリューション技術を拡充(2021 年5 月13 日公表)
https://www.nipponsteel.com/news/20210513_100.html
次世代鋼製自動車コンセプト “NSafe®-AutoConcept” のラインアップ強化について
(2021 年5 月25 日公表)
https://www.nipponsteel.com/news/20210525_100.html
難成形部品への超ハイテン材適用を可能とする新プレス工法「せん断成形工法(NSafe®-FORM-SS)」
が自動車メーカーに採用(2021 年10 月13 日公表)
https://www.nipponsteel.com/news/20211013_100.html
自動車向けソリューション提案によるライフサイクルでの温室効果ガス排出量削減効果の定量化
について(2022 年1 月24 日公表)
https://www.nipponsteel.com/news/20220124_100.html
アルミめっきホットスタンプ鋼板を用いたテーラードウェルドブランク製品の販売開始~日本製鉄の
独自開発技術を国内初で事業化~(2022 年3 月28 日公表)
https://www.nipponsteel.com/news/20220328_100.html
以 上
(お問い合わせ先)総務部広報センター 電話03-6867-2146、2135、2977、3419