弘前大学(青森県弘前市)大学院理工学研究科の丹波澄雄准教授は、弘前ねぷたまつりに参加するねぷたのうち半数程度の位置情報をWEB上でリアルタイム発信するシステムを開発。まつり期間中8月1日(火)~6日(日)の間、実証実験を行う。このシステムにより、ねぷたの定時運行に寄与する情報を提供できること、および、観光客などが見物するための時間的なゆとりを得られることが期待される。
弘前の夏まつり「弘前ねぷたまつり(※1)」では例年、延べ100台に及ぶ「ねぷた」が運行されている。しかし、ねぷたの運航スケジュールは当日の運行直前にならないと確定されないため、観光客や見学者は目当てのねぷたをいつ見られるのか分からなかった。
各ねぷたの現在の位置情報が得られれば、ねぷたの運行状況を正確にリアルタイムで把握することが可能になり、ねぷたの定時運行や安全な観光に寄与できると考えられる。
そこで丹波澄雄准教授の研究室では、ねぷたの位置情報をリアルタイムに発信するシステムを開発。このシステムを公開することで、各ねぷたが自身の位置を正確に把握できるようになるので、予定時刻からのねぷたの遅れが把握でき、定時運行を維持することができるようになる。
また、観光客や見学者にとっては自分の贔屓のねぷたを確実に見物するための時間的なゆとりが得られ、より安全にねぷた見物を楽しめるようになることが期待される(図1)。
2019年度に初めて、弘前大学のねぷたに位置計測を行うGNSS(全球測位衛星システム)機器を搭載して、動作確認実験を行った。
2022年度は新型コロナ対策の一環として、弘前青年会議所と連携して試験運用。16台のねぷたにGNSS機器を搭載して実施した。
今年度は公募型補助金制度「弘前市市民参加型まちづくり1%システム(※2)」の支援を得て、合同会社ミーモテックと共同で搭載機器を30台に倍増させて実施。今回開発したシステムでは、LPWA(Low Power Wide Area)通信の一つであるLoRa(Long Range)通信を利用して、ねぷたに搭載したGNSS機器で計測されたねぷた自身の位置情報を公開サーバに集めている(図2)。
LoRa通信は免許が不要で、基地局を利用者が自由に設置できることから通信料金は発生せず、ローコストで運用できるシステム。今年度も昨年度に引き続き、通信品質を向上させるためのLoRa通信の中継機を弘前パークホテルに設置して運用する。
位置情報公開ページはWebページとして構築されており、インターネットに接続できる機器から容易にアクセスが可能。若手絵師2名のねぷた絵を採用したうちわにアクセス先のQRコードを掲載し、土手町コミュニティパークと弘前市立観光館で計800枚の配布を予定している(図3・4)。
●アクセス先 URLは以下の通り。
<弘前ねぷた位置情報発信ページ>
https://neputa.t-lab.st.hirosaki-u.ac.jp/
公開期間:2023(令和5)年8月1日(火)~6日(日)
(※1)弘前ねぷたまつり
https://www.hirosaki-kanko.or.jp/edit.html?id=cat02_summer_neputa
(※2)弘前市市民参加型まちづくり1%システム
https://www.city.hirosaki.aomori.jp/ichi-per/
▼本件に関する問い合わせ先
弘前大学大学院理工学研究科
丹波 澄雄 准教授
住所:青森県弘前市文京町3番地
TEL:0172-39-3725
メール:tanba@hirosaki-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/