中学生初の「宿泊研修」において、「英語のスキット(寸劇)」づくりを楽しみました。プログラム終了後、約2週間練習し、より完成度を高めたスキットを文化祭でも披露しました。
国際教育に力を入れている東京農業大学第三高等学校附属中学校(埼玉県東松山市)は、2023年8月25日(金)から27日(日)にかけて、2年生の「グローバルイングリッシュキャンプ」を、埼玉県県民活動総合センター(北足立郡伊奈町)にて実施しました。「英語力を磨く意識を高める」目標に加え、2年生にとって中学生活初の「宿泊行事」となるため、「集団生活を通じて、規律ある行動や仲間と助け合う力を育てる」ことも目的としています。
農大三中の生徒たちは1年次に校内で「イングリッシュワークショップ」という3日間のプログラムを経験しています。今回の2年次のプログラムは、「英語でのスキット(寸劇)」をメインとした、1年次からより発展した内容となっています。生徒たちは事前に約10名ずつの6グループに分かれてスキットのストーリーを考え、メンバーで協力して英語の台本を作成し、当日を迎えました。
1日目はオープニングセレモニーから始まり、グループに分かれ自己紹介を行ってから、「スピーキング」、「異文化理解」、「リスニング&発音」、「Fun Time」のレッスンに入りました。「スピーキング」のレッスンではテーマを「自己表現」とし、ペアやグループで自分自身のことを英語で話しました。また「異文化理解」のレッスンでは、講師が出身国の文化や習慣、食べ物についてプレゼンテーションし、それに対して生徒たちは興味を持った内容について講師に英語で質問をしました。「リスニング&発音」のレッスンでは、「エネルギー」や「パーセント」など日本語として日常的に使う言葉について本来の発音や音のつながり、聞き分けを学びました。「Fun Time」のレッスンでは、ゲームの要素が取り入れられたアクティビティを楽しみました。普段から外国人の先生による英語の授業を受けていることや、1年次の「イングリッシュワークショップ」の成果もあり、ほとんどの生徒が初日から講師と円滑にコミュニケーションをとることができました。
2日目、前日の内容に加え、スキットの発表準備を行いました。「Shy Shy Bye-Bye」を合言葉として、恥ずかしい気持ちを捨てることを目標に、声や全身、表情等を駆使して伝える力を向上させました。生徒たちは講師に積極的に声をかけ、用意してきた台本のセリフを、より自然な英語表現に直してもらったり、より聞き取りやすくなるよう、発音や声の大きさを指導してもらったりしました。スキットを場面ごとに区切って何度も練習し、生徒たちと講師が一体となって劇を作り上げました。
最終日は、全てのグループがスキットを披露する「合同発表会」を実施しました。演目は様々で、「桃太郎」や「浦島太郎」などの日本昔話をアレンジした作品や、「先生が3か月で10㎏痩せる方法」などといった個性豊かなスキットがそろいました。生徒たちは、緊張した面持ちや照れくさそうな仕草を見せながらも、3日間のプログラムの成果を発揮し、各々の役になりきって自信を持って発表することができました。クロージングセレモニーで講師から賞状が授与されると、生徒たちからは「講師の先生たちと話すのが楽しかった。スキットについて僕たちにも伝わりやすい簡単な英語でアドバイスをくれたので、良い劇にすることができた」「昨年よりも英語を話せるようになって、勉強が楽しい」といった声があがりました。
事後学習として、発表したスキットを更に練習し、9月9日(土)、10日(日)に行われた文化祭「第26回浪漫祭」にて、来校した保護者や他学年の先輩後輩、受験を検討している小学生たちに向け、堂々と発表しました。「グローバルイングリッシュキャンプ」終了後、わずか2週間という準備期間の中で、生徒たちは自主的に小道具を作成したり、パソコンなどを活用し効果音やテロップを入れたりするなど、観客を楽しませる工夫を凝らしました。台詞を完全に覚えたうえで、間合いや声の大きさ、ダンスの動きなどにこだわり、より完成度を高めました。
2年生の学年主任を務める小関康太教諭は、「1年生からの国際教育プログラムを通じて、英語の語彙力や表現力など入学当初から大きく成長した生徒たちの姿を見ることができてとても嬉しい。初の宿泊行事ということで少々不安もあったが、時間を守りお互い協力し合っている姿も印象的だった。文化祭についても、全ての準備を自主的に行い、本番で一番良い劇を披露してくれた。来年度の3年生のニュージーランド語学研修にも繋がることを期待したい」と笑顔で話してくれました。
取材・撮影:学校法人東京農業大学 初等中等教育部(TEL:03-5477-2391)