当シンポジウムのすべての登壇者とプログラムが決定いたしました。既に来日が決定している3名の登壇者のほか、英国・ビクトリア&アルバート美術館 イースト 館長、フランス文化省 文化遺産・建築総局次長 兼 美術館局長、国内からは独立行政法人国立美術館理事・国立西洋美術館長も登壇!
独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンター(略称:NCAR)(センター長:片岡真実)は、NCAR設立を記念するシンポジウム「ナショナル・アートミュージアムのいま」を、2023年11月26日(日)に国立新美術館(東京都港区六本木)にて開催します。
「ナショナル・アートミュージアム(国立美術館)」とは、各国の政府によって設立・運営される美術館施設で、その運営モデルや国の美術館政策における位置づけはきわめて多様です。今日、国や地域における文化的多様性や包摂性、美術館活動の持続可能性への関心が高まるなか、国立美術館の運営戦略にはどのような変革が求められているのか、それらは各美術館のプログラムにどのように反映され得るのかが注目されています。
本シンポジウムでは欧州、米国、アジアの国立美術館長らが集い、美術館政策や国立美術館のミッション、具体的なプログラムなどの事例を紹介しつつ、「ナショナル・アートミュージアム」の今日的役割や社会への貢献について考えます。
シンポジウムは2部で構成され、国立アートリサーチセンター長 片岡真実がモデレーターを務めます。
第1部「国として求められる美術館政策」では、複数のミュージアムを有するシンガポール、英国、フランスの事例を、美術館政策という視点も含めて検証します。第2部「ナショナル・アートミュージアムのこれから」では米国、英国、そして日本の国立美術館の事例から、その成立の経緯、国内美術館のなかでの位置づけなどを学び、さらにコロナ禍を経た新たな試みや未来に向けた持続可能なナショナル・アートミュージアムの在り方について考えます。
【シンポジウム概要】
■タイトル:「ナショナル・アートミュージアムのいま」
■開催日時:2023年11月26日(日)13:00~17:00 (12:30開場)
■主 催:独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンター
■会 場:国立新美術館 3階 講堂 (東京都港区六本木7丁目2-22)
アクセスは(
https://www.nact.jp/information/access/)を参照ください
■定 員:200名 ※定員に達した時点で受付終了
■参 加 費:無料 (要事前申込み)
■申し込み方法:下記サイトをご確認ください
https://ncar.artmuseums.go.jp/events/globalcommunications/symposiums/post2023-9.html
※日・英同時通訳、手話通訳、日本語文字支援(UDトーク)あり
※本シンポジウムは、同時配信はありません。後日アーカイブをNCARウェブサイトに掲載予定です。
【プログラム】
【登壇者プロフィール】
第1部
Eugene Tan/ユージン・タン(ナショナル・ギャラリー・シンガポール 館長)
2013年5月より現職、および2019年4月よりシンガポール美術館長を務める。両館において、コレクションのみならずミュージアム組織運営や学芸の重要な側面を率いている。シンガポール経済開発庁(EDB)にて特命プロジェクトのプログラム・ディレクターを務めたほか、国内外の機関・組織でディレクター職を歴任。第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2005年)のシンガポール館、第1回シンガポール・ビエンナーレ(2006年)、Reframing Modernism: Painting from Southeast Asia, Europe and Beyond(2016年)などの展覧会企画や執筆活動を幅広く行っている。
Gus Casely-Hayford/ガス・ケースリー=ヘイフォード (ビクトリア&アルバート美術館 イースト 館長)(英・ロンドン)
2020年3月にV&Aイーストの初代館長に任命された。キュレーター、文化史家であり、文化に関する執筆、講演、放送を幅広く手がけ、Sky、BBCラジオ・テレビ、その他のチャンネルで数多くの特集シリーズを発表している。
以前には米ワシントンD.C.のスミソニアン国立アフリカ美術館の館長を務め、2021年にロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)の実務教授に任命。2018年には芸術文化への貢献により大英帝国勲章を授与された。
※オンライン登壇
Christelle Creff/クリステル・フレフ (フランス文化省 文化遺産・建築総局次長 兼 美術館局長)
フランスの文化政策における専門家。2022年より現職。フランス国立古文書学校を卒業した古文書学アーキビストであり、歴史学と情報科学の修士号をもつ。フランス国立図書館や数々の専門図書館・公共図書館に主任司書として勤務。ブダペストにおいて、および近年ではルクセンブルクのフランス大使館にて文化交流に携わる。アルザス、ブルゴーニュ、そして最近ではグラン・テスト地域圏で2022年まで文化省地域圏文化局 (DRAC)を率いた。現在はフランス美術館局長として、エコロジーとデジタル転換期におけるミュージアム政策を担当。同局では29の国立ミュージアムを管轄しつつ、〈ミュゼ・ド・フランス〉と命名された1200のミュージアムのネットワークの活動を推進している。
第2部
Kaywin Feldman/ケイウィン・フェルドマン (ナショナル・ギャラリー・オブ・アート館長)(米・ワシントンD.C.)
2019年より現職。2008年から2019年までミネアポリス美術館長、1999年から2007年までメンフィス・ブルックス美術館長を務めた。現在、テラ・ファウンデーション・フォー・アメリカン・アート財団の理事会役員、歴史的建造物・地域保全ナショナル・トラストとホワイトハウス歴史協会の評議員も務めている。全米美術館長会議の元会長、全米ミュージアム同盟の元議長。21世紀におけるミュージアムについて幅広く講演や執筆活動を行っている。
Gabriele Finaldi / ガブリエレ・フィナルディ (ナショナル・ギャラリー館長)(英・ロンドン)
2015年8月より現職。前職は2002年に就任したプラド美術館(マドリード)のコレクション・リサーチ担当副館長。1992年から2002年まではナショナル・ギャラリー(ロンドン)の学芸員として後期イタリア絵画コレクション(カラヴァッジョからカナレットまで)、スペイン絵画コレクション(ベルメホからゴヤまで)を責任担当した。コートールド美術研究所で美術史を学び、イタリアで活躍した17世紀のスペイン人画家ジュゼペ・デ・リベーラの研究で1995年に博士号を取得。これまでイギリス、スペイン、イタリア、ベルギー、アメリカで展覧会を企画。ベラスケスやスルバラン、イタリア・バロック絵画、宗教図像に関する図録や学術論文を執筆している。
田中 正之/たなか まさゆき (独立行政法人国立美術館理事・国立西洋美術館長)
東京大学大学院、ニューヨーク大学美術研究所で学ぶ。専門は西洋近現代美術史。1996年に国立西洋美術館研究員、2007年に武蔵野美術大学造形学部准教授、2009年より同大教授を務め、2021年4月より国立西洋美術館長、2023年7月より独立行政法人国立美術館理事。国立西洋美術館で現在開催中の『キュビスム展―美の革命』を企画・監修した。
【開会挨拶/モデレーター プロフィール】