- タニア・リュッカート:「優れた資源効率で世界のエネルギー需要を満たせるよう、ボッシュはデジタル化、電化、水素に焦点を当てています」
- eモビリティ:電気自動車が充電ステーションまで自動走行するボッシュの新しいテクノロジーがCTAからCES®イノベーションアワードを受賞
- ヒートポンプ:新しいモデルは北米の寒冷地における -13°F(-25℃)までの温度に対応できるように設計
- マイク・マンスエッティ:「ボッシュのソリューションが北米のクリーンエネルギー経済の推進に役立つことを望んでいます」
- デジタル化:ボッシュの新しいサービスが、モビリティ、建物、産業の利便性と効率向上に貢献
ネバダ州ラスベガス(米国) – ボッシュはモビリティおよび家庭向けのいずれにおいても、持続可能なエネルギー利用に向けたテクノロジーとソリューションの電化を推進しています。なかでも、クライメートニュートラルな方法で世界のエネルギー需要を満たす鍵を握るのは水素だと考えています。ラスベガスで開催されるCES®国際家電ショー 2024において、ボッシュは生活をより簡単・安全・便利にするだけでなく、さらに持続可能に、かつ地球の役に立つテクノロジーとアプリケーションを紹介します。過去50年間で世界のエネルギー消費量は2倍になり、毎年約2%増加し続けています。さらに現在、化石燃料が世界のエネルギー消費量の約80%を占めており、これは気候変動という点で大きな課題となっています。
ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーのタニア・リュッカートはラスベガスで開催中のCES 2024で次のように述べました。「より資源効率の高い方法で将来における世界のエネルギー需要を満たすために、ボッシュはエネルギー使用を見直し、電化と水素という2方面からのアプローチを重視しています。ボッシュは低排出の未来を目指して、モビリティ、商業ビル、家庭での電化を推進することで、従来のエネルギー源の使用を最適化しています。同時に、新しい持続可能なエネルギー源を模索しており、その中心を担うのが水素です」
ボッシュの革新的なテクノロジーによる電化の効率向上
電化は、特にモビリティ分野で進んでいます。ボッシュは、チップ、eAxle、モーターから、バッテリー技術、充電ステーション、そして数多くのサービスに至るまで、eモビリティのバリューチェーン全体に関わるリーディングサプライヤーとなっています。CESでは、米民生技術協会(CTA)から「CES® 2024イノベーションアワード」を受賞したボッシュの革新的なテクノロジーである、自動バレー充電も発表されます。自動バレーパーキングシステムを装備した駐車場では、この新しいテクノロジーを採用した電気自動車が、充電スポットを備えた、空いている駐車スペースまで自動走行することが可能です。スマートフォンのボタンをタッチするだけで、人間の介入なしに、ロボットがバッテリーを充電します。充電が完了すると、車両はドライバーレスで別の待機用駐車スペースに移動し、次に充電する車両のためにスペースを空けます。「自動バレー充電と自動バレーパーキングという独自の組み合わせにより、ボッシュは市場のパイオニアとなっています。eモビリティの利便性向上に向けた一歩一歩が、その魅力だけでなく、受容性も高めていきます」とリュッカートは述べました。
ボッシュがeモビリティの鍵を握る要素となる革新的な半導体材料、SiC(シリコンカーバイド)に注目しているのは、このためでもあります。世界中のeモビリティの普及に伴い、この特殊な半導体への需要が激増しています。ボッシュは自社開発している非常に複雑な工程を用いて、2021年からドイツのロイトリンゲンにあるウエハ製造工場でSiC半導体チップを製造しています。そして現在、カリフォルニア州ローズビルにある別のウエハ製造工場に15億ドル以上を投資しています。これにより、ボッシュの国際的な半導体製造ネットワークが強化されます。ボッシュは、2026年までに米国で初のSiC半導体チップの生産を開始し、同社における生産量を今後数年間で10倍に増やすことを目指しています。電気自動車では、SiC半導体チップによって消費エネルギーを最大50%削減するため、航続距離が拡大し、充電効率も向上します。バッテリー充電1回あたりの走行距離も伸び、航続距離はシリコンベースのチップを使用するよりも平均で最大6%延伸します。
ヒートポンプによる家庭でのエネルギー消費を最適化
CES 2024でボッシュのもうひとつのハイライトとなるのは、北米向けに特別に開発されたIDS Ultraヒートポンプです。従来のモデルとは異なり、このヒートポンプは外気温5°F(-15℃)と低い場合でも稼働します。化石燃料ベースの暖房システムから、電化された暖房システムへの切り替えを検討している、寒冷地の人々にとっては非常に魅力的な選択肢です。こうした切り替えにより、エネルギーだけでなくコストも節約できます。さらにボッシュは、ヒートポンプ技術を別の分野に応用することにも成功しました。ラスベガスでは、従来モデルよりも4倍の効率を誇る、これまでで最も効率的な電気式温水ヒーターを発表します。「こうしたソリューションにより、私たちは住宅の電化への道を切り開き、コストとエネルギー節約に貢献しています」と、ボッシュ北米法人社長のマイク・マンスエッティは述べました。
オーブン、乾燥機、洗濯機などのボッシュの家電製品に備わるさまざまな新機能も、この移行に一役買っています。以前より、消費者がタイマー機能を使って電化製品のスタート時間をセットするのが一般的となっていますが、ボッシュは一歩進んで、最新世代の食洗機に初めて「MySchedule」機能を搭載します。これにより、電気料金が最も低い時間帯、もしくはグリーン電力が利用可能な時間帯に合わせて、自動的に洗浄サイクルのスタート時間をスケジュールすることができます。また、DIY愛好家やプロにとって朗報となるのは、CES 2024において、ボッシュが電動工具のバッテリーパックシステム「AMPShare」(アンプシェア)の新たなパートナーを発表したことです。AMPShareに参加するグローバルパートナーは30社を超えています。ボッシュのAMPShareは、様々な産業で働くプロフェッショナル達がバッテリーを交換せずに異なるブランドのプロ仕様のツールを作業に合わせて使い分けできるようにした、多ブランド対応バッテリーパックシステムです。
ボッシュは、未来のモビリティの柱として水素を積極的に推進
ボッシュは、電化に加え、優れた資源効率で世界のエネルギー需要を満たす鍵となるのは水素であると考えています。さらに水素は貯蔵媒体として、再生可能な資源から生成されたエネルギーの効率的な利用を促進することができます。ボッシュは、水素バリューチェーンに沿ったテクノロジーに対して幅広く投資しています。現在注力しているのはモビリティ用途の燃料電池で、最近シュトゥットガルトで量産を開始しました。これは、大型車両のパワートレインシステムの中核をなすもので、すでに欧州、米国、中国のトラックメーカーから受注しています。また、燃料を電気に変換するのではなく、直接エネルギーに変換する水素エンジン用のコンポーネントも手掛けています。今年中に実用化が見込まれる水素エンジンは、グリーン水素を動力源とした場合、実質的にカーボンニュートラルを達成することができます。
世界中の国々や産業が水素技術に投資しています。たとえば、米国政府は水素インフラの開発を後押しし、水素ハブの建設に70億ドルを投資しています。マンスエッティは、「水素ハブは水素インフラを構築するための重要な要素です。ボッシュはこのような施策を支援しており、複数の水素ハブへの参加を模索しています。目標は、北米でのクリーンエネルギー経済の推進に役立つことで、水素の製造と供給に関する専門知識の豊富なボッシュが貢献できる分野です」と述べました。
ソフトウェアによる利便性とエネルギー効率の向上
ボッシュは、全事業部でソフトウェアとデジタル化の活用に取り組んでいます。現在ボッシュは、ソフトウェア開発に携わる従業員を44,000人以上擁し、ソフトウェア・ディファインド・モビリティ実現に向けてリードしている企業だと自負しています。ラスベガスでは、ボッシュの戦略的パートナーであるアマゾン ウェブ サービスと共同で、新製品とソリューションを発表します。たとえば、車内からAlexaなどの音声アシスタンスを使用して操作もできる、ネットワーク化された、全自動エスプレッソマシンです。また、車内カメラを使って、ドライバーの目の動きから探しているレストランやカフェを認識するポイント オブ インタレスト アシスタントもあります。そして音声アシスタンスが、そのレストランが開いているのか、また空席があるのかをリアルタイムで完全に自動でドライバーに知らせます。
CES 2024では、2つの新しいモビリティ サービスとなる「ユーセージ・サーティフィケート・トゥ・ゴー (Usage Certificate To Go:使用証明書)」と車両診断サービスも発表します。ユーセージ・サーティフィケート・トゥ・ゴーは、すでに確立されているボッシュの「バッテリー・イン・ザ・クラウド」サービスに追加される機能です。「バッテリー・イン・ザ・クラウド」はバッテリーデータを分析してバッテリーの状態を判断し、最適化することでバッテリー寿命を最大20%延長するのに役立ちます。車両診断サービスは、フリートオペレーター向けに、車両故障を防ぐことを目的とした機能が備わります。どちらの革新技術も、車両の耐用年数を伸ばし、資源を節約することを目的としています。エネルギー・ビルディングテクノロジー事業セクターでも、ボッシュは同様のアプローチをとっています。ボッシュが提供している効率向上のためのデジタルサービスとしては、欧州市場向けの「Nexospace Energy Manager」などがあります。お客様は、エネルギーの供給と使用量を分析し、消費量の最適化および削減のための具体的な対策を講じることができます。たとえば、国際的なスーパーマーケットチェーンのREWEは、「Nexospace Energy Manager」を導入することで、2,000店以上で最大20%のエネルギー消費量を削減することができました。また製造業でも、ボッシュのサービスによる効率向上が、大幅なCO2 の削減に貢献しています。ボッシュがパートナーと共同開発した、AI支援ソフトウェアベースのサービス「Decarbonize Industries」は、製造企業のカーボンフットプリントの削減と大幅なコスト削減を支援します。
【CES 2024 プレスカンファレンスについて】
■日時:2024年1月8日(月)9:00~9:45 a.m.(太平洋標準時)
■場所:Ballroom Banyan ABCD、Mandalay Bay Hotel、
Las Vegas South Convention Center、Level 3
■配信:ボッシュ メディア サービスでライブ配信
(
https://www.bosch-presse.de/pressportal/de/en/boschces-2024-press-conference-260864.html)
【ボッシュブースのご案内】
■出展期間:2024年1月9日(火)~12日(金)
■出展場所:Central Hall、ブース#17207
【ボッシュのエキスパートを交えたパネルディスカッション】
■テーマ:「自分のスペースの向上:スマート家電で住まいを強化」
■日時:2024年1月11日(木)15:00 p.m.(太平洋標準時)
■場所:Venetian Hotel、Lando 4302、Goncalo Costa
■登壇者:Goncalo Costa(北米クライメートおよびウェルビーイング担当バイスプレジデント)
■テーマ:「最新のサイバー脅威でもあり、最大の防御でもあるAI」
■日時:2024年1月11日(木)14:00 p.m.(太平洋標準時)
■場所:Las Vegas Convention Center West / N258
■登壇者:Zico Kolter(ボッシュのAIチーフ サイエンティスト)
■テーマ:「ケアの未来:他の産業はどのように健康をつくるのか」
■日時:2024年1月11日(木)11:00 a.m.(太平洋標準時)
■場所:Las Vegas Convention Center / North Wing
■登壇者:Stefan Finkbeiner(ボッシュ センサーテックのゼネラルマネージャー)
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