国立アートリサーチセンター(略称:NCAR、センター長:片岡真実)は、「NCAR国際シンポジウム2023:美術館とリサーチ|アートを“深める”とは?」を2024年3月22日(金)に国立新美術館(東京都港区六本木)にて開催します。
本シンポジウムでは、NCARが活動のキーワードのひとつに掲げる「アートを深める」を、リサーチという視点から捉えます。世界のアートリサーチを支える多様な拠点から、第一線で活躍するディレクター・キュレーター陣を招へいし、それぞれのリサーチ機能や活動の紹介を通じて、アートを”深める”可能性について考えます。パネルディスカッションでは、各機関が抱える課題や財源・人材獲得の方法についても触れながら、持続的な運営に向けた展望について議論します。さらに、リサーチ資源をいかに公開し、どのように広く国際的に活用していくかについても掘り下げます。
なお、本シンポジウムとあわせ、国内外から招へいしたキュレーターやアーティスト、リサーチャーによるディスカッションを基調としたワークショップ(3月21日~23日、事前申込制・締切済)も開催予定です。
NCARは、美術専門家間の国際的なネットワークを構築し、日本のアートを世界と繋げる活動により一層力を入れて取り組みます。
シンポジウム概要
タイトル |
NCAR国際シンポジウム2023:美術館とリサーチ|アートを“深める”とは? |
開催日時 |
2024年3月22日(金)17:30~20:00(開場17:15) |
会場 |
国立新美術館 3 階 講堂 (東京都港区六本木7丁目 2-22) |
内容
(予定)
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▪開会挨拶
▪パネリストによる事例紹介(各15分)
▪パネルディスカッション
モデレーター 片岡 真実(国立アートリサーチセンター長)
▪質疑応答
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参加定員 |
事前申込制 定員150人 |
参加費 |
無料 |
申し込み方法 |
https://ncar.artmuseums.go.jp/events/globalcommunications/symposiums/post2024-614.html よりお申込みください。
※ご取材を希望の方は下記広報事務局までご連絡ください。 |
主催 |
国立アートリサーチセンター |
その他 |
日英同時通訳、日本手話通訳、日本語文字支援(UD トーク)有り。
同時配信無し(後日アーカイブを NCAR ウェブサイトに掲載予定)。 |
パネリストプロフィール
Özge Ersoy/オズゲ・エルソイ(アジア・アート・アーカイブ シニア・キュレーター)
香港のアジア・アート・アーカイブ(AAA)シニア・キュレーター。近年手がけたプロジェクトに共同キュレーターとして参加したドクメンタ15「Translations, Expansions」(2022年)などがある。主な寄稿文に『Curating Under Pressure: International Perspectives on Negotiating Conflict and Upholding Integrity(プレッシャーの中でのキュレーション:葛藤を乗り越えることと誠実さを保つことについての国際的見解)』(Routledge、2020年)がある。第56回ヴェネチア・ビエンナーレ(2015年)トルコ館「Sarkis: Respiro」アシスタント・キュレーター。
Kawaguchi Masako/川口雅子(国立アートリサーチセンター 情報資源グループリーダー)
財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館レジストラー、国立西洋美術館学芸課情報資料室長を経て2023年より現職。同館では松方コレクションの調査チームの一員として『松方コレクション 西洋美術全作品』全2巻(国立西洋美術館、2018–19年)の編集に携わる。第15回西洋美術振興財団賞・学術賞を受賞(2020年)。公益財団法人日本博物館協会にて改正博物館法関連事業(新登録制度推進のための実施体制支援及びプロモーション活動事業)アドバイザリーボード委員の他、内閣府「魅力ある新国立公文書館の展示・運営の在り方に関する検討会」構成員、日本学術会議第26期連携会員を務める。
Daehyung Lee/イ・デヒョン(Hゾーン創立者/ディレクター)
Hゾーン設立者。キュレーター。近年手がけた国際アートプロジェクト「CONNECT, BTS」では、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー、ベルリンのマルティン・グロピウス・バウ美術館、ブエノスアイレスのキルヒナー文化センターなどと協働。2013年から2019年にヒュンダイ・モーターズのアートディレクターとして、テート・モダン、韓国国立現代美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館等、世界の美術館や企業とのパートナーシップを実現し、数多くの国際展やリサーチ事業を展開。第57回ヴェネチア・ビエンナーレ(2017年)韓国館キュレーター。
Kara Olidge/カラ・オリッジ(ゲッティ・リサーチ・インスティテュート アソシエイト・ディレクター)
ゲッティ・リサーチ・インスティテュート(GRI)コレクション&ディスカバリー部門アソシエイト・ディレクター兼アフリカン・アート・ヒストリー・イニシアチブ代表。GRIでは米国最大の美術史ライブラリーをはじめ、数十万点の写真、作品の来歴、アートプリント、アーティストのノート等を含む膨大なアーカイブコレクションを21世紀の第2四半世紀へと継承する。
ニューヨーク公共図書館ションバーグ黒人文化研究センター副ディレクター、テュレーン大学アミスタッド・リサーチ・センターのエグゼクティブ・ディレクターを経て現職。
Mari Carmen Ramirez/マリ・カルメン・ラミレス(ヒューストン美術館 キュレーター)
ヒューストン美術館(MFAH)ラテンアメリカ美術部門担当キュレーター。アメリカ国際芸術センター(ICAA)設立時よりディレクターを務める。キュレーションを手掛けた「Inverted Utopias: Avant-Garde Art in Latin America」(2004年)はNYタイムズ紙にて21世紀最初の10年間で最も影響力のある展覧会の1つと評された。同館で収集したコレクションは「美術館が所蔵する最高峰のラテンアメリカ・アートコレクション」として2018年ARCOアワードを受賞。ラテンアメリカ・アート研究のための10,000点超の一次資料を集めたデジタルアーカイブも手掛ける。2005年、TIME誌にて「アメリカでもっとも影響力のあるヒスパニック25人」の1人に選出。
*姓のアルファベット順
モデレータープロフィール
撮影:伊藤彰紀
Kataoka Mami/片岡真実(国立アートリサーチセンター長)
ニッセイ基礎研究所にて文化芸術関連の研究員、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館勤務、現在同館館長(2020年~)、2023年に国立アートリサーチセンター長着任。2007~2009年はヘイワード・ギャラリー(ロンドン)にて、インターナショナル・キュレーターを兼務。第9回光州ビエンナーレ共同芸術監督(2012年)、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2018年)、国際芸術祭「あいち2022」芸術監督。CIMAM(国際美術館会議)では2014~2022年に理事(うち2020~2022年は会長)。2018~2022年度は「文化庁アートプラットフォーム事業」のステアリングコミッティー「日本現代アート委員会」座長。その他、文化審議会文化政策部会臨時委員、日本ユネスコ国内委員会委員など委員、審査員等多数。
国立アートリサーチセンターの事業について
国立アートリサーチセンター(NCAR)は「アートをつなげる、深める、拡げる」をキーワードに、国内外の美術館、研究機関をはじめ社会のさまざまな人々をつなぐ新たな拠点として、2023 年 3 月に設立されました。
これまでに、国立美術館のコレクションを活用した「コレクション・ダイアローグ」、「コレクション・プラス」や、「ソーシャルストーリー」の発行などに取り組んできたほか、9 月には、日本のアートに関するレファレンスツールの充足を目指し、日本のアーティストに関する総合事典「日本アーティスト事典(ベータ版)」を公開。公開後も情報をアップデートし、内容を充実させていきます。さらに 10 月には健康とウェルビーイングに関するフォーラムや作品の保存修復に関するワークショップ・講演会を開催、11月26日にはシンガポール・英国・フランス・米国から国立美術館長等の登壇者を招聘し、「ナショナル・アートミュージアム」の今日的役割や社会への貢献について考える設立記念シンポジウムを開催し、多くの方にご参加いただきました。
今後もさらなる新たな取り組みを展開していきます。