令和6年3月15日(金)に開かれた国の文化審議会において、大阪経済大学(学長:山本俊一郎/所在:大阪市東淀川区大隅2-2-8)日本経済史研究所(所長:高木久史)が保管する歴史資料『飛脚問屋井野口屋記録』を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申されました。
『飛脚問屋井野口屋記録』(以下「本記録」)は、尾張藩から御用飛脚の認可を受けた井野口屋内部で作成されたものとみられ、袋綴装四ツ目綴の冊子装33冊からなります。記事の時期は享保8年(1723)から天保14年(1843)にわたり、井野口屋山田家の由緒、尾張藩の御用飛脚を務めるに至った経緯、その後の尾張藩との交渉や営業、家政等の記事が収録されています。
本記録は、戦前、当研究所の代表理事だった本庄栄治郎らによる史資料収集事業により当研究所に収蔵されたものとみられます。なお2003年の当研究所開所70周年を記念した事業により翻刻・出版されています。
■指定について
・部門 歴史資料
・指定名称 飛脚問屋井野口屋記録(ひきゃくどんやいのくちやきろく)
・所有者 学校法人大阪経済大学(保管:大阪経済大学日本経済史研究所)
■文化審議会の評価
飛脚問屋の家に伝来した資料が限られる中で、本記録は名古屋や京・大坂で活躍した町飛脚について、成立期から衰退期までの経営を俯瞰することができる貴重な史料で、社会経済史上に学術的な価値が高い。
■『飛脚問屋井野口屋記録』について
飛脚問屋井野口屋は、享保 8 年(1723)に尾張藩から御用飛脚の認可を受けた後、明治 2 年(1869)まで、藩主や家臣の書状・金銭・荷物等の輸送を無償で請け負う代わりに、同藩領内の町村と主に京・大坂との間の通信運輸業務の独占を認められました。
本記録は、井野口屋内部で作成されたものとみられ、袋綴装四ツ目綴の冊子装33冊からなります。記事の時期は享保8年(1723)から天保14年(1843)にわたります。井野口屋山田家の由緒、尾張藩の御用飛脚を務めるに至った経緯、その後の尾張藩との交渉や営業、家政等の記事が収録されています。
■翻刻された書籍
渡邊忠司・徳永光俊編『飛脚問屋井野口屋記録』第1巻
(大阪経済大学日本経済史研究所史料叢書第4冊)、思文閣出版、2001年
渡邊忠司・徳永光俊編『飛脚問屋井野口屋記録』第2巻
(大阪経済大学日本経済史研究所史料叢書第5冊)、思文閣出版、2002年
渡邊忠司・徳永光俊編『飛脚問屋井野口屋記録』第3巻
(大阪経済大学日本経済史研究所史料叢書第6冊)、思文閣出版、2003年
渡邊忠司・徳永光俊編『飛脚問屋井野口屋記録』第4巻
(大阪経済大学日本経済史研究所史料叢書第7冊)、思文閣出版、2004年
■大阪経済大学 日本経済史研究所について
日本経済史研究所は、世界の中の日本、アジアの中の日本という広い視野を大切にし、経済史研究にとって有意義な史資料の収集、多様な学術情報の公開、講演会の実施などを通して、経済史研究の発展への貢献、経済史研究と社会との関係の深化を目指しています。
日本経済史研究所の紹介
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▼歴史資料に関するお問い合わせ先
大阪経済大学 日本経済史研究所
所長 高木 久史
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