シーメンス スマートインフラストラクチャー(本社:スイス ツーク)とBASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、バイオマスバランスのプラスチックで作られる部品を使用した、初の電気安全製品を発表しました。シーメンスのSIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、産業用途やインフラ用途で使用されるもので、現在、バリューチェーンの最初の段階で化石原料を農業廃棄物などの再生可能資源由来のバイオメタンに置き換えたBASFのUltramid® BMBcertTMとUltradur® BMBcertTMを使用して製造されています。これらの材料は、従来のプラスチックと同等の品質と性能を備えています。SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーの生産における材料を切り替えることで、年間最大270トンの CO2e(二酸化炭素換算値)排出量が削減されます[※1]。これらの製品を使用するお客様は、より持続可能な未来に向けたサーキュラー・エコノミーに貢献することができます。
サーキットブレーカー「SIRIUS 3RV2」。電気安全製品では初めて再生可能資源由来のバイオメタンであるBASFのUltramid® BMBcertTMとUltradur® BMBcertTMを使用して製造。従来のプラスチックと同等の品質と性能を持つ。
この切り替えは、シーメンスのサステナビリティ目標である脱炭素化と資源効率の分野に貢献します。シーメンスはDEGREEフレームワークで概説している通り、2030年までにスコープ1とスコープ2で90%削減を達成するという目標を含む、科学的根拠に基づく1.5°Cの脱炭素化目標や、2030年までに関連製品群の100%にロバスト・エコデザインを適用するという目標を掲げています。
シーメンスは今後数カ月の間に、SIRIUSの産業用制御機器ポートフォリオ全体で持続可能な材料の使用を拡大する予定です。製品の設計や機能、製造・供給プロセスに加え、材料の選択もCO2排出量のさらなる削減や天然資源の保全に大きな役割を果たします。SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、最近導入されたSiemens EcoTechラベルの厳しい基準を満たしています。このラベルは、選択された環境基準における製品性能を総合的に判断できるよう設計されたものです。今回のサーキットブレーカーは製品の筐体と機能部品の大半にバイオマスバランスのプラスチックを使用していることに加え、旧製品と比較して耐用年数期間中の消費電力が低く抑えられます。
シーメンス スマートインフラストラクチャーの電気製品部門CEOであるアンドレアス・マテ氏は、次のように述べています。
「私たちは、ライフサイクル全体を通じてエネルギー使用、生産、サプライチェーンを最適化する資源効率の高い循環型製品により、お客様の設備性能、供給能力、信頼性の向上を支援しています。BASFは、持続可能なプラスチック分野におけるイノベーションで私たちをサポートしてくれる強力なパートナーです。」
BASFは、製品の製造において再生可能原料やリサイクル原料の使用を増やすことで、サーキュラー・エコノミーと脱化石資源への貢献に注力しています。これは、化石原料を徐々にバイオベース原料やリサイクル原料に置き換えるプロセスを通じて実現されます。再生可能原料やリサイクル原料はマスバランス・アプローチに基づいており、BASFの複合的なバリューチェーンの生産の初期段階で導入されます。お客様がこのようなバリューチェーンの認証済み製品を購入した場合、BASFは持続可能な原料をBASFの現行の生産フェアブント(統合生産)に投入します。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるマーティン・ユングは、次のように述べています。
「マスバランス・アプローチは、時に複雑な生産プロセスにおいて、化石原料を徐々に置き換えていくことを可能にする画期的なソリューションです。このアプローチの利点は明らかで、代替製品に対する需要が大きくなればなるほど、生産ネットワークにおける代替原料の割合も高くなります。これは、サーキュラー・エコノミーとネットゼロ運用をできるだけ早く達成するという私たちの目標に合致しています。また、今回のプロジェクトの特別な点は、SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーがBASFの生産工場でも使用されていることです。このサーキットブレーカーはモーターを保護するだけでなく、効率と信頼性を高め、当社のサステナビリティ目標に二重の貢献をしています。」
マスバランス・アプローチにより、バイオメタン、バイオナフサ、熱分解油などのさまざまな代替原料をバリューチェーンに統合することができます。BASFが使用するバイオナフサとバイオメタンは、ISCC PLUSやREDcertなどの確立されたシステムにより、持続可能なものとして認証されています。SIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、資源効率の高いプラスチック生産の証であり、BASFのプラスチック・ジャーニーにおけるマイルストーンです。
「このような革新的な材料を、安全機能と性能を損なうことなく、重要な安全部品に採用できたことは、シーメンスならではの成果です。」とアンドレアス・マテ氏は付け加えています。
世界中の工場やビルで使用されているサーキットブレーカーは、機械や電気ケーブルを短絡などの障害から保護し、火災などの大きな被害を防ぐ役割を果たしています。また、火災などによる大きな被害を防ぐのにも役立っています。持続可能なプラスチック部品を使用したSIRIUS 3RV2サーキットブレーカーは、2024年6月10日から14日までフランクフルトで開催されたACHEMA見本市のホール11、シーメンスブースE3で初公開されました。また、Siemens EcoTechの詳細も同時に提供されました。
[※1] 材料の製品カーボンフットプリントはTfS方式に基づき、BASFのバイオマスバランス製品のCO2削減量を従来のBASF製品と比較しています。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、プラスチックに求められる持続可能性への変革の最前線にいます。BASFの製品は、トランスポーテーション、消費財、インダストリアルアプリケーション、建築・建設という4つの主要産業分野にイノベーションをもたらすため、世界中のお客様と共同で開発をすすめています。私たちの研究開発は、プラスチックに関するすべての工程(プラスチックジャーニー)であるMAKE(製造)、USE(使用)、RECYCLE(リサイクル)に焦点を当てています。製造段階では、製品の設計から原材料の選択、製造工程に至るまで、プラスチックの製造方法を改善します。使用段階では、軽量性、堅牢性、耐熱性といったプラスチックの強みを強化します。製品のライフサイクルの終段には、循環型経済を実現するためにどのようにプラスチックジャーニーを終了させるかを検討する「リサイクル」段階があります。2023年、パフォーマンスマテリアルズ部門の世界売上高は72億ユーロを達成しました。詳しい情報は、
は、現在および未来のインテリジェントで適応性の高いインフラストラクチャーの市場を形作っており、エネルギーシステム、ビル、産業をつなぐことで、都市化と気候変動という差し迫った課題に対応しています。SIは、発電から電力消費に至るまで、製品、システム、ソリューション、サービスをワンストップで提供する包括的なエンドツーエンドのポートフォリオをお客様に提供しています。また、デジタル化が進むエコシステムにより、地球保護に貢献しながら、お客様の繁栄と地域社会の発展を支援しています。シーメンス スマートインフラストラクチャーのグローバル本社はスイスのツークにあります。2023年9月30日現在、全世界の従業員数は約75,000人です。
は、産業、インフラ、交通、医療に特化した大手テクノロジー企業です。より資源効率の高い工場から、レジリエントなサプライチェーン、よりスマートなビルや送電網、よりクリーンで快適な交通機関、先進医療に至るまで、シーメンスはお客様に真の価値をもたらすことを目的としたテクノロジーを創造しています。シーメンスは、現実の世界とデジタルの世界を融合させることで、お客様の産業や市場を変革し、何十億もの人々の日常を変える支援をしています。また、医療の未来を形作る世界有数の医療テクノロジープロバイダーであり、上場企業であるシーメンスヘルスケアの株式の過半数を所有しています。
2023年9月30日に終了した2023年度のシーメンスグループの売上高は778億ユーロ、純利益は85億ユーロでした。2023年9月30日現在の従業員数は全世界で約32万人です。詳しい情報は、