Autodesk、Forma Building Design を含む最新アップデートを発表

オートデスク株式会社

〜Forma と Revit のクラウド連携を強化し、ワークフローを統合〜

 米国 Autodesk 社(本社:米国カリフォルニア州/プレジデント 兼 CEO:アンドリュー・アナグノスト、以下、Autodesk)は本日、建築・エンジニアリング・建設・運用(AECO)業界におけるワークフローの連携強化を目的とした新たなアップデートを発表しました。本発表では、基本計画フェーズ向けの新ソリューション「Forma Building Design」の提供開始に加え、AECO 業界向けクラウドである Autodesk Forma(R)(以下、Forma)と Revit(R) を中心としたクラウド接続の強化が含まれます。


背景:分断されたデータと非効率なワークフロー
設計チームは多くのツールを保有している一方で、計画・設計・施工にまたがるプロセス間の連携不足が課題となっています。プロジェクトデータは依然として分断されがちであり、次の工程へ引き継がれる際に意思決定の背景が失われるケースも少なくありません。その結果、チームは本来の設計業務ではなく、情報の再整理に時間を費やしています。

今回のアップデートは、新たなツールを追加するのではなく、こうした摩擦を取り除くことに重点を置いています。Forma への施工機能の統合という直近のマイルストーンに続き、昨年開催された Autodesk University 2025 で示したビジョンをさらに推進する形で、プロジェクトライフサイクル全体にわたるワークフローの接続性を強化します。これにより、データがより円滑に流れ、ワークフローの整合性が保たれ、プロジェクト初期から明確な成果創出が可能となる、AECO 業界における統合型クラウド基盤の実現を目指します。

必要なのは、各段階で生まれる設計意図や知見を維持し、次の工程へと引き継ぐワークフローとプラットフォームです。この「デザインと創造のインテリジェンス(design and make  intelligence)」という考え方は、計画、設計、施工、運用で得られたデータや意思決定、知見が、引き渡しで途切れることなくプロジェクトとともに継続されることを意味します。これにより、AI や自動化は文脈に基づいた価値を提供し、チームは過去の成果を基盤として次の意思決定を行うことが可能になります。

Forma Building Design を提供開始
Forma Building Design は、基本計画フェーズに特化した新しい設計・解析ソリューションです。初期設計における検討の自由度を高めることを目的として開発され、今後さらなる機能拡張が予定されています。

初期設計は最も重要な意思決定が行われる段階である一方、多くの建築家が設計の後半段階向けに開発されたツールを使用しているため、迅速かつ柔軟な検討が難しい状況にあります。Forma Building Design はこうした制約の解消を目指します。

本ソリューションにより、ユーザーは数分で地理情報に基づいた敷地を設定し、ファサード、フロアプラン、ユニット構成などを自動化ツールで迅速に作成・編集できます。また、日照、日射時間、カーボンといった環境性能の解析も可能です。

さらに、設計案が確定すると、プロジェクトは敷地情報や建物要素をすべて含んだ位置情報付きのネイティブモデルとして Revit に取り込まれます。これにより手戻りを削減し、設計意図を確実に反映できます。

本ワークフローは以下の役割分担を前提としています:
  • Forma Building Design:初期検討と意思決定
  • Revit:詳細設計およびドキュメント作成

これにより、初期設計と詳細設計の間に存在するギャップを縮小し、意思決定を継続的に活用できる環境を提供します。

Arcadis 社の Major AEC Platforms 担当ソリューションコンサルタントであるサンドラ・ペトクテ・ロバーツ氏は、次のように述べています。

「Arcadis は、Forma Building Design の開発において Autodesk と緊密に連携しており、本ソリューションは初期設計と詳細設計のワークフローをつなぐ大きな可能性を示しています。Forma Building Design により、複雑なツールに関する高度な専門知識や多くの手作業を必要とすることなく、ファサードやレイアウトの検討をより幅広く行うことが可能になりました。さらに、異なるチームや地域においてもスケーラブルに活用できる可能性を備えており、基本計画プロセスにおける初期検討を、当社の設計者にとってより身近で実行しやすいものにしています」

[動画:What is Forma Building Design( https://youtu.be/ZjeD46WTicM )]
Forma Building Design は、迅速な設計検討、統合された解析、そして設計作業を継続するために Revit へのシームレスな連携を実現します。

カーボン解析機能の強化
「Forma Carbon Insights」は、Forma Building Design および Revit の両環境で利用可能となり、初期段階のワークフローにおけるカーボンの影響の理解を深めるとともに、その知見を詳細設計へと引き継ぐことを可能にします。これにより、規模を問わずあらゆるチームがサステナビリティへの取り組みに参加しやすくなり、建物全体のカーボンフットプリント削減に向けた、より適切な意思決定を支援します。

Forma と Revit の連携強化
また、Revit が初の「Forma Connected Client」としてテクノロジープレビューで提供開始されました。 これは、Autodesk のデスクトップ製品と Forma との統合がさらに深化していることを示すものです。これによりユーザーは、使い慣れたツールを継続して利用しながら、より連携の取れたクラウドベースのワークフローを活用できるようになります。Forma Connected Clients を通じて、現在の業務プロセスを支援しつつ、将来的なワークフローへの移行も見据えた環境を提供します。

これにより:
  • Forma Site Design および Forma Building Design から Revit へ、ファイル交換を行うことなくデータ移行が可能
  • Forma Data Marketplace のコンテキストデータを数クリックでプロジェクトに追加可能
  • Revit 内で環境解析を実行可能
といった機能が実現されます。

これらは、Autodesk が推進する Forma Connected Clients 構想の重要な一歩であり、今後はさらなるデスクトップソリューションへの展開も予定されています。

Revit が初の Forma Connected Client となり、Forma から Revit へのデータ移行をファイル交換なしで実現。手戻りの削減と整合性の向上に貢献します。

また、すべての Revit ユーザーは以下にアクセス可能となります:
  • Forma Site Design
  • Forma Building Design
  • Forma Board
  • Forma Data Management Essentials

これにより、AI を活用した計画、初期設計、コラボレーション、データ管理が統合された環境が提供されます。

さらに、クラウドに接続されたワークフローを、デスクトップ中心のユーザーにも拡張し続けています。Forma Data Management Essentials が AutoCAD(R) Plus、Revit(R)、Civil 3D(R) のスタンドアロン サブスクリプション加入者にも提供開始され、共有された最新のプロジェクトデータにアクセスするためのシンプルかつ追加費用なしの導入手段を提供し、プロジェクト初期段階からの連携強化を支援します。

また、Forma Board は Forma Data Management および Forma Data Management Essentials に含まれるようになり、プロジェクトのあらゆる段階において視覚的なコラボレーションを通じてチーム間の連携を強化します。フィードバックやアイデア、プロジェクトのコンテキストを一元管理することで、初期設計からプロジェクト完了まで一貫性を保ちながら連携することが可能になります。

近日提供予定の Forma Board の AI レンダリング機能により、スケッチや画像から設計意図を可視化し、空間の雰囲気や素材感、ムードをより容易に検討できるようになります。

これらのアップデートは、情報がよりシームレスに流れ、各フェーズにおける意思決定が次の工程へと引き継がれる、より接続性の高いワークフローへの移行を示しています。

AI を活用したワークフローの支援
AI は AECO 業界における業務の進め方を急速に変革しており、Autodesk は日常的に利用するツールの中で AI を活用した知見をより活用できるように支援しています。
Revit では Autodesk Assistant が利用可能となり、AI によるコンテキストに応じたガイダンスを直接提供します。本機能は、ユーザーのモデルやワークフロー、業界特有のコンテキストに基づいて動作し、単なる質問応答にとどまらず、タスクの実行や製品間にまたがる操作の連携(オーケストレーション)を支援します。
これは、AECO ポートフォリオ全体における Autodesk Assistant の展開の一環です。現在テクノロジープレビューとして、AutoCAD、Civil 3D、InfoWater Pro でも提供されており、チームが日常的に使用するツール内でインテリジェントかつ状況に応じた支援を提供します。これにより、問題の早期発見や設計の一貫性・品質の維持を支援します。

コア製品のさらなる強化
今回の Forma および Revit のアップデートに加え、AECO ポートフォリオ全体において、接続されたワークフローをさらに強化し、プロジェクトの複雑化が進む中でもチーム間の連携を維持するための機能強化を行いました。

AutoCAD
  • Forma Data Management 上の共有された DWG ファイルにおける新たなコラボレーション手法として「チェックアウト」機能を提供し、図面全体をロックすることなく必要なジオメトリのみを確保して分離された編集環境での並行作業を可能にするとともに、変更内容を安全に元ファイルへ結合することで、競合の抑制と管理性の維持を実現します。

Civil 3D
  • パフォーマンスの最適化やインテリジェントな自動化、Autodesk AI によるインサイトの活用によりインフラ設計の高速化を実現するとともに、機械学習(ML)による事前学習済みの検出手法を活用した「水平回帰解析」により、整合性の高い線形データ生成を可能にします。

水インフラ製品
  • Esri との統合を強化し、Info360 Asset および Info360 Insight において GIS を単一の信頼できるデータ基盤として活用することで計画から運用に至るまでのデータ整合性を向上させるとともに、InfoWorks ICM の Network Design 機能により流域全体の設計と解析を同一環境で実施し、雨水および下水ネットワークの計画と検証を単一のワークフローで実現します。

[動画:Network Design( https://youtu.be/xjKFFM8444s )]
InfoWorks ICM の Network Design により、雨水および下水ネットワークの計画と検証を単一のワークフローで実現します。

今後の展望
今回のアップデートは、プロジェクトライフサイクル全体における「つながるワークフロー」への移行を象徴するものです。Forma と Revit の連携およびクラウドベースのデータ環境により、ファイルベースの受け渡しから脱却し、計画から詳細設計に至るまで一貫性のある設計プロセスを実現します。これにより、複雑な建築・インフラプロジェクトにおいても、より早い段階から検討を開始し、意思決定の変化に応じてチームの連携を維持しながら、より明確で確信を持った設計が可能になります。
「デザインと創造のインテリジェンス(design and make intelligence)」という考え方は、知識を引き渡しの際に途切れさせるのではなく、プロジェクトとともに継続する資産として捉えるものです。これを実現するには、設計、施工、運用にわたる製品の連携と、数十年にわたる実プロジェクトに基づくデータ資産を活用したプラットフォームが不可欠です。こうした環境においては、AI や自動化が文脈に基づいたインサイトを提供し、実際の成果に基づくガイダンスやチームを支援する自動化、建物性能の可視化・最適化を可能にします。これにより、BIM における「I(情報)」は、単なる静的なデータではなく、継続的に価値を生み出す動的な資産へと進化します。
さらに、Forma においては新たな AI 機能の開発を継続しており、「Forma Site Design」向けの「Building Layout Explorer」など、フロアプランの生成および評価を迅速に行うための機能の提供を予定しています。
Autodesk は、今後もこれらの取り組みを通じて、お客様のより高い成果創出を支援するとともに、業界全体のさらなる接続性向上とデータ駆動型への変革を推進してまいります。

※ 「Forma Building Design」は現在、Revit および AEC Collection のサブスクリプションユーザに提供されています。
本記事は、米国 Autodesk 社が 2026 年 4 月 7 日(現地時間)に発表したニュースブログ記事を抄訳・再構成したものです。

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