大学院生が運用する対話AI「バーチャルTA」を講義に導入 持続的に進化するAIサービスへ

近畿大学

近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)は、令和元年(2019年)9月18日から開講される情報学科の専門科目「情報メディアプロジェクトII」の講義に、対話AI「バーチャル・ティーチング・アシスタント(バーチャルTA)」を導入し、その運用をTAである大学院生が主体となって行います。 1. 本件のポイント ● 過去の講義で得られた対話データを用いて、より講義に適したシステムに進化 ● システム開発元の企業主体の運用から、大学院生主体の運用に移行する ● 教員は、過去の対話データから学生の理解度・ニーズなどを把握し、講義内容を改善する 2. 本件の内容  理工学部情報学科では令和元年(2019年)9月18日より、約100人の学生が受講する専門科目「情報メディアプロジェクトII」の講義において、従来は教員やティーチング・アシスタント(TA)が対応していた学生からの質問に、IBM Watson(R)を活用して株式会社JIECが開発したAI問い合わせ対応サービス「manaBrain」を採用したバーチャルTAを導入します。  同システムは平成30年(2018年)の講義で試験導入され、教員とTAの業務改善に有効であることが明らかになりました。令和元年は、バーチャルTAを継続的に運用していくための方法を確立することを目的として、改めて授業への導入を行います。具体的には、これまでの運用で得られた対話データを用いてバーチャルTAを改善するためのノウハウを体系化し、これまでの開発元企業(JIEC)主体での運用から、TAである近畿大学総合理工学研究科の大学院生を主体とする運用へと変更します。また、教員はバーチャルTAを通してフィードバックされた学生のニーズを把握し、講義の改善を試みます。  これらのプロセスにより、システム開発元の手助けなしにバーチャルTAの運用ができ、講義の効率化と質の向上を継続的に行えるようになります。 3. 開催概要 日   時:令和元年(2019年)9月18日(水)13:15~16:30(3限・4限)       以降、毎週水曜日に開講予定 場   所:近畿大学東大阪キャンパス38号館 2階 第5・第6情報処理実習室       (大阪府東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分) 対   象:情報メディアプロジェクトII       (理工学部情報学科情報メディアコース3年次開講) 担 当 教 員:近畿大学理工学部 講師 大谷雅之、教授 山本博史、准教授 阿部孝司 4. バーチャルTAについて  平成29年(2017年)9月から行われた理工学部情報学科の後期授業「情報メディアプロジェクトII」で、株式会社JIECから講師派遣を受け、IBM Watson(R)を教材としてその機能や仕組みを網羅的に学ぶ講義と実習を行いました。  学生が最新のAI技術を体験し、AIを活用した情報メディアのあり方について考える授業の中で、学生からの質問対応に多くの時間が費やされ、特に実習では、学生一人ひとりが疑問点をその場で解決することが重要である一方、同様の質問が同時に多く上がる傾向があり、教員とTAが全員で対応してもその全てに即時に回答することが困難になることがしばしば見受けられました。  このことから、学生からの質問に即座に同時に対応するため、平成30年(2018年)9月から、自動問い合わせ対応システム「バーチャルTA」を導入しました。バーチャルTAは株式会社JIECがIBM Watson(R)の自然言語処理技術を用いて構築した質問応答システム「manaBrain」を、大学の講義データを用いてカスタマイズしたものです。  講義過程を通して、バーチャルTAは学生からの質問に自動で対応するとともに、質問と回答の履歴と対応全体の状況を可視化します。これにより、教員およびTAは質問への対応業務が軽減されるだけでなく、対応履歴と対応状況をもとに質問への回答の精度を高め、学生の理解度を把握することもできます。また、学生は講義中以外でも時間や場所を問わず、24時間気兼ねなく質問を行うことができるため、疑問があればその場で解決しながら、講義や実習を進めることができます。  平成30年度の成果として、バーチャルTAは学生から受けた質問のうち約半数に答えられ、質問対応業務の効率化が図れること、学生からの質問内容を分析・可視化することで、学生の理解度やニーズを把握でき、授業改善に役立てられることなどが明らかになりました。  しかしながら、これまでのバーチャルTAの運用は、株式会社JIECが主体となって行うものでした。バーチャルTAを今後大学の様々な講義に適用していくことを考えた場合、JIECによるサポートを最小限にしながら、適用する講義毎に持続的に運用できる形態にしていく必要があります。毎年の講義で人員の入れ替がわりあるTA主体の運営ができるようになることで、より拡張可能なサービスになることが期待されます。 株式会社JIEC概要 商  号:株式会社JIEC 所 在 地:東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル20階 代 表 者:代表取締役社長 印南淳 事業内容:情報システムの設計、構築、開発 設  立:昭和60年(1985年)9月5日 従業員数:818名(平成31年(2019年)3月現在) ▼本件に関する問い合わせ先 総務部広報室 住所:〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1 TEL:06‐4307‐3007 FAX:06‐6727‐5288 メール:koho@kindai.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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