SAS最新調査 企業におけるレジリエンシー(回復力)のギャップは予想以上に拡大
企業のエグゼクティブにとって最大の課題はスピードと機動力であることが判明
SASは今年初めに、企業のレジリエンシーに関するグローバル調査(https://blogs.sas.com/content/resiliency/)を実施し、ビジネスレジリエンシーの現状を分析するとともに、金融サービス、小売、製造業、ヘルスケア、行政機関などの業界の企業や組織が変化を乗り越えてチャンスをつかむために、どのようなステップを踏んでいるのかを明らかにしました。3月の調査報告書の発表以降、SASは調査で検討した5つのレジリエンシールールをもとに企業のレジリエンシーの動向を把握するために、レジリエンシー指数評価ツールを通じてデータを収集してきました。
SASのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CIOであるジェイ・アップチャーチ(Jay Upchurch)は、次のように述べています。「数カ月間『Resiliency Assessment Tool』を使ってデータを収集した結果、レジリエンシールール策定時の対象企業の平均よりも、企業のレジリエンシーが低く、特に『スピードと機動力』の点が課題になっていることが分かりました。まずは現時点で自社がどこに位置しているのかを理解することが、長期的な変化を持続させる戦略立案の第一歩です」
レジリエンシー指数評価ツール「Resiliency Assessment Tool」
Resiliency Assessment Tool(レジリエンシー指数評価ツール)(https://blogs.sas.com/content/resiliency/)は、無料のオンラインツールで、ビジネスリーダーはレジリエンシールール調査で調査された5つのコア・レジリエンシールール(好奇心、イノベーション、スピードと機動力、データカルチャーおよびリテラシー、公平性と責任)に基づいて、自社のレジリエンス指数を評価することができます。
SASの評価ツールを利用したエグゼクティブのうち、39%が自社を「低レジリエンシー」に区分しており、この割合はレジリエンシールール策定時の26%を上回っています。また、自社を中~高レジリエンシーと評価した割合は、当初よりも低くなっています。この差は、レジリエンシーの低い組織のエグゼクティブが評価ツールを利用する傾向が高いために生じた可能性もあります。
新たなデータによると、回答者の約3分の1が自社には5つのレジリエンシールールにおいて強みがあると評価する一方で、回答者の60%がいずれかの分野において改善の余地があると回答しています。特に「スピードと機動力」、「データカルチャーおよびリテラシー」の2つについては、 その傾向が顕著でした。しかし、これらの点について、企業が改善の取り組みを続けていることも明らかになっています。
スピードと機動力
評価ツールの結果は、企業にとって、「スピードと機動力」が依然として課題であることを示唆しています。評価ツールでは、およそ5分の1がこの点について自社には強みがあると回答しており、44%が「改善の余地がある」、33%が「改善中だがまだ十分ではない」と回答しています。
今年初めの調査時点で、世界のエグゼクティブのほぼ全員(96%)がレジリエンシールールのうち「スピードと機動力」が最優先事項と回答しています。世界の多くの企業がこの分野の改善のためにデータやAIを活用しており、その割合はレジリエンシーの高い組織で特に高くなっていました。高レジリエンシー企業のエグゼクティブの80%が「スピードと機動力」の改善のためにデータやAIを活用していたのに対して、その割合が中レジリエンシー企業では69%、低レジリエンシー企業では48%となっていました。
SASの顧客であるジョージア・パシフィックのIT/デジタルトランスフォーメーション担当バイスプレジデントであるスティーヴン・バカラー(Steve Bakalar)氏は、次のように述べています。「イノベーションは情報の速さに応じて進むものです。そして、情報を迅速に把握して共有し、活用するスピードが速ければ速いほど有利に働きます。そうして身に付けたインサイトや知識を、さらに実用的なステップに変換していくことができるのです」
データカルチャーおよびリテラシー
評価ツールを活用しているエグゼクティブは、「データカルチャーおよびリテラシー」にも引き続き、苦戦していると述べています。回答者の40%がこの分野に改善の余地があると答えており、さらに29%が「改善中だがまだ十分ではない」と回答しています。
レジリエンシールールでフォーカスされた「データカルチャーおよびリテラシー」の分野について、高レジリエンシーのエグゼクティブ(88%)は中レジリエンシー(59%)や低レジリエンシー(24%)のエグゼクティブに比べて、データ重視の企業文化の構築を重要視する傾向が高くなっていました。また、これらのエグゼクティブは社内におけるデータサイエンティストの不足にも言及しており、レジリエンスに関心の高いエグゼクティブほど、その割合は高くなっていました。レジリエンシーに強い関心を持つエグゼクティブの56%がデータサイエンティストの不足を認識しているのに対して、レジリエンシーを重視しないエグゼクティブでは35%に留まりました。
産業コンサルタントで先進製造企業のエグゼクティブであるゴータム・ケラ(Gautam Khera)氏は、次のように述べています。「混乱に直面した際にレジリエントであるために、企業は中核となるデータサイエンスへの投資をビジネスユニット全体で進めています。こうすることで、ウィジェットを製造すべきか、サプライチェーンを開発すべきか、あるいは顧客の反応の把握に努めるべきか、自社にとって何が必要になるのかを予測できるようになります。そうしたデータの流れと、エンジニアやシチズンサイエンティスト、ビジネスアナリスト、データサイエンティストなどによるチームを構成し、態勢を整えることが、本当の意味でレジリエントになるための鍵だと言えます」
この分野で苦労しているエグゼクティブは、ギャップを解消するためのソフトウェアやサービスを探して、ビジネスユーザーがデータサイエンティストと同様に、データやAI/アナリティクスから最大限の価値を得られるようにすることもできます。
レジリエンシーの解放
Resiliency Assessment Toolは現在も、自社のレジリエンスの評価に関心を持つエグゼクティブに提供されています。ツールへのアクセスと、レジリエンシールール調査報告書の全文については、こちら https://blogs.sas.com/content/resiliency/ をご覧ください
*2023年11月9日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2023/november/business-resiliency-gaps-wider-than-anticipated--study-reveals.html
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
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