生殖医療センターをリニューアルオープン
最新の設備で不妊治療提供体制を強化
横浜市立大学附属市民総合医療センター(以下、「当院」という。)では、令和6年4月1日から生殖医療センターをリニューアルします。同センターは、泌尿器科と婦人科が協働して生殖医療・不妊治療を実施している県内唯一の施設であり、不妊治療等において多くの症例を重ねてきました。今回のリニューアルによって、外来、採卵室、培養室などの機能を本館4階フロアに集めることで機能を集約、強化し、新体制での診療を開始します。
1 概要
令和4年4月から高度生殖補助医療が保険適用となるなど、生殖医療・不妊治療の需要が高まる中、
こうしたニーズに応えるため、この度、同センター外来(4階)に隣接するスペースに培養室、採卵
室・胚移植室の機能を集約することとしました。この機能集約により、治療の安全性や患者さんの利便
性の向上、治療の効率化を実現し、さらなる質の高い生殖医療の提供に寄与していきます。
(リニューアルのポイント)
〇IVF(体外受精)管理システムを新規導入
体外受精を行うために採取した卵子、精子、胚といったすべての検体をバーコード管理することで、患者の取り違いを防ぎ、安全で効率的な生殖医療を行うことができます。
1 概要
令和4年4月から高度生殖補助医療が保険適用となるなど、生殖医療・不妊治療の需要が高まる中、
こうしたニーズに応えるため、この度、同センター外来(4階)に隣接するスペースに培養室、採卵
室・胚移植室の機能を集約することとしました。この機能集約により、治療の安全性や患者さんの利便
性の向上、治療の効率化を実現し、さらなる質の高い生殖医療の提供に寄与していきます。
(リニューアルのポイント)
〇IVF(体外受精)管理システムを新規導入
体外受精を行うために採取した卵子、精子、胚といったすべての検体をバーコード管理することで、患者の取り違いを防ぎ、安全で効率的な生殖医療を行うことができます。
〇採卵室と胚培養室を一体整備
卵子を採取する採卵室を新たに整備するとともに、採取した卵子と精子を受精させ、最終的に子宮に移植するまでの間、胚(受精卵)を培養する胚培養室を近接させたことで、卵子を迅速に培養環境下に移すことができるようになります。また、胚培養室はこれまでの約2倍以上の広さを確保し、作業効率を向上させます。
〇配偶子・胚保管庫に24時間監視モニターを設置
当院ではがんの患者さんが治療前の卵子を凍結保存し、治療後体外受精を行う「妊孕(にんよう)性温存治療」を行っています。その配偶子(精子や卵子)や胚を長期にわたり保管する部屋に、24時間監視モニターを設置し厳重に管理していきます。
〇各室最高水準のクリーンレベル
採卵室や胚培養室はいずれも手術室クラスのクリーンレベルを維持できるよう、HEPAフィルターやエアシャワーを装備。ガイドラインの推奨する最高水準のクリーン度を実現し、最適な培養環境を構築します。
HEPAフィルターで大気質を最適化した採卵室・胚移植室 最新のレーザーシステムを搭載した
マイクロマニピュレーター(2台)
ガイドラインに準拠した空気清浄度を維持するため 24時間モニター監視の凍結保存
培養室前室にエアシャワーを設置 検体タンク室
2 当院の生殖医療センターの特徴
(1)男女不妊を一つの診療科で診ることにより、カップルとしての治療方針を提案しています。
(2)生殖医療専門医4名が在籍し、先進医療を含め幅広い選択肢の中から患者さん一人ひとりに必要な
治療を行っています(令和6年3月末現在。4月からさらに専門医を増員予定)。
(3)若年がん患者さんの生殖機能温存治療を施行(妊孕性(にんようせい)温存療法研究促進事業の研究
事業参加施設認定)し、公的医療機関として責任をもって長期にわたる胚・精子・卵子の保存、そ
して温存後生殖補助医療まで行っています。
(4)男性不妊症専門医が常勤医として診察を行っています。薬物治療、生活指導、精索静脈瘤手術や精
巣内精子採取術といった男性不妊手術に対応しています(年間200件以上)。
(5)着床前診断実施施設として認可を受け、重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PG
T-M)、流産の防止を目的とする着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)、胚の染色体異数性の
検出による着床率の向上と流産の低下を目的とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を施行し
ています。
(6)認定資格を有する5名の認定胚培養士が治療周期ごとに一人の患者さんを担当する体制を整えるこ
とで、流れ作業や一過的な胚評価を行わず、患者さん一人ひとりの背景(既往歴や治療歴、各周期
の卵・精子・胚発生の様子)に向き合ったうえで最善の技術を提供しています。
生殖医療センター 湯村寧 部長(泌尿器科)、村瀬真理子 担当部長(婦人科)のコメント
卵子を採取する採卵室を新たに整備するとともに、採取した卵子と精子を受精させ、最終的に子宮に移植するまでの間、胚(受精卵)を培養する胚培養室を近接させたことで、卵子を迅速に培養環境下に移すことができるようになります。また、胚培養室はこれまでの約2倍以上の広さを確保し、作業効率を向上させます。
〇配偶子・胚保管庫に24時間監視モニターを設置
当院ではがんの患者さんが治療前の卵子を凍結保存し、治療後体外受精を行う「妊孕(にんよう)性温存治療」を行っています。その配偶子(精子や卵子)や胚を長期にわたり保管する部屋に、24時間監視モニターを設置し厳重に管理していきます。
〇各室最高水準のクリーンレベル
採卵室や胚培養室はいずれも手術室クラスのクリーンレベルを維持できるよう、HEPAフィルターやエアシャワーを装備。ガイドラインの推奨する最高水準のクリーン度を実現し、最適な培養環境を構築します。
培養室前室にエアシャワーを設置 検体タンク室
胚培養室のスペースを大幅に拡張
2 当院の生殖医療センターの特徴
(1)男女不妊を一つの診療科で診ることにより、カップルとしての治療方針を提案しています。
(2)生殖医療専門医4名が在籍し、先進医療を含め幅広い選択肢の中から患者さん一人ひとりに必要な
治療を行っています(令和6年3月末現在。4月からさらに専門医を増員予定)。
(3)若年がん患者さんの生殖機能温存治療を施行(妊孕性(にんようせい)温存療法研究促進事業の研究
事業参加施設認定)し、公的医療機関として責任をもって長期にわたる胚・精子・卵子の保存、そ
して温存後生殖補助医療まで行っています。
(4)男性不妊症専門医が常勤医として診察を行っています。薬物治療、生活指導、精索静脈瘤手術や精
巣内精子採取術といった男性不妊手術に対応しています(年間200件以上)。
(5)着床前診断実施施設として認可を受け、重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PG
T-M)、流産の防止を目的とする着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)、胚の染色体異数性の
検出による着床率の向上と流産の低下を目的とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を施行し
ています。
(6)認定資格を有する5名の認定胚培養士が治療周期ごとに一人の患者さんを担当する体制を整えるこ
とで、流れ作業や一過的な胚評価を行わず、患者さん一人ひとりの背景(既往歴や治療歴、各周期
の卵・精子・胚発生の様子)に向き合ったうえで最善の技術を提供しています。
生殖医療センター 湯村寧 部長(泌尿器科)、村瀬真理子 担当部長(婦人科)のコメント
当院の生殖医療センターは今年で開設12年を迎えます。施設が分散している不便な状況下でスタッフ一人一人の努力と患者さんのご協力によりこれまでも安全に有効な不妊治療を進めてきましたが、今回の機能集約にともない、さらに不妊治療の有効性を高められると考えております。最新の設備、技術を導入し、新たなセンターで、お子さんをご希望されるカップルの夢をかなえるお手伝いができれ ばと思っています。ご期待に沿えるよう今後とも精進していきたいと思います。 |