1月の炎上分析データ公開!炎上件数、97件(調査対象期間:2025年1月1日~1月31日)

一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所による最新の炎上事案分析

シエンプレ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都渋谷区、所長:佐々木 寿郎)と共同で、調査対象期間に発生したネット炎上についての件数と、その内訳、分析結果を公開しました。

○資料ダウンロードページ
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202501/

■調査背景
2025年1月28日、デジタル・クライシス総合研究所はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2025」(調査対象期間:2024年1月1日~2024年12月31日)を公開しました。
継続調査の結果報告として、今回は2025年1月1日〜2025年1月31日の調査対象期間に発生した炎上事案について、新たに分析しています。


○「デジタル・クライシス白書2025」
https://www.siemple.co.jp/document/hakusyo2025/

■調査の概要


■調査結果

1. 炎上主体別 発生件数
1-1. 炎上主体別 発生件数と割合(前月比)

1月の炎上事案は97件でした。前月に比べ、8件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」48件(49.5%)、「一般人」28件(28.9%)、「メディア以外の法人」13件(13.4%)、「メディア」8件(8.2%)という結果でした。

割合については下図のとおり、前月と比較し、「著名人」が19.2ポイントの増加、「一般人」が4.2ポイントの増加、「メディア以外の法人」が22.6ポイントの減少、「メディア」が0.8ポイントの減少という結果でした。


1-2. 炎上主体別 発生件数と割合(前年平均比)
前年平均比では、炎上事案は5件減少しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」が10件の増加、「一般人」が1件の減少、「メディア以外の法人」が13件の減少、「メディア」が1件の減少という結果でした。
割合については下図のとおり、前年平均と比較すると、「著名人」が12.2ポイントの増加、「一般人」が0.5ポイントの増加、「メディア以外の法人」が12.1ポイントの減少、「メディア」が0.6ポイントの減少という結果でした。
1-3. 炎上主体別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月比では、炎上事案は30件減少しています。
炎上主体別の内訳は、「著名人」が12件の増加、「一般人」が22件の減少、「メディア以外の法人」が15件の減少、「メディア」が5件の減少という結果でした。
割合については下図のとおり、前年同月と比較し、「著名人」が21.2ポイントの増加、「一般人」が10.5ポイントの減少、「メディア以外の法人」が8.6ポイントの減少、「メディア」が2ポイントの減少という結果でした。
2. 炎上の内容別 発生件数
2-1. 炎上の内容別 発生件数と割合(前月比)
炎上内容別の内訳では、「情報漏洩」が0件(0.0%)、「規範に反した行為」が5件(5.2%)、「サービス・商品不備」が10件(10.3%)、「特定の層を不快にさせる行為(※)」が82件(84.5%)という結果でした。
前月と比較すると、「情報漏洩」は変動なし、「規範に反した行為」は1件の増加、「サービス・商品不備」は4件の減少、「特定の層を不快にさせる行為」は11件の増加という結果でした。
※特定の層を不快にさせる行為:法令や社会規範に反する行為ではないものの、他者を不快にさせる行為(問題行動、問題発言、差別、偏見、SNS運用関連など)
割合については下図のとおり、「情報漏洩」が変動なし、「規範に反した行為」が0.7ポイントの増加、「サービス・商品不備」が5.4ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が4.7ポイントの増加という結果でした。
2-2. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年平均比)
前年の平均発生件数と比較すると、「情報漏洩」が1件減少、 「規範に反した行為」が3件減少、「サービス・商品不備」が2件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が3件減少しました。
前年平均の割合と比較すると、「情報漏洩」が1.0ポイントの減少、「規範に反した行為」が2.6ポイントの減少、「サービス・商品不備」 が2.5ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が1.2ポイント増加しました。
2-3. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月の件数と比較すると、「情報漏洩」が1件減少、「規範に反した行為」が3件減少、「サービス・商品不備」が変動なし、「特定の層を不快にさせる行為」が26件減少しました。

前年同月の割合と比較すると、「情報漏洩」が0.8ポイント減少、「規範に反した行為」が1.1ポイントの減少 、「サービス・商品不備」が2.4ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が0.5ポイント減少しました。
3. 炎上内容の詳細区分別 発生件数
炎上内容の詳細を分析したところ、「問題発言」に関する炎上事案が27件と最も多く、次いで「接客・対応方法」に関する炎上事案が20件でした。

4. 法人等の業界別発生件数
4-1. 法人等の業界別発生件数と割合(炎上の内容別)
炎上主体のうち、「法人等」に該当する炎上21件について、業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かった業界は「メディア」業界で、8件(38.1%)という結果でした。
業界別の炎上種別を割合で見た場合、結果は下図のとおりです。


5. 企業規模別の炎上発生件数と割合
炎上の標的が「法人等」の場合について、上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について調査しました。
なお「法人等」に該当する炎上事案は、日本国内に所在する企業のみを対象としています。
また、公共団体や政党、企業概要や従業員数等の情報が公開されていない団体は調査対象から除外しています。
調査対象の総数は15件です。

5-1. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前月比)
上場区分に関して「上場企業」が主体となった事例が2件(13.3%)、「非上場企業」が主体となった事例が13件(86.7%)という結果でした。
前月と比較すると、「上場企業」の件数は4件減少、「非上場企業」の件数は4件減少しました。
割合を比較すると、「上場企業」の割合は12.8ポイント減少しました。
5-2. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年平均比)
前年平均と比較すると、「上場企業」の件数は4件減少、「非上場企業」の件数は5件減少しました。
割合を比較すると「上場企業」の割合は11.7ポイント減少しました。
5-3. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年同月比)
前年同月と比較すると、「上場企業」の件数は4件減少、「非上場企業」の件数は7件減少しました。
割合を比較すると、炎上した企業のうち、「上場企業」の割合は9.8ポイント減少しました。
5-4. 炎上の対象となった従業員数と売上高の散布図
従業員数2,000人未満、売上高は1000億円未満の企業で炎上事案が多く発生しました。
一方で、従業員数約2,000人以上の企業でも炎上事案が発生していることから、どのような従業員数や企業規模でも、炎上は発生する可能性があるといえます。
また下図のグラフにはありませんが、従業員数約1万人、売上高約7000億円といった大企業の炎上事案も確認されました。
■分析コメント
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 山口 真一氏

 1月の炎上で注目すべきは、スシローが笑福亭鶴瓶氏の広告を削除した件である。この騒動は、中居正広氏が自宅で開催したバーベキューパーティーに鶴瓶氏が参加していたことが報じられたことに端を発する。この報道を受け、スシローの運営会社は、鶴瓶氏を起用した広告や公式サイト上の写真を一時的に削除する対応を取った。しかし、この対応に対して「やりすぎだ」「とばっちりではないか」といった批判の声がSNS上で相次いだ。その後、スシローは公式サイトで声明を発表し、鶴瓶氏の広告掲載を再開することを明らかにし、「結果として、笑福亭鶴瓶様および所属事務所の皆様にもご迷惑とご心痛をおかけし、深く反省しております」と謝罪している。
 近年、企業はSNSを中心とした批判の高まりに敏感になりすぎている傾向があり、炎上の火種を早急に断つことが最優先され、本来慎重に判断すべき事案でも即座に「距離を取る」対応が取られがちである。今回の件も、まさにその典型であり、結果としてスシローは「過剰な反応を示した企業」として逆に批判を浴びることとなった。
 本来、企業が問題に適切に対応するためには、単にリスクを回避するのではなく、どこまでの関与が問題とされるのか、どのような対応が適切なのかを慎重に見極める必要がある。特に、今回のようにまだ不明点が多い状況では、過剰に反応することよりも、冷静に状況を見極め、透明性や説明責任を果たすことのほうが重要である。
 また、最近ではこのような「企業の表現の萎縮」に対する批判の声も高まっている。企業が炎上を恐れるあまり、過剰に自粛し、結果として表現の自由を自ら狭めてしまうことは、長期的に見て社会にとってもマイナスである。企業が批判を避けるための対応ばかりに終始するのではなく、何が本質的な問題であり、どのような立場を取るべきかを主体的に考え、対応することが求められる。
 企業は単に批判を回避するのではなく、慎重な判断と説明責任を持って社会と向き合うことが、信頼の維持につながるはずである。

■(参考)分類基準
1.分類基準(炎上の主体)
抽出したデータは以下の表1に基づき分類しました。

(表1)分類基準(炎上の主体)
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016

公に情報を発信する機会の多いメディア関連の法人については、炎上に至る経緯に違いがあるため、他業種の法人と分けて集計しています。

2.分類基準(炎上の内容)
抽出したデータは以下の表2に基づき分類しました。

(表2)分類基準(炎上の内容)
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016


3.分類基準(業界)
また、炎上の主体が「法人等」の場合、20の業界に分類しました。
なお、該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理しました。

参考:業界動向サーチ「ジャンル別業界一覧」https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm



■一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所 概要
研究所名  :一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所
設立    :2023年1月20日
代表理事  :佐々木 寿郎
アドバイザー:山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
沼田 知之(西村あさひ法律事務所所属弁護士)
設立日   :2023年1月20日
公式HP  :https://dcri-digitalcrisis.com/
関連会社  :シエンプレ株式会社"

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この企業の情報

組織名
シエンプレ株式会社
ホームページ
https://www.siemple.co.jp/
代表者
佐々木 寿郎
資本金
0 万円
上場
非上場
所在地
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-19-14クリスタルポイントビル 2F
連絡先
03-3275-6646

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