~データ駆動型アプローチによる日本語・韓国語オノマトペの音象徴性の共通点の分析~
京王グループの感性AI株式会社(本社:東京都調布市、取締役社長:秋山正晴)は、当社社員が執筆した「データ駆動型アプローチによる日本語・韓国語オノマトペの音象徴性の共通点の分析」をテーマにした論文が、「2025年度 人工知能学会全国大会」(主催:一般社団法人人工知能学会)に発表採択されたことをお知らせいたします。
本研究では、日本語と韓国語のオノマトペにおける意味と音の類似性を分析して、それらの対照的な音象徴性の関係を明らかにすることを目指し、意味的類似性と音韻的類似性を定量的かつ自動的に計算する方法を提案しました。意味的類似性には単語埋め込みや言語モデルを用いる手法、音韻的類似性にはローマ字表記や国際音声字母の転写を用いる手法を検討・評価しました。これら2つの類似性計算方法を使用することで、意味と音の両方で似ているオノマトペのペアを両言語から抽出した結果、対訳辞書にあるペア・無いペアとそれぞれの抽出に成功し、データ駆動的・定量的方法が有効である可能性を示しています。
本論文は、2025年5月27日(火)から30日(金)に開催される2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)にて、執筆者である当社社員の本村駿乃介が発表します。
また、当社もゴールドスポンサーとして協賛し、感性とAIの融合による企業の課題解決や新たな価値を社会実装する取り組みについて紹介させて頂きます。
詳細は下記のとおりです。
1.論文の概要
(1)論文名
日本語・韓国語オノマトペにおける意味的・音韻的類似ペア抽出のための言語埋め込みを用いた分析
(2)概要
日本語と韓国語におけるオノマトペ(擬音語と擬態語)の音象徴性に関する研究を行い、その類似性を定量的に分析することを目的としています。両言語におけるオノマトペの数は多く、日本語にはおおよそ1,000から4,500語、韓国語には3,000から8,000語が存在するとされており、これらの習得は学習者にとって感覚的な運用や意味範囲の広さから非常に困難です。
音象徴は、言葉の音とその意味との間に恣意的でない関連性を持つことを指すため、意味と音の両方向からの分析が不可欠です。本研究では、日本語と韓国語のオノマトペの類似性を分析するために、意味的類似度と音韻的類似度の2つの類似度計算手法を提案しました。意味的類似度には、fastTextやTransformerベースのモデルなどの言語埋め込みを利用した意味的類似性を評価しました。さらに、音韻的類似性については、オノマトペの分析にローマ字変換を用いる手法と、国際音声字母を用いる手法を提案し、それぞれの手法が人間の主観的評価とどれほど一致するかを検討しました。意味と音韻の2つの類似性計算方法の両方を利用することで、意味と音の両方で似ているオノマトペのペアを両言語から抽出しました。その結果、対訳辞書に存在するペアと存在しないペアのそれぞれを抽出することに成功しました。
本研究は、対照言語学における音象徴性の理解を深めるための新しいアプローチを提供し、日本語と韓国語のオノマトペに対する定量的な音象徴分析の可能性を示すものとなっています。このような手法を通じて、言語間の関係性をより明確に把握し、言語学習におけるオノマトペの習得支援などに寄与することを目指しています。
(3)論文執筆者
本村駿乃介(感性AI株式会社 事業部 チーフエンジニア)
2.人工知能学会全国大会ゴールドスポンサー協賛について
人工知能学会は、一般社団法人人工知能学会が主催するAI(人工知能)の研究者が集う大会です。
今年で39回目の大会となり,人工知能の研究や応用に関する最新の成果や知見を共有し交流する場として基調講演、招待講演をはじめ、各セッション、企業展示などの企画が行われます。
当社は、昨年度から引き続きゴールドスポンサーで協賛し、文章や画像などあらゆる情報の感性情報をAIにより定量化する「感性可視化AI」を活用したサービスやコンサルティング事例について紹介させていただきます。
日程 : 2025年5月27日(火)~30日(金)
会場 : 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)+ オンライン
公式 :
https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2025/
3.お客さまのお問い合わせ先
感性AI株式会社 下牧・宮﨑
TEL.042-444-6761 Mail:sales@kansei-ai.com
以 上
【参考】感性AI株式会社の概要
1.商 号 感性AI株式会社
2.U R L https://www.kansei-ai.com/
3.本社所在地 東京都調布市小島町一丁目1番1号 UECアライアンスセンター309号室
4.主要サービス
①感性AIアナリティクス
(
https://www.kansei-ai.com/marketingsolution-analytics)
消費者データを学習したAIが、ネーミングの響き、キャッチコピー・パッケージデザインの印象を瞬時に分析・可視化するクラウド型のマーケティングツール。消費者の感性を数値化することで、市場調査コストの大幅削減と意思決定の根拠付けを実現し、業務の効率化と推進をサポートします。
②感性AI MateriaLink
(
https://www.kansei-ai.com/materialink)
素材の質感がもたらす感性価値を数値化して客観的に提示する感性定量化技術を活用し、素材の感性価値を定量化・データベース化する素材のプラットフォームです。
素材の触り心地を定量化・可視化し、データベース化することで、感性価値を重視した素材メーカーの素材開発や、ブランドオーナーの素材の探索をサポートします。
③コンサルティングサービス
「人が言葉で表す情報(感性的な表現)や認知特性」に関する技術・知財・ノウハウなどを駆使し、お客様の課題解決のためのプロジェクト編成、調査・実験のコーディネート・実施、ソリューションの提供までトータルでサポートいたします。
システムを活用した感性的な情報の定量化、調査・実験などにより、お客様の目に見える形でソリューションを提供することで、革新的な商品開発・マーケティングを実現いたします。
5.資 本 金 4,500万円
6.代 表 者 代表取締役社長CEO 秋山正晴
7.設 立 登 記 2018年5月25日
8.事業に関するお問い合わせ先(相談・業務依頼)
感性AI株式会社 Mail:sales@kansei-ai.com