左：従来の包装　　　　　　　　　　右：ラベルレスサーマルによる包装


　現在、忙しいライフスタイルや健康志向の高まりなどを背景に冷凍弁当市場が急速に成長しており、シルバーライフでは本分野の事業拡大を進めています。こうした中で生産現場では、トップシールに印字するリボンロールの交換が１日あたり11回発生するため、１日あたり５５分程度製造ラインを停止せざるを得ませんでした。
　今回のラベルレスサーマルの導入により、リボンロール交換が不要となり、交換に伴う工数を大幅に削減しました。これにより、稼働時間は変わらず、1日あたり約9%の追加生産が可能になる見込みです。さらに、使用済みのインクリボンなどの廃棄物がゼロになり、1か月あたり232kgCO2の削減効果も期待されています。
　従来、ラベルレスサーマルはPET基材でのみ製造されていましたが、このたび初めてナイロン基材での製造を実現しました。今後はさらに多様な基材への対応を進め、トップシール包装をはじめ、ピロー包装や深絞り包装など、さまざまな包装形態・アプリケーションへの展開を図ってまいります。


シルバーライフ　代表取締役社長　清水貴久のコメント

■ラベルレスサーマルについて
　ラベルレスサーマルの特徴
● 環境負荷の低減：ラベルやリボンロールを使用せず、包装材に直接印字することで、製造過程における廃棄物とコストの削減を実現。
● 作業工程の効率化：ラベルやリボンロールの交換作業が不要となり、製造ラインの稼働効率が向上。
● 包材の統一による在庫管理の最適化：オンデマンドで商品名や成分情報などの可変情報を印字できるため、多種類の包材を統一し、在庫管理をスリム化。
● 視認性の向上：部分塗工により、成分表示や商品の中身をより見やすく表示可能。

　ラベルレスサーマルは、株式会社リコー（本社：東京都大田区、社長執行役員：大山 晃 以下、リコー）が開発したサーマルインクを包装材に塗工し、サーマルプリンターやレーザー装置で熱を加えて発色させることで、従来のラベルやリボンロールを使用せずに包装材への直接印字を行う技術です。この技術により、ラベルの削減やリボンロール交換の手間を省き、環境負荷の低減、作業工程の効率化、さらには包装材の統一による在庫管理の最適化など、さまざまなメリットをもたらします。そのため、小売り・流通業界をはじめとする幅広い分野で、生産性向上に貢献します。
　さらに、本技術は部分塗工が可能なため、商品の中身と成分表示の視認性を両立できます。これはリコーが業界で初めて実現した技術です。本製品は、2023年の日経優秀製品・サービス賞「最優秀賞」、2024年木下賞「新規創出部門」を受賞しています。

■RNスマートパッケージングについて
　RNスマートパッケージングは、ラベルレスサーマルをはじめとする機能性包材の企画・開発・販売を手がける合弁会社として、リコーと中本パックス株式会社（本社：大阪府大阪市、代表取締役社長：河田 淳）により設立されました。リコーの強みであるサーマル技術と、中本パックスの強みである包材設計・機能性コーティング技術、さらにその顧客基盤を組み合わせ、機能性包材市場に新たなパッケージソリューションを展開してまいります。
URL： https://rn-smart-packaging.ricoh/

■シルバーライフについて
会社名：株式会社シルバーライフ
本社所在地：〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-32-4ハイネスロフティ2階
代表取締役社長：清水 貴久
URL： https://www.silver-life.co.jp/
事業内容：
● 高齢者向け配食サービスFC本部の運営
　（サービス名称「まごころ弁当」、「配食のふれ愛」、「宅食ライフ」等）
● 高齢者施設等への食材販売
　（サービス名称「まごころ食材サービス」、「こだわりシェフ」「おてがるシェフ」等）
● 冷凍弁当の製造、自社販売及びOEM
　（サービス名称「まごころケア食」、「ライフミール」等）