京都産業大学では連携協定を締結している三重県いなべ市において、行政・地域と協働し、「空き家の現状」について、学生が参加して実地調査を実施。「ライブハウス」や「空き家ウェディング」など学生目線での「空き家活用策」を提案した。
1. 連携の経緯
京都産業大学は、従前より地域貢献のための教育・研究活動および将来の地域経済・地域社会を支えるグローカル人材の育成を推進しており、この一層の推進・拡充のため、地元である京都府下の自治体のみならず、広く地域連携を進めてきた。
他方、三重県いなべ市では、山間部において、人口の都市部への流出とこれに伴う高齢化の進行、地域の担い手不足、空き家の増加等の課題が顕在化しており、これに対するため、圏域にある豊かな自然などの観光資源を活用したグリーン・ツーリズムの推進による雇用創出と定住化の促進を計画していた。この計画には、外部の視点による市の魅力再発見・創出という観点から、特に圏域外の大学の協力が必要となっていたところ、京都産業大学の人材育成の取り組み、京都産業大学が有する知的・人的資源が同市の注目を引くこととなった。
これを起点として、京都産業大学といなべ市との連携が始まり、2014年8月には連携協力に関する包括協定を締結するに至った。これを背景として、同市の「いなべグリーン・ツーリズムモデル地区推進計画」の推進に協働しての取り組みを開始した。
2. 学生による実地調査の実施
計画の最初のステップとなる2014年度は、計画策定のための実態調査として、行政・地域と協働して、「空き家の現状」「地域の観光資源」「地域の安心・安全面における課題」の3つの観点から、山間部を中心に調査を実施した。
これらの調査には、京都産業大学の学生が参加し、特に空き家の現状調査においては、京都産業大学法学部4年次生9名が、担当教員の指導のもと、調査計画の立案からオリジナルの調査票の開発、実地調査の実施、活用策の立案まで、学生主体で検討・実施を進めた。
実地調査については、2014年11月から2015年2月にかけて、地域住民の協力も得て4回実施した。この調査では学生たちと地域住民との人的交流が促進され、双方にとって刺激となったとの評価を得ている。
学生たちは、この空き家の現状調査の結果を踏まえ、最終的に空き家活用策として、「ライブハウス」「空き家ウェディング」などとった学生視点によるユニークで思い切った10の提案にまとめた。また、2015年3月にいなべ市で開催された、同市主催のグリーン・ツーリズム推進についての講演会において、これらの提案の発表を市民の前で行うとともに、学生が感じたいなべ市の魅力、グリーン・ツーリズム推進上の課題等についての指摘も行った。
3. 今後の取り組み予定
2015年度には、いなべ市の高等学校や同市近隣に位置する大学との連携も検討しており、さらに地域振興と地域の活性化を担う人材育成のための動きを加速させる予定。
4. 2014年度 総務省「グリーン・ツーリズムの推進に向けた地域の拠点づくり」採択
この京都産業大学といなべ市の取り組みは、2014年度に総務省が地方公共団体に対して募集された「機能連携広域経営推進調査事業に関する委託事業」において、「グリーン・ツーリズムの推進に向けた地域の拠点づくり」として選定を受けている。
【総務省HP】
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei08_02000074.html
▼本件に関するお問い合わせ先
京都産業大学 学長室広報担当
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