<今後の展開>
精神疾患予防のための新たなプレバイオティクス介入として、ケストースが有用である可能性が示唆されました。今後は、ヒトへの実用化に向けた臨床試験への発展が期待されます。
<用語解説>
※1 プレバイオティクス:腸内で良い働きをする腸内細菌を選択的に増やす食品成分のこと。
※2 ケストース:玉ねぎやライ麦などに含まれているオリゴ糖の一種で、プレバイオティクスの代表格として注目されている
※3 短鎖脂肪酸:腸内細菌によって作られる代謝物であり、腸内環境の改善や過剰な免疫反応を抑制する働きを持つ。
※4ミクログリア:脳内の免疫応答に関わる細胞で、過剰に活性化すると炎症性物質を放出し、神経細胞に損傷を与える。
<文献情報>
論文タイトル:
1-Kestose Prevents Psychiatric-Like Behavior by Enhancing Short-Chain Fatty Acid Production
著者:
田辺萌夏1,2,3、國澤和生1,4,#、藤井匡5,6、栃尾巧5,6、廣岡芳樹5,6、小鹿晴登1、成岡佑太1、伊藤弘康3,7、齋藤邦明2,8、鍋島俊隆2,4,9、毛利彰宏1,4,# (#共同責任著者)
所属:
1 藤田医科大学 医療科学部 レギュラトリーサイエンス分野
2 藤田医科大学 医療科学部 健康医学創造共同研究部門
3 藤田医科大学 医療科学部 病態システム解析医学分野
4 藤田医科大学 精神・神経病態解明センター
5 藤田医科大学 医学部 医科プレ・プロバイオティクス講座
6 藤田医科大学 医学部 消化器内科学
7 藤田医科大学 医学部 臨床検査科
8 藤田医科大学 医療科学部 先進診断システム開発分野
9 NPO法人 医薬品適正使用推進機構
DOI:10.1111/jnc.70273