日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)はこのたび、当社が開発・量産化した「厚膜積層型ジルコニア製NOxセンサの多孔質保護層の開発と早期量産化」について、公益財団法人大河内記念会から第72回(令和7年度)大河内賞の「大河内記念生産賞」を受賞しました。
大河内賞は、財団法人理化学研究所3代目所長・大河内正敏博士の遺志を受け、大河内記念会が日本の生産工学、生産技術の研究開発、高度生産方式の実施などに関する顕著な功績に対して表彰するもので、産業界の表彰として極めて名誉ある賞です。「厚膜積層型ジルコニアNOxセンサ」は、当社が世界で初めて開発、実用化した車載用高精度NOx(窒素酸化物)センサーであり、今回の受賞では、NOxセンサーにおける多孔質保護層※1の開発と、その量産技術の確立が評価されました。
当社のNOxセンサーは、自動車の排気管に装着され、排ガスに含まれるNOx濃度をppm(100万分の1)レベルの高精度で、リアルタイムに測定できる製品です。排ガス中のNOx濃度を検知して、排ガス浄化装置の制御やその故障診断に使用されます。
近年、各国で自動車排ガス規制が段階的に強化され、欧州を中心に実際の走行環境下で排出ガスを評価する実路走行時排ガス規制(RDE)が導入されました。これにより、エンジン始動直後など排気系に水分が多く、急激な温度変化が起こる条件でも、安定した測定性能がNOxセンサーに求められるようになりました。一方で、こうした条件下では、セラミック素子に熱衝撃による負荷がかかりやすいという課題がありました。
当社はこの課題に対し、排ガス規制の段階に合わせて技術開発を進め、2017年にプラズマ溶射法による多孔質保護層の形成技術を確立しました。さらに、2022年には保護層を2層構造とすることで耐被水性※2を向上させ、実使用環境下におけるセンサーへの熱衝撃を緩和しました。これらの技術を投入することで、NOxセンサーの早期量産化を実現しています。
NGKグループは、2050年の未来を見据えた中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラル(CN)とデジタル社会(Digital Society:DS)分野への事業構成転換を目指しています。今後も自動車排ガス浄化技術で社会課題を解決し、モビリティ領域でのカーボンニュートラル社会を実現していきます。
■ 授賞概要
・賞名:第72回大河内記念生産賞
・主催:公益財団法人大河内記念会
・受賞業績名:厚膜積層型ジルコニア製NOxセンサの多孔質保護層の開発と早期量産化
・受賞事業体:日本ガイシ株式会社
・贈賞式:2026年3月24日(火) 日本工業倶楽部会館(東京都千代田区)